インタビュー
三浦誠己/『木屋町DARUMA』

三浦 誠己 (俳優)
映画『木屋町DARUMA』について【1/5】

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2015年10月3日(土)より渋谷シネパレスほか全国順次ロードショー
<関西>大阪:第七藝術劇場 京都:京都みなみ会館 兵庫(神戸):元町映画館

高瀬川が流れる京都の歓楽街・木屋町を舞台に、ある事件で四肢を失ったヤクザが借金の取り立てをして生き抜く姿を描いた映画『木屋町DARUMA』。内容の過激さ故に出版社から刊行を断られ続けた裏社会ライター・丸野裕行の同名小説に、『捨てがたき人々』の榊英雄監督が惚れ込み、遠藤憲一、寺島進、武田梨奈といった豪華キャストを集めて撮ってしまった注目の異色作だ。裏社会での壮絶な人間模様を織りなす彼らの演技はいずれも新鮮で強烈だが、特に様々な映画で確実な存在感を放ってきた三浦誠己が、主人公の世話係の坂本役で見せた熱演は、映画ファン待望のものだろう。撮影中は私生活も捨てて挑んだという関西弁でのナイーヴかつ人間臭い演技に注目してほしい。三浦さんにインタビューを敢行し、俳優人生の分岐点とも言える本作や、演技への深い情熱について語っていただいた。(取材:深谷直子)
三浦 誠己 1975 年生まれ、和歌山県出身。96年『岸和田少年愚連隊』(井筒和幸監督)でスクリーンデビュー。『青い春』(02/豊田利晃監督)で注目を浴び『きょうのできごと a day on the planet』(03/行定勲監督)への出演を機に俳優に転向する。以降、映画、TV ドラマに多く出演。主な映画出演作には、『血と骨』(04/崔洋一監督)、『酒井家のしあわせ』(05/呉美保監督)、『闇の子供たち』(08/阪本順治監督)、『アウトレイジ』(10/北野武監督)、『冷たい熱帯魚』(11/園子温監督)、『さよなら渓谷』(13/大森立嗣監督)、『私の男』(14/熊切和嘉監督)、『海を感じる時』(14/安藤尋監督)、『まほろ駅前狂騒曲』(14/大森立嗣監督)、『赤の女王 牛る馬猪ふ』(14/天願大介監督)、『極道大戦争』(15/三池崇史監督)など。また、WOWOWドラマでも「予告犯 -THE PAIN-」、「しんがり~山一證券最後の聖戦~」と出演作が相次ぐ。公式サイト
STORY かつて京都木屋町を牛耳る組織を束ねていた勝浦茂雄(遠藤憲一)は、5年前のある事件で四肢を失った。今ではハンデのある躰で債務者の家に乗り込み、嫌がらせをして回収する捨て身の取立て稼業で生計を立てる。仲間の古澤(木村祐一)から世話を命ぜられた坂本(三浦誠己)の助けを借り、次々仕事をこなす勝浦。そこに真崎という家族への追い込みの仕事が入る。その家族は、勝浦を裏切り、金と麻薬を持ち逃げした元部下・サトシの知人だった。勝浦は責任を取り、今の躰になったのだが、事件に疑問を感じた坂本が過去を嗅ぎまわりはじめる。人生が毀れゆく債務者を見つめながら薄汚い闇社会でもがく勝浦と坂本は、5年前のある真実を知ってしまう……。
三浦誠己――『木屋町DARUMA』は四肢のないヤクザが主人公という刺激の強い作品で、公開前から物議を醸してもいるようですが、ものすごくエネルギッシュな作品で面白く拝見しました。俳優さんもみなさん挑んでいらっしゃるなと思いましたが、三浦さんは坂本役のお話をもらったときどんなお気持ちでしたか?

三浦 台本をいただいて、この役をやらせていただけることにものすごく喜びを感じました。まず何よりも遠藤憲一さんと一緒に映画を作れること、また榊(英雄)監督とは俳優として同じ作品に出演したり、監督作にも出させていただいたことがあって表現者として信頼していましたし、あと関西弁でできるということも大きかったです。僕は和歌山出身で関西弁に慣れ親しんでいて、演じるときは標準語が8割・9割という中、関西弁で、ヤクザもので、変わった過激な作品ということで、これはクランクアップするまで私生活は一切消して全身全霊で挑もうという覚悟でした。

――これは本当に三浦さんにとって当たり役ですよね。三浦さんは若くして“名バイプレイヤー”と呼ぶことのできる稀有な俳優さんだと思っているのですが、今回は大先輩である遠藤さんが本当に特殊な役で、そこを支えるだけではなくぶつかっていく坂本役は、そうして培ってきたものを全身全霊で注ぎ込んでこそできた役なのかなと感じました。

三浦 ありがとうございます。自分の遠藤さんに対しての想いが、坂本が勝浦に抱いている想いと近かったですし、それは現場に入って芝居をしてみてから感じることもたくさんあるんですけど、榊監督は「俳優・榊英雄」という部分も持っていらっしゃるので、俳優の生理だとか物語に対してどれだけ真摯に向き合っているかということも汲み取って作品に反映させようという考えの方なので、そういう想いをとことん突き詰めることができました。遠藤さんは私生活で関西弁を話される方ではないですから、言葉の縛りと身体の縛りがある中で演じていく。人間って喋るときに手を使うじゃないですか? 足も動くじゃないですか? それを奪われて演技するというのはとんでもない挑戦やと思うんですよね。それに対して本当に真摯に向き合っている遠藤さんの姿が、『木屋町DARUMA』勝浦の生きるエネルギーと重なってシンパシーを感じたし、自分の役にも自分が経験してきたことと近い部分がたくさんあったし。クランクインしてからクランクアップするまで、自分の中でもいろいろ壊したり作ったりという作業を毎日やりながら充実して演技できたんです。そういうことが本当に化学反応してうまくいったのかなと思います。

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木屋町DARUMA (2014年/日本/カラー/HD/5.1ch/1時間56分/R15+)
出演:遠藤憲一,三浦誠己,武田梨奈,尾高杏奈,趙珉和,勝矢,烏丸せつこ,木下ほうか,寺島進,木村祐一
監督:榊英雄 原作・脚本:丸野裕行「木屋町 DARUMA」(オトコノアジト電子書籍出版)
プロデューサー:榊英雄、丸野裕行  音楽:榊いずみ キャスティング:木下鳳華 撮影:今井裕二
美術:井上心平 照明:鹿野克巳 録音:山口満大 編集:清野英樹 助監督:山口雄也
ラインプロデューサー:氏家英樹 主題歌:「空が泣いている」masami
制作プロダクション:ファミリーツリー 配給:ファミリーツリー アークエンタテインメント
製作:「木屋町DARUMA」製作委員会 © 2014「木屋町DARUMA」製作委員会
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2015年10月3日(土)より渋谷シネパレスほか全国順次ロードショー
<関西>大阪:第七藝術劇場 京都:京都みなみ会館 兵庫(神戸):元町映画館

2015/10/04/17:21 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー

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