ピンク映画を一般劇場で公開する新プロジェクト
「OP PICTURES+」始動!
http://www.okura-movie.co.jp/op_pictures_plus/
8月22日(土)~27日(木) 『犯る男』
8月30日(日)~9月4日(金) 『誘惑遊女~ソラとシド~』
テアトル新宿 限定レイトショー!(各初日、舞台挨拶予定)
山内大輔監督作『犯(や)る男』© 2015 OP PICTURES
竹洞哲也監督作『誘惑遊女~ソラとシド~』© 2015 OP PICTURES1962年に制作された日本初のピンク映画『肉体の市場』を配給以降、「OP PICTURES」名義で現在も年間36本のピンク映画をコンスタントに制作し続けているピンク映画の老舗映画会社・大蔵映画が、新たなプロジェクトを起ち上げた。
「OP PICTURES+」と名づけられたこの新プロジェクトは、現在18歳以上のみしか観られないR18+のピンク映画の魅力をより多くの方に知ってもらいたい、という思いから生まれたプロジェクトで、一つの企画を「R18+」と「R15+」の2バージョンで制作し、従来の「R18+」版は成人劇場で上映、濡れ場をコンパクトにしてドラマ部分をより充実させた「R15+」版を、「OP PICTURES+」シリーズとして一般劇場で公開していく。
ピンク映画はどうしてもポルノ色が強いイメージを持たれがちだが、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』(08)の滝田洋二郎監督や、今年のカンヌ映画祭で「ある視点」部門監督賞を受賞した黒沢清監督もピンク映画出身と、世界に通じる日本映画の才能を多く輩出してきた。
今回「OP PICTURES+」第1弾として公開されるのは、現在のピンク映画を語るうえで欠かせない二人の監督、山内大輔(やまのうちだいすけ)監督と竹洞哲也(たけほらてつや)監督の二作品。ピンク映画のアカデミー賞と呼ばれる「ピンク大賞」で、本年度の最優秀作品賞を受賞した山内監督の最新作となる『犯(や)る男』は、退廃的な世界の中に生まれる愛の形を、圧倒的な緊張感と特殊造形と共に描く。対して、本年度のピンク大賞では監督賞を受賞した竹洞監督の『誘惑遊女~ソラとシド~』は、女の子の心の揺れ動きと町の再開発をリンクさせながら、微妙な心情を効果的な風景描写で表現した。両作とも監督の個性が存分に発揮された見応え十分の作品に仕上がっており、ピンク映画を観慣れていない人にも満足できるはず。この機会に、是非ピンク映画の魅力の一端に触れてみて欲しい。
なお、「OP PICTURES+」では、両作以後もピンク映画の持ち味である自由さを武器に、他社では作れない「愛」をテーマにした作品を取り上げていく予定とのことで、こちらも楽しみにして待ちたい。
『犯(や)る男』 公式サイト
出演:朝倉ことみ 涼川絢音 川瀬陽太 朝宮涼子 瀬戸友里亜 和田光沙 野村貴浩
監督・脚本・音楽:山内大輔|撮影監督:田宮健彦|特殊メイク:土肥良成・北落香奈子
Vシネマ・ピンク映画を多数監督し、ファン投票で選ぶピンク映画のアカデミー賞・ピンク大賞で2011年・2013年に作品賞を受賞。他の追随を許さない圧倒的な画面構成力と独特のストーリー展開で熱狂的なファンを持つ若手注目株・山内〈やまのうち〉大輔監督の最新作。
全体を通してこだわった青みがかった色調、そして特殊造形を駆使して作られた異形の生物などのダークな作品世界は観る者の心を掴み引き込みます。また、本作が本格的なスクリーンデビュー作となる大人気セクシー女優・朝倉ことみと凉川絢音も、アイドルのイメージを覆す鬼気迫る演技を見せており、ファンならずとも必見。
STORY 妻殺しの罪で指名手配中の吉井(川瀬陽太)は、電車で痴漢した女の後をつけて押し込み強盗をする生活だったが、ある日夫からのDVを受けていたユリ子(朝倉ことみ)と出会う。過去のトラウマに囚われている吉井と現在に絶望するユリ子は、お互いの足りないものを埋め合うように惹かれあっていく。やがて二人は繋がり安らぎを得るが、ある不幸な事件がきっかけで歯車が狂いだし……。
『誘惑遊女~ソラとシド~』 公式サイト
出演:かすみ果穂 RiKA 倖田李梨 ダーリン石川 津田篤 小林節彦 服部竜三郎
監督:竹洞哲也|脚本:小松公典|撮影:ザオパン・ツェン|音楽:與語一平
ピンク映画を中心に活躍し、若手ながら40本以上の監督作を誇る竹洞哲也監督、初の一般公開作。以前、都内のミニシアターで組まれた自身のピンク映画の特集上映では立ち見が出るほどの盛況を博した監督にこの時つけられたキャッチフレーズは「“当たり前”だけど“愛おしい”」。 この作風は変わることなく、本作でも人間に対するあたたかい語り口を感じることができる。
主演はテレビでも活躍する人気セクシー女優・かすみ果穂。思っても見なかった出来事に揺れ動き、成長していく思春期の女心を優しく爽やかに表現した。そのとびきりの笑顔はファンならずとも虜になるだろう。また、監督がそのフィルム撮影のキャリアで培った実力を十分に活かした映像表現は必見。今作ではロケ地の風景もさることながら、その自然の切り取り方が絶妙で、海と空を印象的に使った美しい構図は作品世界に深みを持たせている。
STORY 昭和の面影を残すちょんの間「どれみ」。そこで働く空と志渡は姉妹のように仲が良く、ケンカしながらも毎日楽しく働いている。しかしある時、街の再開発の話が持ち上がり「どれみ」は立ち退きの危機を迎える。自分の帰る場所を失いかけた時、空は親代わりで店長の要に対する自分の本当の気持ちに気づき戸惑う。一方、志渡は「どれみ」立ち退きの指揮を執るのが自分の意中の男だと知る。人生の岐路に立たされた二人がそれぞれに選んだ結論とは。そして「どれみ」の運命は……。