インタビュー
満島真之介/『STAR SAND -星砂物語-』

満島 真之介 (俳優)
映画『STAR SAND -星砂物語-』について【1/4】

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2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブ
8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティにて公開ほか順次

ベトナム戦争に反撥して祖国アメリカを離れ、降り立った日本で美しい文学や風土の虜になって、日本文化を探求しながら半世紀近くにわたり日本を見つめてきた才人、ロジャー・パルバース氏が、初めての映画監督作品として『STAR SAND -星砂物語-』を撮り上げた。太平洋戦争末期の1945年、沖縄の小さな島で、「戦わない」ことを選択して軍から逃亡した日本とアメリカの若い兵士と、ひとりの少女の交流と運命を描く物語。戦火も勇ましい兵隊も出てこないが、無名の人々の葛藤や衝突が瑞々しく強力に戦争を見せる、今までにないスタイルの戦争映画となっている。日本人脱走兵の隆康役を鮮烈に演じた満島真之介さんに、役との出会いのことや、パルバース監督との作品作りについてうかがった。 (取材:深谷直子 ヘアメイク:松尾由紀子)
満島 真之介 1989年生まれ、沖縄県出身。2010年の舞台『おそるべき親たち』で俳優デビュー。2012年公開の映画『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(監督:若松孝二)では報知映画賞新人賞、高崎映画祭最優秀男優新人賞などに輝く。2016年、最年少で野田秀樹演出のNODA MAP『逆鱗』に出演、演技力が高く評価される。2017年には本作品のほか、映画『無限の住人』(監督:三池崇史)、『忍びの国』(監督:中村義洋)などが公開予定。 公式サイト
STORY 1945 年の沖縄。戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた 16 歳の少女・洋海(ひろみ)は、洞窟で日本軍とアメリカ軍からの脱走兵、隆康とボブに出会う。隆康とボブ、そして彼らの世話を焼く洋海の間には、不思議な関係が築かれてゆく。ある日、戦いで脚を負傷し、除隊を余儀なくされた隆康の兄・一(はじめ)が、養生のために洞窟にやって来るが、それは悲劇の幕開けだった──。2016 年、東京。大学生の志保は、卒業論文のために教授から一冊の日記を手渡される。それは、戦時中に沖縄の小島で暮らしていた少女のものだった。志保は日記を読み、そこに封印されていた過去の出来事にわれ知らず迫ってゆく……。
満島真之介1 『STAR SAND -星砂物語-』
――出演作の公開が相次ぐ満島さんですが、この『STAR SAND -星砂物語-』で演じた隆康は、映画の舞台が満島さんの出身地である沖縄であるということもあって、満島さん本人の個性がとても活かされた役であるように感じました。本作への出演の経緯を教えていただけますか?

満島 ロジャー・パルバース監督が、僕が出演していた野田秀樹さん演出の舞台『逆鱗』(16)を観にいらしたんです。僕はそのときに初めて監督にお会いしたんですけど、そこでまず一枚の島の写真を見せてもらいました。それはこの映画のロケハンに行ったときに監督が撮った島の写真だったんですけど、ほとんどの人にはどこの島かなんてわからないですよね。でも僕にとっては毎年訪れていた島だったので、一目見て「伊江島ですよね」と伝えたら、また何倍もテンションが上がって(笑)。その場で企画書を直接渡され、「君と映画を作りたいんだ」と、熱烈なオファーがありました。

――では監督は最初から沖縄で生まれ育った満島さんをこの役にお考えだったのですね。脚本を読んでどんなことを感じましたか?

満島 まず原作小説を読んだんですが、見ている目線が今まで観てきた戦争映画などとは少し違っているなと思いました。日本人が戦争を描く、または外国人が戦争を描くというとどっちか寄りになってしまいそうなところを、ロジャーは中立の立場で描いていました。それは監督自身が人生の半分を日本で暮らし、もう半分は外国で暮らしてという方なので、そういう人にしか書けない言葉、想いがあるんでしょうね。とても感銘を受けました。

――隆康という人物をどのように捉えましたか?

満島 日本人が描けない日本人像なんじゃないかな。ここまで葛藤して、そして静かに、言葉で語らずとも目とか背中だけで語っていく。多分ロジャー監督が見てきた日本人像というか、昔から日本についていろんな研究をしてきた人にしか見えない日本人の姿を描きたかったんだろうな、ということを感じて、そこにしっかり向き合いたいなと感じました。『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12)で演じた森田とか、(ドラマ版の)「永遠の0」(15)とかでもこういう役は演じていたんですけど、またちょっと違う想いがあった。怒りに何か明確なターゲットがあるわけではなく、自分への葛藤や家族への想い、時代の定め。いろんなものが身体の中に渦巻いている人を演じるというのは新しい挑戦であり、人生と向き合う大きなきっかけをいただきました。またその映画を沖縄で撮るということは僕にとってはとても身が引き締まりました。

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STAR SAND -星砂物語-
(2017年/日本=オーストラリア/日本語・英語/110 分/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch)
監督・脚本: ロジャー・パルバース 原作:『星砂物語』講談社刊 主題曲:坂本龍一 音楽:田中拓人
撮影監督:小川真司 録音:小川武 美術:金勝浩一 助監督:平波亘、滝野弘仁 編集:井手広法
ヘアメイク/特殊メイク:徳田芳昌 衣裳:立花文乃 制作担当:鈴木徳至 スチール:北島元朗
エグゼクティブ・プロデューサー:前田紘孝、大川勝 プロデューサー:小西順子、吉岡裕美
出演:織田梨沙,満島真之介,ブランドン・マクレランド,
三浦貴大,吉岡里帆,寺島しのぶ,渡辺真起子,石橋蓮司,緑魔子,ダンカン・ハミルトン,近谷浩二,沼田康弘
後援:オーストラリア大使館 製作:Hara Office / Soul Age 配給:The STAR SAND Team
© 2017 The STAR SAND Team
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2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブ
8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティ
にて公開ほか順次

星砂物語 単行本 星砂物語 単行本
2017/08/06/15:41 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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