ランボー 最後の戦場
2008年5月24日
日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
1982年、アメリカ――――自らの尊厳のため
1985年、ベトナム――――幾多の戦友のため
1988年、アフガニスタン――――唯一の理解者のため
2008年、ミャンマー――――すべてに決着をつけるため
最後の戦場は、男に何を与え、何を奪うのか?
アクション映画の歴史を変えた大ヒットシリーズ、遂に衝撃の決着へ!
1982年、一人の男が、ヒーローの歴史を変えた。
それまでの完全無欠なスーパーヒーローではなく、深い悲しみを胸に抱くベトナム帰還兵が、全世界を熱狂させたのだ。
男の名は、ジョン・ランボー。彼が人としての尊厳を守るために、たった一人で戦い抜く姿を描いた『ランボー』は、アクション映画の新境地を切り開いた。その後、鳴り止まない喝采に応えて、“ランボー”はシリーズ化された。
ベトナム戦争終結後も現地に捕らわれたままの兵士たちを奪還する『ランボー 怒りの脱出』(85)、アフガニスタンでソ連軍の捕虜になった、ランボーの唯一の理解者である元上官を救出する『ランボー3 怒りのアフガン』(88)を加えた3作で、全世界興行収入6億ドルを超えるスーパーヒットを記録した。エンターテインメントとしての破格の面白さはもちろん、観客は鍛え抜かれた強靭な肉体の奥に秘められた、不器用なまでに傷つきやすいランボーの自由を求める純粋な魂を愛したのだ。
あれから、20年。世界は情報化され劇的な進歩を遂げたが、各国でテロや内戦が激化、我々は混迷の21世紀を生きている。かつて世界中あちこちの映画館で、過酷な戦いに挑むランボーを目撃した者たちは、思わず問いかけずにはいられない。
「こんな時、ランボーならどうする?」そう、時代は待ち望んでいる。今こそ、あの男が必要なのだ――。
そして2008年、遂にランボーが帰ってくる。しかし、これは過去の栄光を再現する「復活」では断じてない。時代の求めに応じて再び戦場に現れたランボーが、己の怒りと戦いの歴史にカタをつける「決着」なのだ!その先にあるのは生か死か?知られざる軍事政権の〈闇〉が暴かれたとき、最後の戦いが始まる。
ジョン・ランボーは、タイ北部のジャングルに囲まれた村で、日々を淡々と生きていた。
タイとミャンマーの国境近辺では、ミャンマーの軍事政権によるカレン族への迫害が激化していたが、ランボーはもう何年も戦いから遠ざかっていた。
しかし、カレン族を支援するアメリカのキリスト教団体が現れた時、ランボーの長い休息は終わった。サラと名乗る女性の、弱者を助けたいというまっすぐな情熱にうたれたランボーは、ミャンマーまでボートで案内してほしいという彼らの頼みを引き受ける。しかし数日後、彼らがミャンマー軍に拉致されたとの報せが届く。ランボーの心に、長らく忘れていた何かが再び灯ろうとしていた…。
救出のために雇われた精鋭5人の傭兵部隊に、手製のナイフと弓矢を手にした一人の戦士が加わった。戦場への帰還を決意したランボーだ。何の罪もない自国の人々にためらいなく銃を向ける残忍なミャンマー軍に、ついに怒りが甦った。そして今、ランボーの最後の戦いが始まろうとしている…。
果たしてランボーは、最後の戦場で何を見つけ、何を失うのか?
その先にあるのは、生か死か?
遂にランボーは、帰る場所を見つけることができるのか――?
ランボーを生きた男
シルベスター・スタローン、シリーズ初監督!
