第 38 回サンダンス映画祭(ミッドナイト部⾨)正式出品
第 38 回デンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)11 部⾨ノミネート他多数!
クリスチャン・タフドルップ監督最新作
胸騒ぎ
2024年5月10日(金)新宿シネマカリテほか全国公開
旅先で出会った親切な家族。何かがおかしい、彼らの“おもてなし”
イタリアでの休暇中、デンマーク人夫婦のビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、オランダ人夫婦とその息子と出会い意気投合する。後日、オランダ人夫婦からの招待状を受け取ったビャアンは、家族を連れて人里離れた彼らの家を訪れる。再会を喜んだのも束の間、会話のなかで些細な違和感が生まれていき、それは段々と広がっていく。オランダ人夫婦の“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を覚えながらも、その好意をむげにできない善良な一家は、週末が終わるまでの辛抱だと自分たちに言い聞かせるが――。
ブラムハウスも認めた、北欧の新たなる鬼才クリスチャン・タフドルップ
第 38 回サンダンス映画祭でワールドプレミア上映されるや想像を絶する衝撃的な展開と不穏な作風が大きな話題になり、各国の映画祭を席巻した『胸騒ぎ』。メガホンをとったのは、デンマーク出身の新たなる鬼才クリスチャン・タフドルップ。映画監督として活躍する一方、これまで俳優・脚本家としても多彩な才能を発揮してきた。
俳優としては、北欧の至宝マッツ・ミケルセン主演『アフター・ウェディング』(06/スサンネ・ビア監督)に出演、同作は第 79 回アカデミー賞®外国語映画賞にノミネートさるなど高い評価を受けた。映画監督としては、監督・脚本・主演を務めた短編『The Copier(英題)』(99)でデビュー。その後も、監督のみならず脚本執筆にもこだわり、ほぼ全ての監督作品で脚本も担当してきた。『Parents(英題)』(16)では、長編映画デビュー作にして、第 34 回デンマーク・アカデミー賞監督賞やデンマーク映画批評家協会賞(ボディル賞)で脚本賞ほか数々の受賞を果たし、長編2作目となる『A Horrible Woman(英題)』(17)では独創的な物語設定が評価を受け、ヨーロッパ全体で 20 万人以上を動員。国内外の映画賞を獲得するなど高い評価を受けた。
圧倒的脚本力で、
人間の裏側に潜む「悪」「恐怖」を浮かび上がらせる鬼才たち
ミヒャエル・ハネケ、アリ・アスターを継承する新たな才能
これまで、「問題作」と言われながらも独自の視点で人間の裏側に潜む「悪」や「恐怖」を浮かび上がらせ、映画史に名を刻んできた世界の鬼才たち。『ファニーゲーム』での抵抗不可能かつ理不尽な惨劇描写が物議を醸したミヒャエル・ハネケ監督。『フレンチアルプスで起きたこと』など極限状態で浮かび上がる人間の本性を、ブラックユーモアを交え描いてきたリューベン・オストルンド監督。さらには、『ヘレディタリー 継承』、『ミッドサマー』など呪縛のように抗えない「恐怖」をホラー映画の概念を覆す表現で映像化してきたアリ・アスター監督。全ての監督が自ら脚本も手掛け、観客の脳裏に爪痕を残すような物語を紡いできた。
『胸騒ぎ』クリスチャン・タフドルップ監督も、本作の着想をイタリアでの休暇中に出会った“ある家族”との実体験をもとに膨らませ、自ら脚本を執筆した。半年後にその家族のもとを訪れた当時を振り返り、「自分たちはたくさんのことを我慢する羽目になった。帰路につく頃には、自分を自分で痛めつけていたかのような感覚に襲われた。僕たちはなぜ何もしなかったのか。彼らの不快な言動に“ノー”と言うよりも、我慢するほうが楽だったのはなぜだろう」と、その時に抱いた違和感から本作の根幹となる問いが生まれたことを明かした。そんな鋭い視点で生み出された本作について海外メディアも、「ミヒャエル・ハネケ、リューベン・オストルンド監督の匂いを十二分に感じる(Los Angeles Times)」、「『フレンチアルプスで起きたこと』の風刺と共鳴する(The Daily Beast)」、「『ファニーゲーム』に匹敵する衝撃(The Film Stage)」、「『ミッドサマー』で描かれる“休暇”の恐怖と近い(Mashable)」など、いま見逃せない最注目の監督として、名だたる鬼才になぞらえて絶賛している。
- 何もできない、逃げ出せない。
あの時こうしていたらは一切通用しないストロングスタイル。
不穏さを感じながら抵抗することさえできない様は、スクリーンを見つめることしかできない私たちも同じで、無様に不条理の中に打ち捨てられた。
しかし、誰かの不幸は他の誰かの幸福になり得るのである。絶望を見事に演じ切ったモルテン・ブリアンに拍手を。――松井玲奈(役者・小説家) - あまりにも怖すぎて、どう薦めて良いものか、頭を抱えております。
特に、ラスト 15 分は心の準備を万全にしてからみてほしい。この映画を観た誰も、この物語の真実を語る事はできない...。世にも恐ろしい映画です。
――相沢梨紗(でんぱ組.inc)
- ちょっとした違和感や不安の予兆が、驚くほど巧妙な演出で描かれるのが面白すぎて、ほいほいと足を踏み入れたものの...。
その微かな”胸騒ぎ”に素直に従って行くんじゃなかったと後悔する主人公と同様に、観るんじゃなかった...。一応警告しましたからね!
――大島依提亜(グラフィックデザイナー) - 旅先でも気を緩ませたらいけない。絶対に!
