つかのまの愛人
ひとりの男をめぐる女たちの奇妙な共犯関係。
女の愛と欲望を、美しくも壮絶に描き出すフィリップ・ガレル最新作。
2018年8月18日(土)、シネマヴェーラ渋谷ほか全国順次公開
INTRODUCTION
『ギターはもう聞こえない』(1991)『恋人たちの失われた革命』(2005)でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞し、1960年代から現在まで途切れることなく意欲的な作品を発表し続けるフランスの名匠フィリップ・ガレル。本作は、ガレル監督の最新作にして、『ジェラシー』(2013)『パリ、恋人たちの影』(2015)に続く新たな愛の三部作完結編とも言える作品。モノクロームの静謐な映像のなかで紡がれるのは、哲学教師の男と若い恋人、そして男の娘との奇妙な三角関係の顛末。
大学の教え子アリアーヌと同棲している哲学教師のジルの家に、ある日恋人にふられ自暴自棄になった娘ジャンヌが転がり込む。同い年のジャンヌとアリアーヌは、愛について、性欲について、ジルには言えない秘密を打ち明け合う。女たちの間に生まれる、共犯関係にも似た奇妙な絆。だが、父として、恋人として、それぞれの愛をジルに求めるふたりの間には、やがて友情だけではない感情が芽生え出す…。若い女たちの欲望や嫉妬、生への執着がまざまざと映し出される本作。愛という根源的なテーマをもとにしながらも、これまでにない女性描写が見る者を驚かせる。
『つかのまの愛人』公開記念特集上映
「愛の力学 “彼と彼女と彼” あるいは “彼女と彼と彼女”」
シネマヴェーラ渋谷 2018年8月18日 (土)~8月31日(金)
フィリップ・ガレルの最新作『つかのまの愛人』公開を記念して、シネマヴェーラ渋谷ではガレルによる“新たな愛の三部作”の第一作『ジェラシー』と第二作『パリ、恋人たちの影』など、複雑な愛の機微を描いた作品を特集上映する。愛、友情、欲望、嫉妬、かけひき……などなど、男と女の複雑な恋愛の方程式を学ぶ2週間となっている。 また本特集では、先日惜しくも亡くなられた寺尾次郎さんが字幕翻訳を手掛けた作品も上映される。寺尾次郎さんは、ガレルの監督作を始めフランス映画を中心に字幕翻訳を手掛け、日本におけるフランス映画の振興に大きな役割を果たした方で、本特集は寺尾次郎さんへの感謝が捧げられている。
劇場サイト
【上映作品】
『ジェラシー』『パリ、恋人たちの影』『つかのまの愛人』(フィリップ・ガレル監督)、
『新しい遺言』(サッシャ・ギトリ監督)、『高原の情熱』(ジャン・グレミヨン監督)、
『柔らかい肌』『家庭』『恋のエチュード』(フランソワ・トリュフォー監督)、
『幸福』(アニエス・ヴァルダ監督)、
『そして僕は恋をする』(アルノー・デプレシャン監督)、
『まぼろし』(フランソワ・オゾン監督)、
『感傷的な運命』(オリヴィエ・アサイヤス監督)、
『サイの季節』(バフマン・ゴバディ監督)、『さざなみ』(アンドリュー・ヘイ監督)
【上映作品】
『ジェラシー』『パリ、恋人たちの影』『つかのまの愛人』(フィリップ・ガレル監督)、
『新しい遺言』(サッシャ・ギトリ監督)、『高原の情熱』(ジャン・グレミヨン監督)、
『柔らかい肌』『家庭』『恋のエチュード』(フランソワ・トリュフォー監督)、
『幸福』(アニエス・ヴァルダ監督)、
『そして僕は恋をする』(アルノー・デプレシャン監督)、
『まぼろし』(フランソワ・オゾン監督)、
『感傷的な運命』(オリヴィエ・アサイヤス監督)、
『サイの季節』(バフマン・ゴバディ監督)、『さざなみ』(アンドリュー・ヘイ監督)
CREDIT