自らの手で、ランボー・シリーズに幕を下ろすことを決意したシルベスター・スタローンは、本作では主演・脚本はもちろん、シリーズ初の監督も務めた。
タイムリーな世界情勢を果敢に盛り込むことも、シリーズの見どころの一つだが、スタローンは今回、綿密なリサーチの結果、世界で最も長きにわたる内戦が今も続くミャンマーを舞台に選んだ。
2007年には、反政府デモを行った仏教僧への政府の武力弾圧が大きなニュースとなり、まさに現在、世界中から注視されている国である。刻一刻と変化する社会情勢を扱うことには常にリスクを伴うが、それを恐れていては問題提起などできないというスタローンの姿勢に共感した実際の反政府グループのリーダーが、本作に敵軍の役で参加していることも大きな話題だ。
もう一つの見どころは、ランボーと共に戦う5人の傭兵部隊の活躍だ。かつて理想と祖国への情熱だけで戦ってきた“世界最強の一人軍隊”と、金のために戦う様々な国のプロの傭兵たち。同じ世界に住みながら、歩んできた人生も考え方も全く違う男たちが、争いや反発の果てに、固い絆で結ばれていく過程も見所だ。
スタッフには、シリーズの最終章を飾るにふさわしい顔ぶれが集結。音楽は『コンスタンティン』(05)のブライアン・タイラー、衣装は『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(03)のリズ・ウルフ、美術は『ロッキー・ザ・ファイナル』(07)のフランコ=ジャコモ・カルボーネ、編集は『ロッキー・ザ・ファイナル』のショーン・アルバートソンが手がけている。2008年5月、伝説の男の〈最後〉を見届けろ!
その男の眼は、死んでいた。その男の心も死んでいた――。
男の名は、ジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)。 元グリーンベレーでベトナム戦争の英雄だが、帰還兵に冷酷な故郷アメリカを遠く離れ、今ではタイ北部のジャングルに覆われた山地で、捕まえた毒ヘビを売り、サルウィン川に浮かべたボートで人や荷物を運搬して生計を立てていた。かつて所属した特殊部隊の元上官の要請で、戦争終結後のベトナムやアフガニスタンで過酷な戦いを繰り広げたこともあったが、それももう20年以上昔のことだ。
タイとミャンマーの国境近くでは、世界で最も長期にわたる内戦が続いていた。ミャンマーの軍事政権が、キリスト教徒の多いカレン族を迫害、彼らから土地や天然資源を奪うだけでは飽き足らず、女子供に至るまで容赦ない虐殺を繰り返していた。反政府軍が立ち上がり、激化する紛争も、戦うことに意味を見出せなくなったランボーの闘争心を甦らせることはなかった。
そんなランボーの前に、一人の女性が現れる。彼女の名は、サラ・ミラー(ジュリー・ベンツ)。コロラド州のキリスト教支援団の一員で、婚約者の医師マイケル・バーネット(ポール・シュルツ)や仲間と共に、カレン族に医療品を届けようとしていた。タイからミャンマーへの陸路には、地雷が埋まっていて危険だという情報を得た彼らは、ランボーにボートでの道案内を依頼する。一度は断ったランボーだが、サラの輝く瞳に宿る一点の曇りもない希望に心を動かされ、支援団を目的地に送り届けることに成功する
しかしその数日後、支援団がミャンマー軍に拉致されたらしいとの報せが届く。ランボーは、救出のために雇われた5人の傭兵を同じ場所に送り届けるよう依頼される。出発前夜、ランボーはある決意を秘めて、鉄片に火を入れ、黙々とナイフをつくりあげるのだった。
ミャンマーに着いたとき、引き続き同行しようとするランボーを傭兵の一人が制止する。ランボーは眉一つ動かさず、彼らを離れ別の道を行くのだった。反政府軍の青年の案内で、村に到着した傭兵たちは、我が目を疑う。そこには悲惨な戦場など見飽きたはずの彼らでさえ、目を覆うような虐殺の跡が残されていた。折りしもそこへミャンマー軍が村人を連れて戻ってくる。身を潜める5人の前で、さらに無残な光景が展開される。敵が10数キロ離れた村に100人以上いると聞いた傭兵たちの頭には、目の前の殺戮ゲームをやり過ごし、撤退することしか頭になかった。
その時、どこからか飛んできた矢が、ミャンマー軍の兵士の頭を貫く。と、次々と射抜かれる兵士たち。たった一人で彼らを片付けたのは他でもない、20年ぶりに怒りを取り戻した“案内”係のランボーだった。ものの数秒で圧倒的戦闘力を見せつけたランボーに驚愕する傭兵たち。そして、彼は撤退を主張する傭兵――以前ランボーの同行を制止した男に矢を向けて言い放つ。「ムダに生きるか、何かのために死ぬか、お前が決めろ!」それはランボーの、昨日までの自分自身に向けた叱責でもあった。
行く手に待つのは、“世界で最も残忍”と恐れられる、ミャンマーのエリート殺戮軍。 果たして彼らは支援者を、そして虐殺に苦しむカレン族を救うことができるのか?5人の男たちを従えて、今、ランボーの最後の戦いが始まる――!
