『アクトレス~女たちの舞台~』オリヴィエ・アサイヤス監督

オリヴィエ・アサイヤス監督 公式インタビュー
映画『アクトレス~女たちの舞台~』について

公式サイト 公式twitter

2015年10月24日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開


『アクトレス~女たちの舞台~』場面2――現場でのジュリエット・ビノシュとクリステン・スチュワートのコミュニケーションはどのような感じでしたか?

アサイヤス監督 ジュリエットとクリステンはそれまで全く会ったこともなかったのですが、撮影の初日と2日目で冒頭の列車のシーンを撮りました。撮影を重ねるにつれて、彼女たちの間に徐々に信頼や友情や敬愛の気持ちが芽生えていったようです。もともとクリステンはジュリエットの生き方や仕事ぶりを見ていてリスペクトしていたそうです。ジュリエットとクリステンの関係がうまくいくことがこの作品にとって重要なポイントでしたから、準備の段階では不安になり、私は危険を冒しているのではないか? という気がしてきました。もしも、ジュリエットとクリステンの気が合わずに二人の間に緊張が漂ったら良い映画にはならなくなると心配しました。ところが実際には全くそんなことはなく、脚本を書いた時と違うものになったのは彼女たち自身の演技と力動性のおかげです。二人はお互いに刺激しあい、いい意味での競争心がありました。私はそんな二人を観察し、二人の関係が進展するのをドキュメンタリーのように撮影しただけです。

――クリステンはセザール賞も受賞し、演技が高く評価されていますが、リハーサルはどれくらい行ったのでしょうか?

アサイヤス監督 私はもともと全くリハーサルを行わないのです。セリフを言うときの自発性がリハーサルによって失われることを恐れています。俳優たちが初めてセリフを言う時には、もう現場のカメラは回っています。もちろん女優たちは、それぞれが自分で稽古をしてくるでしょうが、私は即興での演技を大事にしています。

――監督はご自身の立場はどのようなものと考えていますか?

アサイヤス監督 私は脚本家でもあるので、監督と脚本家を同一のものだと考えています。自分が書いた脚本で、女優の人間性を探求する事ができますので、彼女たちが私の脚本から何を感じて、どう演じるのだろうかと、とても興味深く見ています。私が心掛けているのは映画は集団芸術であるということです。一方的に指揮するのではなく、共同作業であるので、現場にいる者全員が貢献できるような環境をつくること。俳優がしっかりと呼吸できる現場の環境をつくることも監督にとって大事なことだと思います。

オリヴィエ・アサイヤス監督――マリアのように年を重ねて孤独を感じる女性に対してはどう思いますか?

アサイヤス監督 人生には様々なチャプターがあって、まさにマリアは大きな変貌の時にあります。女優として自分にはもう演じられない役があるのだということを受け容れることは苦しいことだと思います。女優という仕事は、実生活では感じなくてよい苦しみに直面しなければいけない辛い仕事であると同時に、実生活ではそれを逃れられもするので、マリアにとってはその点が希望にもなるのではないかと思います。

1 2

アクトレス~女たちの舞台~ 2015年 セザール賞助演女優賞受賞/フランス映画祭2015
監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス
製作:シャルル・ジリベール 撮影:ヨリック・ル・ソー 美術:フランソワ=ルノー・ラヴァルテ
特別協力:シャネル
出演:ジュリエット・ビノシュ,クリステン・スチュワート,クロエ・グレース・モレッツ,
ラース・アイディンガー,ジョニー・フリン,ブラディ・コーベット,ハンス・ジシュラー,アンゲラ・ビンクラー,
ノラ・フォン・バルトシュテッテン
2014年/フランス・スイス・ドイツ・アメリカ・ベルギー/124分/DCP/シネスコ/5.1ch 配給:トランスフォーマー
©2014 CG CINÉMA – PALLAS FILM – CAB PRODUCTIONS – VORTEX SUTRA – ARTE France Cinéma – ZDF/ARTE – ORANGE STUDIO – RTS RADIO TELEVISION SUISSE – SRG SSR
公式サイト 公式twitter

2015年10月24日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、
新宿シネマカリテほか全国順次公開

主なキャスト / スタッフ

キャスト&スタッフで関連がありそうな記事
メルマガ購読・解除
INTRO 試写会プレゼント速報
掲載前の情報を配信。最初の応募者は必ず当選!メルメガをチェックして試写状をGETせよ!
新着記事
アクセスランキング
 
 
 
 
Copyright © 2004-2024 INTRO