満島 真之介 (俳優)
映画『STAR SAND -星砂物語-』について【4/4】
2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブ
8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティにて公開ほか順次
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(取材:深谷直子 ヘアメイク:松尾由紀子)
満島真之介さん、ロジャー・パルパース監督
――キャラクターについて、原作だとボブと隆康は二人とも温厚な性格で、日本人もアメリカ人もそんなに変わりはないんだ、ということを描いているように感じましたが、映画の隆康には座禅を組むなど自分に厳しい面があり、二人の対比を強調しているように感じました。そこは監督から何か説明されましたか?
満島 監督は小説と脚本との違いを研究し尽していると思います。脚本ではまた新しいものを書こうとしていて、だから原作のことはほとんど言われなかったですね。そして新しく映画を作る上では、僕らから出てきたものを取り入れていった部分が大きいと思います。ブランドン本人の持つ優しさだとか、僕からはその時期の葛藤みたいなものだとか。小説の中では描き切れなかったものが生まれてきた奇跡的な脚本が出来上がっていました。そして撮影中、監督は僕らの芝居を少年のようにカメラの横から見ているわけですよ。あのまなざしに感動しました。70歳を越えた人があんなにもパワフルに、もう何も逃さないぞという顔をして見ている。芝居がよかったときには「うわー、よかったよ!」と誰よりも喜んでくれる。それって日本ではあんまり経験できないことです。日本人の監督とは感情の表現の仕方が違うというのもあるんですけど、ストレートな表現が直に伝わってくる。特にこういう役で、すごく繊細なところで勝負していたので、そこを食い入るように見てくれているというのが嬉しくて、そこから僕もパワーをもらっていた日々でした。あらためて映画を作る喜びを実感させてもらいました。
――お話をうかがって、パルバース監督がパワフルさと柔軟さとを兼ね備えた方だということがよくわかりました。それにしっかりついていく満島さんも素晴らしいと思います。若松孝二監督の現場を最初に経験したのが満島さんの強みになっていると思うのですが、今回も大きな経験となりましたね。
満島 全然違う時代を生きてきた世代の方々と出会える機会というのがなかなかない中で、僕は本当に恵まれていると思います。若松孝二監督、蜷川幸雄さんに愛のある喝をいただき、今度はロジャー監督に出会えて、そのあとには大林宣彦監督ともご一緒したので、そう考えると本当に不思議です。それぞれに共通しているのはとてつもなく愛情深い。そして映画や作品を作ることに対しての意志が固いし、それをやり遂げるためのパワーに溢れている。僕は、受け継いでいく使命があると思ってます。
――この映画をどのようにお客さんに観ていただきたいですか?
満島 この映画はいろいろな感想が返ってくる気がします。時代を超えた個人の葛藤や国の葛藤を描いていて、現代で起きていることとつながる。これからオリンピックもありますし、外国の方々と触れ合う機会はひと世代前よりも何十倍と増えてくる中で、この映画がこれから先の未来に向かってのメッセージとしていろんな世代の人たちに受け止めてもらえたらいいなと思います。言葉や人種が違っても、実は見つめ合うだけで深く伝わり合うんです。時間をかけて、浸透していくことを願ってます。
( 2017年4月10日 有楽町・日本外国特派員協会で
取材:深谷直子 ヘアメイク:松尾由紀子 )
(2017年/日本=オーストラリア/日本語・英語/110 分/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch)
監督・脚本: ロジャー・パルバース 原作:『星砂物語』講談社刊 主題曲:坂本龍一 音楽:田中拓人
撮影監督:小川真司 録音:小川武 美術:金勝浩一 助監督:平波亘、滝野弘仁 編集:井手広法
ヘアメイク/特殊メイク:徳田芳昌 衣裳:立花文乃 制作担当:鈴木徳至 スチール:北島元朗
エグゼクティブ・プロデューサー:前田紘孝、大川勝 プロデューサー:小西順子、吉岡裕美
出演:織田梨沙,満島真之介,ブランドン・マクレランド,
三浦貴大,吉岡里帆,寺島しのぶ,渡辺真起子,石橋蓮司,緑魔子,ダンカン・ハミルトン,近谷浩二,沼田康弘
後援:オーストラリア大使館 製作:Hara Office / Soul Age 配給:The STAR SAND Team
© 2017 The STAR SAND Team
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2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブ
8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティ
にて公開ほか順次
- 映画原作
- (著):ロジャー・パルバース
- 発売日:2015/3/13
- おすすめ度:
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