ジョン・ランボー――
映画史を超えた永遠不滅のキャラクター
1982年、ジョン・ランボーは映画『ランボー』のキャラクターとしてデビューした。それから26年が経った今、“ランボー”は抑圧と戦う英雄的戦士を一言で言い表す世界共通語となった。映画のキャラクターが、世界的な象徴へと上りつめたのは、肉体的には猛々しく、感情的には傷つきやすい戦士という設定が、国境や年代を超えたあらゆる人々の心の琴線に触れたからだろう。
「“ランボー”は、世界中の用語集や辞書に載っている」と、製作のケビン・キングは語る。「辞書で“ランボー”と引くと、“軍事力による侵略と抗戦”と出てくる。簡単に言えば、善対悪。抑圧する者対抑圧される者。落伍者対社会。すべての人がそのイメージを理解できる」
イラクで捕虜となった陸軍の女性兵士ジェシカ・リンチの救出劇が、“やらせ”ではないかと非難された事件では、連邦会議においてこの経緯が“少女ランボー”的シナリオと表現された。また、国防総省の2007年度の報告書では、軍の精神衛生問題のことを通称”ランボー的問題”と表している。
『ランボー 最後の戦場』に出演するタイとミャンマーの俳優、数百名のエキストラを手配していた映画スタッフたちは、この地の難民や山岳民族の人々でさえ、“ランボー”を知っていることに驚いた。タイのキャスティング・ディレクター、パシリ・ノイ・パナは語る。「ミャンマー人に聞いたら、村の中や家で彼を見たと言っていた。彼らは隠れて『ランボー』の映画を観ていたのよ」
極東地域では、ランボーが泥除けやショッピング・バッグになっていたり、アフリカではランボーTシャツ、中央アメリカでは様々なランボー商品が売られている。「誰にもランボーにまつわる物語がある」と、傭兵リースを演じたジェイク・ラ・ボッツが語る。「80年代初頭、僕はメキシコにいた。そこでは、ランボーはチェ・ゲバラのような偶像的存在だった。彼は、自由と抵抗のシンボルなんだ」
シルベスター・スタローンは、ランボーをシンプルなキャラクターだと言う。「ランボーというキャラクターは、実際に彼が望んだ仕事ではないが、生来の才能を持つ仕事に選ばれてしまった神話の中の男を思い起こさせる」と彼は語る。「ランボーは正義感に訴える。それは複雑ではなく、非常にわかりやすい。正しいことは正しく、悪いことは悪い。そして邪悪な者は罰せられるべきで、弱き者は守られるべきなのだ」
最後の舞台はミャンマー──世界情勢と共に歩むランボー
『ロッキー・ザ・ファイナル』(07)の成功を受けて、スタローンは“ジョン・ランボー”にも幕を下ろす決意をする。「最後の『ランボー』を作るのなら、やる意味のあるものにしたいと思った。犯罪も麻薬も宝石強盗も扱いたくなかった。人間を描くものにしたかったんだ」とスタローンは語る。
様々なリサーチの結果、スタローンは4作目の『ランボー』の舞台に、ミャンマーを選んだ。第2次世界大戦が終結し、何十年もミャンマーを植民地にしていた大英帝国は軍を撤退、新しいミャンマー国家主義が出現した。ミャンマーの少数民族であるカレン族は、他の民族と同じように、新政権に自治州の設立を求めたが交渉は決裂、独立を勝ち取るためにカレン民族同盟(KNU)を組織、以来彼らはずっと戦い続けている。60年余を経た今でも、カレン族はミャンマー政府の手による残虐で組織的な抑圧に苦しんでいる。
スタローンは語る。「ミャンマーの内戦に対する世界の認識を高め、観客には素晴らしい冒険物語を提供する。この2つを融合することができれば、映画として完璧だと考えた」製作のケビン・キングが補足する。「この物語はリサーチに基づいた事実だ。暴力のための暴力ではなく、事実に基づいた映像なんだ」
