風邪がどーにも治りまへん。
だもんで本音は映画どころではなく、ましてや二時間超の作品なんて、今回は(も)勘弁してもらえねえかなと思いつつ、
①つまんなかったら熱が出る、②面白かったら快方に向かう、に違いないと賭けに出た結果は、「現状維持」でございました。
つまり、そーゆー作品。
本作の問題点と見どころは既に4名の識者が筆を尽しているので、これ以上付け加えることはございません。
もうもう感想と言えば、「これって、劇画じゃーん」のみ。であるからして、幼少期には人並み(以上)にアニメを見て育った身ではあるものの、
現在はその分野に特段の思い入れも偏愛も持ち合わせてないため、あえて実写化した意味と意義がサッパリわからず。
だって。劇画だったらもっと素直に愉しめたはずだから。
えー。先入観なく作品を愉しみたいわたくしは(本音は億劫なだけだが)、たいてい事前情報を仕入れずに見るもんで、
てっきりニュータイプの戦争映画だと思ったんですよん。
第二次大戦末期に日本を救う潜水艦の物語であれば、それはもう、「男がいる、あああ男がいる~♪」といった、
ストイックであるがゆえに独特の色気に満ち満ちた漢同士の友情テイストの軍隊モノに違いない、と密かに喜んでいたのに、
出されたものが実写版ヤマト(ガンダムでもいいけど)じゃ、ビックリするなってほうが無理ざんしょ。
だもんで、ありえない展開の数々に、「くぉらあ~、貴様等、帝国軍人のくせにくだらん私語をするなあ~!」「上官に口答えするとは、貴様、
営倉入りだあ~!!」「泣いてる暇があったら砲撃せんかあ~!!!」と、心中怒鳴りっぱなしだったわたくし。
だいたい、下っ端が上官に逆らうなんざ軍では、まして戦場ではずえったいありえまへん。上位の者への絶対服従。良い悪いではなく、
この命令系統を徹底させないと、その小隊、下手すると連隊そのものが全滅しかねないからざんす。
個の意見なんて開陳する場じゃねえんだよここはよって、何度、妻夫木聡と佐藤隆太の襟首掴んでシバキ倒したくなったことか。まあ、
大人気ない。ヤマトならこれもアリってことはわかってても、ついね。
というわけで、およそ「帝国軍人」らしからぬ軍人さんたちのセンチメンタルなドラマにすっかり脱力してしまった以上、
一部のマニアを除くと非難囂々だった萌えキャラ・パウラちゃんの存在も、今さら何を驚くことがあろう、ヤマトなら標準装備だもんな、
にしか響かず。も、どーでもいいです。
もちろん、アニメファンのみならず、このツクリと感性がピッタリ嵌る(おそらくはかなり若い)人々も少なからずいると思うです。
既存の本には見向きもしなかった若者が「Deep Love」や「電車男」、「セカチュー」を大歓迎したように。
既存の戦争映画には興味を示さない新たな客層を開拓した功績だけでも、多分、たいしたもの。
でも、「大脱走」や「コンバット」、「兵隊やくざシリーズ」にウットリだった筆者には、この「臍が茶を沸かす」甘さと現代性が、
どーにも学芸会にしか見えなくて醒めっぱなしだったのよ。すまんね。
さて、さんざ文句言い垂れたものの付記するならば、浅倉大佐役の堤真一だけは外連味とストイックないやらしさの按配が絶妙で、
ちょっとエエもん見せてもらいました。ハンサム過ぎない方が、軍服も似合うよなあ。
「ニュータイプ」の戦争映画、ホントは凄く期待したいのだけど。…そもそも、軍人顔が今の役者にいるかという根本的な問題が。
やっぱ無理かしらん。
(2005.3.8)
主なキャスト / スタッフ
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