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日常と非日常の間で翻弄される人間の運命の残酷さ、滑稽さ、切なさ、
そして生のためのささやかな希望を描いた骨太な人間ドラマが誕生

TOCKA [タスカー]

『TOCKA [タスカー]』画像 『TOCKA [タスカー]』場面画像1

公式サイト 公式twitter

2023年2月18日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー

INTRODUCTION

あなたは、ヒトから「殺してくれ」と頼まれたことはありますか?

国境の町、根室――。ロシア人相手の中古電器店を営むその男(章二)には、「死にたい」理由があった。自死ではなく「殺されたい」と願う男は、シンガーの夢を諦め、生きる意味を失った女(早紀)と、先の見えない生活に疲れていた廃品回収業の青年(幸人)と出会う。男の事情を知った二人は、希望を叶えようと計画するのだが――。

本作は、死を決意した男が、自分を殺してくれる人を探す彷徨の旅を描く人間ドラマ。三人はそれぞれの過去を見つめながら、男の死に向き合っていく。男は望みを叶えられるのか?日常と非日常の間で翻弄される人間の運命の残酷さ、滑稽さ、切なさ、そして生のためのささやかな希望を感じさせる骨太な映画が誕生した。

監督は、『YUMENO ユメノ』以来、17年ぶりに長編映画に挑んだ、鎌田義孝。出演は、金子清文(『深夜食堂』)、菜 葉 菜(『夕方のおともだち』)、佐野弘樹(NHK「舞い上がれ!」)、ほか、松浦祐也、川瀬陽太、足立正生など。音楽は、ヴァイオリニストの斎藤ネコ。撮影は、西村博光。16ミリフィルムカメラ(ARRIFLEX SR3)で、根室、釧路、室蘭の撮影を敢行、音声はあえてモノラルで仕上げている。

TOCKA(タスカー)とは、ロシア語で憂鬱、憂愁、絶望、などを意味し、その反意として、郷愁、憧れ、未だ見ぬものへの魂の探求、などの解釈がある。

『TOCKA [タスカー]』場面画像2 『TOCKA [タスカー]』場面画像3

鎌田義孝監督コメント

企画を考え始めたのは2006年頃。きっかけは二つの事件でした。一つは東京都中央区の中古パソコン販売会社の社長が、ネットで出会った少年に自らの殺害を託すが、未遂に終わった嘱託殺人事件。もう一つ、同じ頃、韓国で起きた同様の事件。依頼したサラリーマンは、青年に殺害され目的を果たした―。この紙一重の差は何なのか? “本人の意志を受けて、他者がその人を殺すこと”=“人間の命を最後に自由にすること”。
その是非に自分は答えを出せなかった。だから撮りたかった。
今、世界が長寿社会へ進む中、血縁の無い者同志が、命の終わり方を考えることは非常に重要なことだと思う。俺もおっさんだ。友も親父も死んだ。そして2022年、ゴダールが“自殺幇助で死んだ”という事実が、突き刺さる。私が生まれ育った北海道はアジアの辺境地。ロシア、中国、アメリカ、日本に翻弄され続けている特殊なエリアだ。ここから世界に発信したい。映画「TOCKA[タスカー]」が、一人でも多くの人の心に届きますよう願っています。

鎌田義孝監督プロフィール
1964 年 3 月 26 日生まれ、北海道名寄市(滝川市育ち)出身。法政大学卒業後、ウッドオフィスに所属。91 年、深夜番組「水着で KISS ME」で演出家デビュー。以降、ドキュメンタリー番組、プロモーション映像、V シネマ等を多数手掛ける。97 年より、フリーランスとして活動を開始。サトウトシキ監督、瀬々敬久監督から映画演出を学ぶ。98 年、成人映画『若妻 不倫の香り(原題:サラ)』で商業映画初監督。05 年、初の長編映画作品『YUMENO ユメノ』を発表。第 29 回モントリオール世界映画祭、第 10 回釜山国際映画祭、NIPPON CONNECTION、第 13 回レインダンス映画祭、第 8 回ドゥービルアジア映画祭(仏)、Dongfang Film Festival で高い評価を得た。本作は 17 年ぶりの長編映画作品。

『TOCKA [タスカー]』場面画像4 『TOCKA [タスカー]』場面画像5
STORY

死に方を決めるのは、最後の自由か――

谷川章二(金子清文)は、 北海道、オホーツク海沿岸の街でロシア人相手の中古電器店を営んでいたが、自分を殺してくれる人を捜していた。経営に行き詰まり、妻と息子に先立たれ、小学生の娘を老親に預けている彼は、せめて娘に多額の保険金を残して死のうと思っていたのだ。
本多早紀(菜 葉 菜)は、歌手活動をしていたが、売れないまま 40歳近くなり、東京の芸能事務所をやめて、親に内緒で故郷の北海道に戻ってきた。結婚しようと思っていた相手とも彼の浮気が原因で別れ、借金には追われていたが、それが理由というわけではなく、なんとなく生きる意味を失っていた。
大久保幸人(佐野弘樹)は、詐欺まがいの廃品回収会社に勤め、その傍ら盗んだ灯油を売り歩いて生計を立てていた。父はおらず女手ひとつで育ててくれた母は、入院中。同居する妹は、行方知らずの男の子供を身籠り妊娠中。先の見えない生活に疲れていた。
章二は、自殺サイトで早紀と知り合い、自殺では保険金の額が少ないから、事故に見せかけて殺してくれと彼女に依頼する。彼は、ある理由で妻の遺体を自宅に隠していた。それを知った早紀と妻を埋葬するため深夜の空き地で穴を掘るふたりだったが、廃品を不法投棄しにきた幸人に見つかる。事情を知った幸人は、早紀とふたりで章二の希望をかなえようと計画するのだが……。

CREDIT
出演:金子清文,菜葉菜,佐野弘樹,イトウハルヒ,内藤正記,山野久治,田中飄,松浦祐也,川瀬陽太,足立正生
監督:鎌田義孝
企画:鎌田義孝,井土紀州 脚本:加瀬仁美,鎌田義孝
音楽:斎藤ネコ 撮影:西村博光 照明:大和久健 録音:島津未来介
プロデューサー:坂口一直,浅野博貴 協力プロデューサー:村岡伸一郎 制作プロダクション:コンチネンタルサーカスピクチャーズ
制作協力:ティー・アーティスト 風の色 制作:スタンス・カンパニー
配給:鎌田フィルム 配給協力:ティー・アーティスト 製作:鎌田フィルム
© 2022 KAMADA FILM
2022│日本│ カラー│ 16mm(上映形態 DCP)│ 1:1.66 | モノラル | 119分 レイティング:G

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2023年2月18日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー

2023/02/13/18:10 | トラックバック (0)
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