ミャンマー軍はカレン族を抹殺し、原油、ルビー、エメラルド、ヒスイを産出する彼らの土地を手に入れてきたが、その事実は国際的には上手く隠されてきた。「ミャンマーの現実は控えめに報道されてきた。それは、ミャンマーを支援する非常にパワフルな人間や国々がいたためなんだ」とスタローンは語る。「この映画では、現実の枠組みの中に架空の物語を設定している。従って、カレン族の真実を語る非常に大きな責任があるが、同時に我々の架空の物語と歩調を合わせたドラマ性も盛り込まなくてはならないんだ」
「ミャンマーの現状について、何の知識もなかった」と傭兵ルイス役のグレアム・マクタビッシュは認める。「このスケールの映画なら、人道主義グループによる記者会見よりも、この戦争にもっと注目させることができるだろう。悲しいけど、これが真実なんだ」
本作で仕事をしたタイとミャンマーの俳優やクルー、エキストラたちの多くは、実際に戦争の参加者や犠牲者で、この映画に関わったことで起こり得る報復行為を覚悟している。ミャンマー軍少佐ティンを演じる、元カレン民族同盟解放軍のリーダーであり俳優のムアン・ムアン・キンは、そのリスクを喜んで引き受けると語る。「ミャンマー軍がどんなふうに無差別に人々を殺しているか、世界に知ってもらいたい。この映画が公開されたら、私は目立たないようにしないとね。そこら中に、タイの中にさえ、ミャンマー軍諜報部がいるんだ」
「ランボー・シリーズは、常に現実的な世界情勢が舞台となっている」と製作のジョン・トンプソンは語る。「自由を剥奪されたベトナム帰還兵。行方不明兵と戦争捕虜。アフガニスタンの終りなき戦争と闘争。そして今回は、まさに今日、カレン族に対して行われている大虐殺の物語だ」製作のケビン・キングが付け加える。「確かに映画は究極のエンターテインメントだが、同様に現実に対して誠実でなくてはならない」
時を経たからこそ誕生した
シリーズ史上最もハードなアクションシーン
スタローンは、本作を前作『ランボー3 怒りのアフガン』(88)と比較して語っている。「前作はアクション満載だったが、リアルさでは物足りなかったと思っている。大勢が死んでいくことには変わりはないが、彼ら一人ひとりのことは誰も気にしないんだ。今回はもっと個人的な戦いで、暴力や痛みが一人ひとりについて描かれるべきだと考えた。それに、これは現実のミャンマーについての映画だから、何が現実かを見せるべきだと思った」 4作目の『ランボー』のために、多くのアイデアと脚本が何年間も検討された。
中南米や中東といった舞台がアイデアとして挙がる中、スタローンは、世界的にはあまり有名ではないが、現在も進行中の紛争を舞台にしたいと思っていた。スタローンは説明する。「リサーチを重ね、軍事雑誌『Soldier of Fortune』や国連にも電話した。彼らに“地球上で最も報道されていなくて、最も生々しく破壊的な人権侵害が行われているのはどこか”と尋ねた。彼らは“ミャンマーだ”と答えた。この物語は実際に60年間も続いている戦争に基づいている。この映画で描かれる残虐行為も事実に基づいているが、ほとんどはあまりに凄まじくて、映画で見せることはできないほどだ」
その結果、シリーズ史上最もリアルな戦闘シーンが生まれた。ここには上半身裸で銃弾の嵐を軽々とくぐり抜ける絵空事のヒーローはいない。ランボーの手製のナイフと弓矢、5人の傭兵の最新武器、ミャンマー軍の恐るべき破壊力を持つ武器──それらが人々に与える痛みが、観る者に迫真の映像で突きつけられるのだ。「これが、戦争の真の恐ろしさなんだ」とスタローンは語る。「近年、映画は機械化され、コンピューター化されてきた。これはまさに昔ながらの方法で撮影された最後の映画だ。こんなことはもう2度とできないだろう」
