インタビュー
佐藤かよ(女優)/『鬼灯さん家のアネキ』

佐藤 かよ (女優)
映画『鬼灯さん家のアネキ』について

公式サイト

2014年9月6日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

血の繫がらない姉と弟のアブナイ日常を描いて人気を博す五十嵐藍の4コマ漫画『鬼灯さん家のアネキ』が、今泉力哉監督の手により映画化された。「ダメ人間恋愛映画の旗手」との異名をとる今泉監督の持ち味は、若者たちの体温の低い恋愛を生々しく描くところにあったが、エッチな描写もたっぷりなテンション高いラブコメと格闘し、谷桃子、前野朋哉、佐藤かよという異色の豪華キャストとともに、弾けながらもほのかに切なく人間味あふれる青春映画を作り上げた。
姉への想いを暴走させる吾朗の同級生・水野麻衣を演じたのは佐藤かよさん。2010年に男性であることをカミングアウトしてからなお一層モデルやタレントとしての活動に輝きが増した佐藤さんだが、本格的演技への初挑戦にも全力で取り組み、ミステリアスな水野を生き生きと魅力的に演じている。
今回今泉力哉監督と佐藤かよさんのお二人にじっくりとお話を伺う機会を得た。PART1の佐藤かよさん単独インタビューでは、台詞を覚えるのにも必死だった日々を笑顔でさらりと振り返りながら、役をしっかり捉えた佐藤さんの深い人間性が表れるお言葉に感銘した。PART2では今泉監督と佐藤さんに作品談義をしていただき、ここでもまた佐藤さんが一見ドタバタコメディな本作の核心を突く発言を連発し、鋭い洞察力に今泉監督も嬉しい驚きを感じたようだった。そしてPART3の今泉監督単独インタビューでは、初めての原作ものであり予算規模も大きい作品となる本作への挑戦を伺った。監督と俳優たちの奮闘が結実した本作を、ぜひ多くの方にご覧になっていただきたい。(取材:深谷直子)
佐藤 かよ 1988年生まれ、愛知県出身。男性としてこの世に生を受けるが幼少期より自身の性別に違和感を感じ始める。2008年より名古屋を中心に雑誌、広告などで女性モデルとして活動をしていたが、2010年に番組内で男性である事をカミングアウト。現在では、テレビ、ファッションショーなど、モデル・タレントとして幅広く活躍中。
佐藤かよ――佐藤さんはモデルやタレントとして活躍をされていて、映画でも『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(13)でとても印象に残る役を演じていましたが、今回の『鬼灯さん家のアネキ』は主人公のハルと吾朗に絡む水野という女の子の役で、初めて本格的に演技に取り組まれたということになると思います。お話をいただいたときはどんなお気持ちでしたか?

佐藤 いつもどおりマネージャーさんから「映画のお話があるけどどうしますか?」と言われて、どんな役だろう?と思って訊いたら台詞も出演シーンも多い役ということで。「大丈夫かな?」とは思ったんですが、やってみようと思って出演を決めました。でも台本をいただいて初めてみなさんと本読みをしたときに、そういうことはほとんど初めてのことだったので、空気感も違うし、いつもの撮影やテレビとも違うし、不安が一気にブワ~っと。

――役柄的にも水野は自分をしっかり持ったクールな女の子で、普段の佐藤さんのイメージとは違う役ですよね。

佐藤 そうですね、水野麻衣ちゃんとは性格もイメージも全然違うなと自分でも思いました。でもその分逆に台本を読んだり原作も読んだりして、自分の中で水野麻衣ちゃんを膨らませていきました。普段の私はクールとは程遠いんですけど、でもどこか麻衣ちゃんの発する言葉だとかには共感できる部分が多々あったり、なんかすごいこと言うなという驚きもあったりして、面白い子なんだなって思っていました。

――撮影に入る前に役作りなどもかなりされたんですか?

佐藤 いえ、役作りなんて立派なことは何もできなかったです。台詞を覚えるので精いっぱいで、何をしたらいいのかも分からないし、とにかく全身でぶつかってみてどうなるか賭けるという、体当たりのような感じです。今泉監督は自由にやらせてくれる方だったので、「じゃあテストやってみようか」と言われて台詞を言ってやってみて、それを見て今泉監督が「こうしたほうがいいかな、こういう言い方のほうがいいかな」とか、いろいろ指導をしてくださって。とりあえずやってみようという感じで現場が始まったので、とにかく入るしかないというか、入っちゃえばいいや!という感じでやってみました。

――今泉監督はすごく役者さんの持ち味を活かしてくれる監督さんだと思うので、佐藤さんのこともよく見て演技を引き出そうという感じだったのでしょうか?

佐藤 今泉監督はあんまり余計なことはしゃべらないというか、現場でも監督とじっくりしゃべることはなかなかなかったので、最初はあんまり私のこと好きじゃないのかなあとか思ったりする空気もあったんですけど(笑)、でもそれが未経験の私にとっては入りやすくさせてくれたのかなあと思います。私のイメージだと映画の監督さんって結構きついことを言って、怒られたり泣かされたりするのかなと思ってて。そういうイメージが先走っていたので、逆にそのおかげで必死こいて台詞を覚えました。

『鬼灯さん家のアネキ』

――(笑)。台詞は大変だったろうなと思います。長い台詞が結構ありますよね。

佐藤 ありましたね。でもできるもんですね、人間って。びっくりしました(笑)。出演が決まって台本をいただいてから、ドラマとかを見ていても「すごいなあ、よくこれだけ覚えられるなあ」って。俳優さんって難しい数字とかお医者さんの専門用語だとかも普通にスラスラと言いますよね。「絶対無理だ、みんな頭の中どうなってるの?」って思っていたんですよ。でもやってみたら覚えられたので、すっごい気持ちよかったです!

――できるんだ!って(笑)。よかったですね。特に難しかった台詞ってありましたか?

佐藤 ラストシーンに近付くにつれて、結構麻衣ちゃんの感情的な部分が出てくるんですね。やっぱり感情が入っていくとどんどん自分の気持ちをストップ効かずにしゃべっていくことが多かったので、そのへんは結構苦労しました。でも自分だとしてもやっぱりこう思うだろうなという感じで麻衣ちゃんに気持ちが同化したっていうか、自分が麻衣ちゃんの立場だったらきっとこう言うのかな、こうするのかな、っていうのを考えながらやってみると台詞が覚えられたので、その裏技でがんばりました(笑)。

――裏技(笑)。いや、役になり切るって大事なことですよね。

佐藤 でも、すっごい夢で見たんですよ。撮影の日にいざ、ってなったら別のシーンの台詞を覚えてて全然出てこないとか、台詞が飛んじゃってとか、そういう夢を見たりしていたので。

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鬼灯さん家のアネキ 2014年/日本/カラー/118分
出演:谷桃子 前野朋哉 佐藤かよ 川村ゆきえ 古崎瞳 岡山天音 葉山レイコ 水澤紳吾/モト冬樹
原作:五十嵐藍(株式会社KADOKAWA 角川書店刊) 監督・編集:今泉力哉 脚本:片岡翔 今泉力哉
音楽:曽我淳一(トルネード竜巻) 主題歌:浜崎貴司「家族」(スピードスターレコーズ)
製作プロダクション:角川大映スタジオ 制作プロダクション:ダブ 製作:KADOKAWA ポニーキャニオン
©2014『鬼灯さん家のアネキ』製作委員会
公式サイト

2014年9月6日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

2014/09/04/19:01 | BBS | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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