インディペンデント映画とは、独立した、自由な映画である

柴田剛『ギ・あいうえおス』

今泉かおり『聴こえてる、ふりをしただけ』日本の映画状況が大きく変わりつつあります。映画産業の衰退と映像技術の発達という相反する流れの中、ますます多くのインディペンデント映画が作られ、劇場公開される作品も増えています。以前からの構造不況と3.11以降の影響が追い打ちとなって、映画そのものと、取り巻く環境が激変する中、新たな可能性が胎動しています。
インディペンデントでありながら本年のロカルノ国際映画祭メインコンペティションで上映され批評家賞受賞という快挙を成し、注目を集める『サウダーヂ』 は、社会への批判精神によってたち、インディペンデント映画の活発化という潮流から生まれた、まさに現代日本社会を問う作品といえます。『サウダーヂ』 は、これからの映画の在り方を示唆する象徴的な1本となるでしょう。
本特集では、多様化し変容し続けていく映画という表現において、新進気鋭の21人の作家による、問題提起と新たな可能性を提示する27作品をセレクションしました。
『インディペンデント映画』とは、独立した、自由な映画です。この特集を通して、映画の現在と未来を捉える機会を共有することができれば幸いです。

初日トークイベント 9月17日（土）21:00～「独立映画宣言！」
柴田剛（『ギ・あいうえおス』監督）、富田克也（『サウダーヂ』監督）、相澤虎之助（『サウダーヂ』脚本）、他 ※トークのみは入場無料

大江崇允『美しい術』

渡辺裕子『UBIQUITOUS』

■上映作品ピックアップ

• 『歓待』で注目を集めた深田晃司の2作品：
  『東京人間喜劇』『ざくろ屋敷』
• 東京藝大出身の俊英・真利子哲也、渡辺裕子、濱口竜介
  真利子哲也『極東のマンション』『マリコ三十騎』、渡辺裕子『UBIQUITOUS』、濱口竜介『永遠に君を愛す』
• 大阪ＣＯ２関連の注目の作家たち：三宅唱『やくたたず』、今泉かおり『聴こえてる、ふりをしただけ』、リム・カーワイ『それから』『新世界の夜明け』、大江崇允『美しい術』、加治屋彰人『chain』、尾﨑香仁『その子供』『死ぬほど好きだよ、おねえちゃん』、板倉善之『日の底で』
• 同時代のアジアのインディペンデント作家たち：イ・サンウ（韓国）『父、吠える』、イン・リャン（中国）『グッド・キャット』

1. 柴田剛『ギ・あいうえおス』
2. 宮本杜朗『尻舟』
3. 佐々木育野『痴食』『或る山』
4. 真利子哲也『極東のマンション』『マリコ三十騎』
5. 板倉善之『日の底で』
6. 三宅唱『やくたたず』
7. 今泉かおり『聴こえてる、ふりをしただけ』

佐々木育野『痴食』

矢部真弓『月夜のバニー』

佐藤央『MOANIN』
8. リム・カーワイ『それから』『新世界の夜明け』
9. 大江崇允『美しい術』
10. 加治屋彰人『chain』
11. 尾﨑香仁『その子供』『死ぬほど好きだよ、おねえちゃん』
12. 渡辺裕子『UBIQUITOUS』
13. 濱口竜介『永遠に君を愛す』
14. 深田晃司『東京人間喜劇』 ローマ国際映画祭2009正式招待作品／『ざくろ屋敷』
15. 矢部真弓『月夜のバニー』
16. 佐藤央『MOANIN』
17. 村松正浩『兄兄兄妹』『グレイト・グランマ・イズ・スティル・アライブ』
18. 竹馬靖具『今、僕は』
19. イ・サンウ（韓国）『父、吠える』
20. イン・リャン（中国）『グッド・キャット』
21. 富田克也『サウダーヂ』※クロージング上映

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