「私は“ジョン・ランボー”というキャラクターが彼の起源、つまり、あらゆる面で革命的であった彼の原点に立ち返ることを強く望んでいるんだ」とスタローンは続ける。「私はランボーの第一作目『ランボー』を心より愛しているからね」
20年の時を超えて、遂に帰結するランボーの心の旅路
スタローンは、「初めは脚本も監督も担当するつもりはなかった」と言う。しかし彼は、これが最終章になるのなら、製作のすべての面に関わりたいと思い直す。「もし誰か他の人間がやったら、後悔が残るだろう」とスタローンは語る。「ランボーが監督するランボーも面白いじゃないかと考えた。それに、“ベストを尽くした。だから誰のせいでもない、私の責任だ”と言えるからね」
スタローンは、1作目の『ランボー』(82)の精神を取り戻したかった。その目で見てきた暴力のために崩壊寸前の精神状態で、心にも体にも傷を抱えているのに、ひたむきな男だ。それ以上に彼は、ランボーの物語に相応しい“終わり”を創り出したかった。
「一言で言えば、この映画はランボーが自分自身を見つける物語だ」と、傭兵ディアス役のレイ・ガイエゴスは語る。「1作目のランボーは戦争から戻り、故郷への帰り道を探す若者だ。それが、今でも彼がやろうとしていることなんだ。支援団やカレン族の人々、そして傭兵たちを見つめることによって、彼は本来の自分を取り戻す。彼は再び故郷への道を見出していくんだ」
スタローンは、採算を計算し、自分の栄誉にあぐらをかき、エアコンの効いたサウンド・ステージのグリーン・スクリーンの前で、アクション映画を作ってもよかったはずだ。だが彼は、真の叙事詩となる“別れ”を創り出したかった。世界中で愛されている“ジョン・ランボー”のために。
「彼は自分自身に、20歳の頃の肉体はなくても、もっと経験豊かになり、もっと知識を持ち、今まで以上のものができると証明したかった。それが彼を突き動かしたんだ」と、製作のケビン・キングは語る。
ランボーの心の帰郷は、キリスト教支援団という意外な形で訪れる。ランボーは、自分が経験してきた恐怖のために信仰を失った男であり、何ものもカレン族の人々を助けることはできないと信じている。しかし、アメリカ郊外の快適な生活を捨て、ランボーさえ入ることを躊躇する戦闘地帯へ行こうとするサラとその仲間に、何かを感じる。「それが、ランボーの中に生来備わっている善悪の感覚を突き動かすのだと思う」とスタローンは語る。「ランボーは、彼らの誠実さを見る。彼らがどれほど自分たちを危険にさらして、地球の反対側に住む、知りもしない人たちを助けようとしているのかを見る。それが彼の中の何かを呼び覚ますんだ」
ミャンマーにおけるランボーの、身震いするほど恐ろしい最後の抵抗は、彼の人生のターニングポイントとなる。ランボーは、前に進む必要があることを悟る。人間に対する人間の残虐性という地獄をまたしてもかろうじて生き延びたランボーが、人生における一つの章を閉じたいと望むのだ。人は“ムダに生きるか、大切なもののために死ぬ”ことができるという彼の叫びには、孤独が漂う。しかしそれは意図せずして、ランボーその人を指しているのだ。
戦場の許されざる者たち
―ランボーと同じ世界に住む5人の傭兵たち―
「こんなところにいたいと思う奴はいない。だが、これが俺たちだ。そしてこれが俺たちの仕事だ」 劇中、ランボーは、5人の傭兵に向けて言い放つ。それは、相手を殺す事で戦場を生き抜いてきた、自らを含む「戦場の許されざる者」たちへの決意の言葉である。
ランボーシリーズはこれまで、ランボーが単身で敵に戦いを挑む事が一つの特徴となっていた。しかし、本作では、ランボーの中に長らく眠っていた感情を呼び起こすために、その定型を変えてまで5人の傭兵たちがランボーと共闘を繰り広げる。