胸騒ぎの予感があったら全力で逃げることを学びました。心して観てください。寒々しいながらに風景描写は美しく、恐怖を煽ります。
――ヒグチユウコ(画家) - ああいやだいやだ!これだから友だちなんてつくるもんじゃない。ましてや知り合い程度で深入りするもんじゃあない。なんて人間嫌いが加速する作品なんだ。
妙に直感が働く時はそれに従った方がいい。
気を遣って我慢してもろくなことにならないことは、この作品が証明してくれる。
他人を信じるな。すべてを失ってからでは遅いから。
――野水伊織(映画感想屋声優) - 物語が進むにつれ、沸々とこみ上げてきたのは激しい怒りだった。
「邪悪」に対する怒りではない。邪悪と対峙して、なんら抵抗することもできず屈服する「善き人」の弱さに対してだ。
ラストの衝撃度も凄まじい。監督の真の狙いはどこにあるのだろう。人間を奮い立たせたかったのか、それとも諦めさせたいのか。
――中野京子(作家・ドイツ文学者) - 不穏な家族から次々と手渡される、善意のコーティングを施された「何か」。あなたは受け取らない自信がありますか?
これは善意に仕掛けられた罠と、それに抗いきれないどこにでもいる「普通の家族」の話。
小気味よく撒かれた不安の種がどこまでも、どこまでも発芽し続けるスリリングな97分。 本当に気が休まらなかった!!!
――Dr.マキダシ(精神科医/ラッパー) - この映画を見た後では、全ての人が悪意を持っているようにみえる。
油断すると食い殺されてしまう気がする。いや、きっとそうに違いないんだ。
押しつけがましい善意と腹黒い悪意で魂を壊しにやってくるんだ。
誰か助けて……助けてください……そしてこの胸騒ぎの理由(わけ)を教えてください。――氏家譲寿(ナマニク)(映画評論・文筆家)
- 人間の悪意だけでなく、救いようのない弱さも嫌というほど見せつけられる。
ひたすら辛く、どこまでも広がるような虚しさに襲われる。
北欧から度々出てくる「美しい情景で厭を包む」作品群。その中でもトップクラスで気分が落ち込みます。
冗談とか大袈裟な話ではなく、この作品は心身ともに健康な時に観ましょう。
――人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー) - なんて居心地の悪い映画なんだ!!
微妙な気まずさが徐々に恐怖へと変貌していき目が離せない。
いつしかドス黒い悪意の前に身動きがとれなくなり、観客は暗闇の中に取り残される。
かつてない絶望映画体験に心が崩れ落ちた。簡単に人を信じちゃ、いけないよ。――ホラー映画取締役 - 知らない相手との会話の節々に感じる些細な違和感。それは単なる思い過ごしなのか、それとも「純粋な悪意」の表れなのか。その曖昧な感覚をじわりじわりと広がっていく不穏な恐怖として描く。
見たことを後悔するほどの容赦の無い物語と後味の悪さだが作品としては素晴らしい。これが映画の醍醐味だ。――ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー) - 邦題のとおり、冒頭から嫌な予感はする。
たまには誤った選択をしてしまうのも人の常だ。
では、それら選択の連続の中で、最悪の結末を回避する“ポイント・オブ・ノー・リターン”ー帰還不能点ーはどこにあったのか?
絶対に死守すべきものは何か?それ以外については損切りの決断を下せるものなのか?
ケース・スタディの格好の材料――大島てる(事故物件サイト運営代表) - キリキリキリ……ジェットコースターが上がる。
ひどくゆっくりとした上昇なので、まあいいかと気にしないでおく。
すると突然、凄まじい勢いでどん底へと落下してしまう。急転直下?
いや違う、そのコースターはいつでも自由に降りられたはず。
降りないことを選んだのは他ならぬ「君だ」。そんな、誰もがする間違いについての話。――吉田悠軌(怪談研究家) - 序盤の食事場面の指舐めから各所の「口まわりの無気味」が巧みで、観ている間、ずっと不味い唾が湧く不快作です。
鑑賞後は思い切り叫んで、その唾を吐き捨てましょう。悪意との契約を絶つべし。――望月哲史(webムー編集長) - 静かに蓄積されていく違和感、不穏さがラストで大爆発!
“最狂ヒューマンホラー”の名に恥じない残酷で狂った絶品。もう観たくない。
――渡邊存瀰(TOCANA編集長) - あるあるある。身に覚えがありすぎる!
モヤッとする他人の振る舞いを、当たり障りなく受け流した過去の記憶がいくつも蘇る。
彼らから距離を取ることに失敗していたら、本質的にこの家族のような目に遭うこともあったかも!?しばらく胃が痛くなったけど観てよかった。大変勉強になりました(グッタリ)。
――レイナス(ホラー通信 記者) - 世界中の映画祭が衝撃と戦慄に包まれたのも納得できる傑作だ。
近年まれに見る、おぞましさ。
ラストの衝撃は『ミスト』を超えている。
ホラーと安易に言うのも抵抗があるほど、真に恐ろしい、危険な映画だ。
――福谷修(WEB映画マガジン「cowai」編集長)
脚本:クリスチャン・タフドルップ、マッズ・タフドルップ
出演:モルテン・ブリアン、スィセル・スィーム・コク、フェジャ・ファン・フェット、カリーナ・スムルダース
2022年/デンマーク・オランダ/ カラー/2.39:1/5.1ch/97分/
英語・デンマーク語・オランダ語/英題: Speak No Evil 原題:GÆSTERNE/PG-12
配給:シンカ 宣伝:SUNDAE 宣伝協力:OSOREZONE 提供:SUNDAE、シンカ
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