新作情報

カンヌ国際映画祭 ACID 部門 史上初の日本映画!
『ひかりのおと』『新しき民』山﨑樹一郎監督最新作

やまぶき

『やまぶき』画像 『やまぶき』場面画像1

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2022年11月5日(土)渋谷ユーロスペース、
11月12日(土)大阪シネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、元町映画館
ほか全国順次公開!

INTRODUCTION

陽の当たらない場所に咲く「山吹」から着想
資本主義と家父長制社会に潜む悲劇と、その果てにある希望

かつて韓国の乗馬競技のホープだったチャンスは、父親の会社の倒産で多額の負債を背負った。岡山に流れ着き、今は ヴェトナム人労働者たちとともに採石場で働いている。一方で、刑事の父と二人暮らしの女子高生・山吹は、交差点でひと りサイレントスタンディングを始める。二人とその周囲の人々の運命は、本人たちの知らぬ間に静かに交錯し始める――。
陽の当たりづらい場所にしか咲かぬ野生の花「山吹」をモチーフに、資本主義と家父長制社会の歪みに潜む悲劇と希望を描きだす群像劇だ。政治的な主題を声高ではなく繊細に描く作風が評価され、今年 5 月に行われたカンヌ国際映画祭の ACID 部門に日本映画として初めて選出される快挙を果たしたほか、各国の映画祭でグランプリを含む 4 冠を達成した。

山間で農業と映画製作を続ける山﨑樹一郎監督の長編第三作は
地方に生きる人々の慎ましい抵抗を国際的な視座で描く

本作は、岡山県真庭市の山間で農業に携わりながら、地方に生きる人々に光をあてて映画製作を続ける山﨑樹一郎監督の長編第3作。長編デビュー作『ひかりのおと』(11)では、故郷・岡山に戻り酪農を継ぐ若者の苦悩と葛藤を描き、『新しき民』(15)では江戸時代の農民一揆を題材とし時代劇に挑戦した。『やまぶき』は、再び地元でロケをし初めて 16 ミリフィルムで撮影に挑んだ野心作だ。
チャンス役を演じるのは、イギリスで演劇を学び、今回初めての日本映画出演となる韓国人俳優のカン・ユンス。山吹役は、『サマーフィルムにのって』(21)や「セイコグラム~転生したら戦時中の女学生だった件~」(NHK/22)など話題作への出演が相次ぐ演技派俳優・祷キララ。その傍に、川瀬陽太、和田光沙、三浦誠己、松浦祐也、青木崇高らの実力派俳優たちが集結し、田舎町に暮らす人々のほとばしる生を体現している。
本作は、フランスの Survivance(シュルヴィヴァンス)との国際共同製作によって完成された。『大人のためのグリム童話手をなくした少女』(16)でアヌシー国際アニメーション映画祭で2冠を得たセバスチャン・ローデンバックがアニメーションパートを、オリヴィエ・ドゥパリが音楽を担当。また、フランソワ・トリュフォーやモーリス・ピアラ、フィリップ・ガレルなど巨匠監督の作品を手がけた、フランス映画の伝説的な編集マンであるヤン・ドゥデが編集協力をしている。

『やまぶき』場面画像2 『やまぶき』場面画像3
COMMENTARY
  • 「大きい」ものが、ぼくたちを滅ぼしにやって来る。だから、「やまぶき」は、滅ぼされようとするあらゆる「小さな」もののために、彼女の回りにある「小さな」ものたちのために、「顔」をこちらに向けるのである。そのときには、もうプラカードも不要だ。なぜなら、「顔」は、「汝、人を殺すなかれ」と 書かれたことばだからである。――高橋源一郎(小説家)
  • タイトルを役名とする祷キララの立ち姿、その花のような可憐かつ無骨な存在感がひときわ胸に迫った。どうにも解きほぐせない現実を前にして、できることは極めて少ない。行動や言葉の実効性に は大きな疑問符がつく。その極めてわずかな、現実を変えるには明らかに不足な何かを、人はそれでも尚すべきだろうか。答えはない。が、『やまぶき』は問いそのものを生きる。しんどい映画だ。それを見た者は当然、解決しがたい問いを植え付けられる。でも、その問いだけが安易な答えから人を守るだろう。今だからこそ、この映画が存在することの意義は限りなく大きい。問いを抱え続ける山﨑樹一郎の歩みは力強く、本人にそんな気はなくても同じ時代に生きる者を勇気づけている。
    ――濱口竜介(映画監督)
  • 一人一人の命のカケラたち。
    両手でかき集めても、指の間からこぼれ落ちてしまう。
    決して甘くない人生なのだけど、なんでだろう、彼らの涙は優しくってとても温かい。――美波(女優/アーティスト)
  • 映画後半に至らんとするあるシーン、「変わりたい」「変えたい」というようなやり取りを見ていたら思わず顔がクシャクシャになってしまっていた。その後の展開は、感動とか胸に迫ったとかでは片づけられない。こんな体験は初めてだった。岡山県の真庭から日本へ、世界へ、またも放り投げられた石ツブテ。山﨑樹一郎の映画を見続けて来て本当に良かった。――瀬々敬久(映画監督)
  • 『やまぶき』は人間の尊厳について、声にならない声で抗い、生き続けることについて、教えてくれる。「なんか叫びたいことないの?」という問いは静かに投げられるが、波紋は大きく広がっていく。山﨑樹一郎さんは映画という営みを信じている。闇の中で映画という営みを観る人間を信じている。
    ――小田香(映画作家)
  • どれだけ悲惨でも、奇跡でも、別に劇的じゃない。こんな目に遭ったのに、誰も見ていなくて、惨めさに泣けたり笑えたりする。この映画は、人々に覆いかぶさる理不尽さや矛盾に、地方に見る日本という国を透かしながらも、それさえも素朴なままに描こうとしていると思えるのです。 ――小森はるか(映像作家)
『やまぶき』場面画像4 『やまぶき』場面画像5
CREDIT
監督・脚本:山﨑樹一郎
出演:カン・ユンス,祷キララ,川瀬陽太,和田光沙,三浦誠己,青木崇高
黒住尚生,桜まゆみ,謝村梨帆,西山真来,千田知美,大倉英莉,松浦祐也
グエン・クアン・フイ,柳原良平,齋藤徳一,中島朋人,中垣直久,ほたる,佐野和宏
プロデューサー:小山内照太郎,赤松章子,渡辺厚人,真砂豪,山崎樹一郎 制作プロデューサー:松倉大夏
撮影:俵謙太 照明:福田裕佐 録音:寒川聖美 美術:西村立志 助監督:鹿川裕史 衣装:田口慧
ヘアメイク:菅原美和子 俗音:近藤崇生 音楽:オリヴィエ・ドゥパリ
アニメーション:セバスチャン・ローデンバック 編集協力:ヤン・ドゥデ,秋元みのり
製作:真庭フィルムユニオン,Survivance 配給:boid/VOICE OF GHOST
2022 年|日本・フランス| 16mm→DCP|カラー| 5.1ch| 1:1.5| 97 分
© 2022 FILM UNION MANIWA SURVIVANCE

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2022年11月5日(土)渋谷ユーロスペース、
11月12日(土)大阪シネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、元町映画館、ほか全国順次公開!

2022/11/03/14:22 | トラックバック (0)
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