傭兵たちをリサーチしていく中で、スタローンは平均的な“傭兵”は大学生くらいから中年までの年齢層で、大抵が普通の社会生活ができないランボーのような元兵士だということに気づいた。多くは宗教心があり、自分の信仰に熱心だった。結婚し、“故郷”には守るべき家族がいる者もいた。その他は血の気の多い、任務第一の冒険好きなタイプである。スタローンはリサーチで彼が知り得た男たちを、多様な国籍を持つルイス、ディアス、リース、エン・ジョー、そしてスクールボーイのキャラクターに投入しながら書いていった。
そして、ランボーの分身ともいえる5人の傭兵たちが誕生したのだ。
ディアス Diaz 湾岸戦争に裏切られたかつての理想主義者
かつて、国に尽くし、国を守るという理想から軍人になり、今は妻と子供との生活を守るために 唯一の特技である戦闘を続けるプロの傭兵。
エン・ジョー En-Joo いかなるときも冷静沈着な元韓国軍兵士
チームの中で最も平静を保つ男。 いかなる状況でも冷静に見極め、与えられたミッションを完璧に、そして冷静にこなす。
スクールボーイ SchoolBoy 長年の戦いを経ても純粋さを失わない狙撃の名手 利己的な傭兵チームの中で、唯一自分の仕事に理想を抱き、突然現れたランボーに直感的に親近感を感じている。 歴戦を経てなお“スクールボーイ”と呼ばれるが、射撃に関しては恐ろしいまでの完璧主義者の一面を見せる。
リース Reese 恐怖さえ麻痺した戦争屋
“戦争の恐怖”を経験し、その中でもくつろいでいられるようになった典型的な兵士。戦争の味を覚え、現代社会に帰ることもできない戦争屋。
ルイス Lewis SAS(イギリス陸軍特殊部隊)出身の金だけのために動く非情な戦士
傭兵チームのリーダー的存在だが、 性格は極めて自己中心的で、得体の知れないランボーに何かと因縁をつける。メンバーの中で最も金を重んじる現実主義者。
Cast
シルベスター・スタローン,ジュリー・ベンツ,ポール・シュルツ,マシュー・マースデン,
グレアム・マクタビッシュ,ケン・ハワード,レイ・ガイエゴス ティム・カン,ジェイク・ラ・ボッツ
Staff
配役:シーラ・ジャッフェ(CSA) 音楽:ブライアン・タイラー 衣装:リズ・ウルフ
美術:フランコ=ジャコモ・カルボーネ 編集:ショーン・アルバートソン
撮影:グレン・マクファーソン(CSC, ASC)
ライン・プロデューサー:ラス・マーコヴィッツ/マット・オトゥール
製作総指揮:ランドール・エメット/ジョージ・ファーラ/ダニー・ディムボート
ボアズ・デヴィッドソン/トレヴァー・ショート/アンドレアス・ティースマイヤー
ジョセフ・ローテンシュレイガー/Dr.フローリアン・レッチナー/ヨアヒム・スタームス
製作:アヴィ・ラーナー/ケビン・キング/ジョン・トンプソン
脚本:シルベスター・スタローン 監督:シルベスター・スタローン
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ Powered by ヒューマックスシネマ
原題:RAMBO/2008年/アメリカ映画/90分/
カラー/シネスコ/ドルビーデジタル/
字幕翻訳:林完治/
原作:シルベスター・スタローン著「ランボー 最後の戦場」(ハヤカワ文庫刊)
(c) 2007 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GMBH & CO. KG IV
http://rambo.gyao.jp/
2008年5月24日
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主なキャスト / スタッフ
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