満島 真之介 (俳優)
映画『STAR SAND -星砂物語-』について【3/4】
2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブ
8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティにて公開ほか順次
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(取材:深谷直子 ヘアメイク:松尾由紀子)
――そういう作業はボブ役のブランドン・マクレランドさんともご一緒にされたんですか?
満島 はい、ブランドンともいろんな話をしたし、彼との共演はすごく刺激的で、その中でのやり取りもすごく映画にリンクするものでした。僕と同じぐらいの歳でオーストラリアでがんばっている役者さんで、世界のトップの女優さんともブロードウェイで共演している(2016年、ケイト・ブランシェット主演の舞台『The Present』に出演)。違う環境で生きてきた二人が映画を通して出会えた喜びは、この役の二人と近いところがありました。お互いのことを知っているわけではないけれど、人生の流れの中で奇跡的に出会う。すごく嬉しい出会いでした。撮影中は、沖縄の湿度とか潮風にやられて日に日に疲れていっていましたが、そういうこともすべて映画にリンクしていたんです。撮影していないときの関わり合いの中から生まれたシーンというのもたくさんありました。お互いに知らないことを伝え合う僕らの姿を監督が見ていて「それを映画でやろう」と。隆康がボブにお箸の使い方を教えるシーンはまさにそうです。実際に僕が「ブランドン、もうちょっとこうやったら」ってお箸の使い方を教えていたら、監督が「それやりたいですねぇ」と。シェービンクのシーンも、監督が僕たち二人に「自由にやってくれ」と託してくれた。伊江島という場所が二人の距離を縮めてくれたし、人種も国籍も超えた深い愛情に包まれた時間でした。
――監督と俳優さんとで現場で一緒に過ごす中でお芝居を作り上げていったと。
満島 撮影に入る前に東京でも何日かリハーサルをしました。それも具体的な演技というよりは、役を探っていくような作業でした。出会いのシーンから最終シーンまでいろいろ語りながら。正解も不正解も恐らくなくて、どういう表現ができるのだろうとみんなで探って探っていく。リハーサルを通して徹底的に考えていくのはすごく刺激的であったし、とても大切な時間でした。そしてその気持ちを持って伊江島に行く。あとは力を合わせて映画を作る。それだけでした。
――洋海役の織田梨沙さんとの共演はいかがでしたか?
満島 織田梨沙ちゃん自身には、まだ大人になり切っていない初々しさと、日々どんどん大人の女性になっていくはざまにいるときの状態だと思いました。少女なのか大人の女性なのか、すべてを知っているのか何も知らないのか、ミステリアスな魅力がある。今しかないというタイミングだったはずです。僕が言うのも何ですけど、監督は素敵な役者たちを選んできてくれたなと。織田さんとの時間もすごくかけがえのないものでした。今の僕はもうあのときとは違うし、梨沙ちゃんも違う。この1年で急激に大人になっているわけですよ。とてつもないスピードで一気に何かが変わっていく。その直前だったので、今考えるととても貴重な時間だったなと思います。
――本当にそうですね。純真な少女だと思っていると、洋海の取る行動にはどんどん驚かされていくんですけど、織田さん自身がこういう微妙な年齢だったからリアルにはまっていたんですね。そして織田さんだけではなく、この俳優さん3人ともが同じような体験をしているという実感が持てたと。
満島 それは本当に思いますね。
(2017年/日本=オーストラリア/日本語・英語/110 分/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch)
監督・脚本: ロジャー・パルバース 原作:『星砂物語』講談社刊 主題曲:坂本龍一 音楽:田中拓人
撮影監督:小川真司 録音:小川武 美術:金勝浩一 助監督:平波亘、滝野弘仁 編集:井手広法
ヘアメイク/特殊メイク:徳田芳昌 衣裳:立花文乃 制作担当:鈴木徳至 スチール:北島元朗
エグゼクティブ・プロデューサー:前田紘孝、大川勝 プロデューサー:小西順子、吉岡裕美
出演:織田梨沙,満島真之介,ブランドン・マクレランド,
三浦貴大,吉岡里帆,寺島しのぶ,渡辺真起子,石橋蓮司,緑魔子,ダンカン・ハミルトン,近谷浩二,沼田康弘
後援:オーストラリア大使館 製作:Hara Office / Soul Age 配給:The STAR SAND Team
© 2017 The STAR SAND Team
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2017年8月4日(金)より東京・ユーロライブ
8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティ
にて公開ほか順次
- 映画原作
- (著):ロジャー・パルバース
- 発売日:2015/3/13
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