キム・セビョク (女優) 映画『ひと夏のファンタジア』について【3/5】
2016年6月25日(土)よりユーロスペース(東京)にてレイトショー、
7月2日(土)よりシネ・ヌーヴォ(大阪)、シネマスコーレ(名古屋)、
7月9日(土)より横浜シネマリン(神奈川)にてロードショー!
以降、全国順次公開予定(群馬・シネマテークたかさき他)
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――役作りが大変だったと思います。具体的なところで衣装はどうやって準備したんですか?
セビョク ああ、昨日再会した撮影監督の藤井さんも衣装選びのことを真っ先に思い出していました。第1章を撮り終えて、第2章はまったく新しい映画を撮り始めるという感覚で、撮影に入る数日の間に「どうしようか?」と考えていったのですが、ヘジョンがどんな女性かというイメージが全然できていなかったので、どんな衣装を着たらいいのかも全然分からなかったんです。それでスタッフ5、6人でバンに乗って、五條のいちばん大きなショッピングモールに行って、それぞれが自分の好みで「ヘジョンはこんなイメージじゃないか?」という衣装を選んだら、みんなまったくバラバラで(苦笑)。すごく悩みながらご飯も食べずに3時間ぐらい選び続けたんですが、結局何も買えずに戻ってきました。そして結局は私が持ってきていた服でまだ着ていなかったものと、現場の通訳さんが持っていた服をお借りして着ることにしました。1着も買わずに済んでラッキーだったんですけど、チャン監督も「あの日がいちばん疲れたなあ……」と言っていました(笑)。
――(笑)。友助との会話がとても自然でした。どうやって日本語の台詞を作っていったのですか?
セビョク 第2章には脚本はなかったのですが、ポイントポイントで言わなければいけない台詞や話の内容は示されていたので、それに合わせて会話を作っていきました。リハーサルをすごくたくさんして、「こんなことを言いたいな」ということをどんどん言ってみて、流れに合っているか試しながら作っていきました。通訳の方に日本語での言い方を訊いたり、また、同じ意味の言葉でも簡単な表現と難しい表現とがあると思うんですけど、自分が一度でも聞いたことのある日本語を使いたいということもあったので、できるだけやさしい表現になるように教えてもらったりしながら作っていきました。
――ヘジョンが「うめえ」というくだけた表現を使ったりするのは、日本人から見てもすごく面白いものでした。これはどなたのアイディアですか?
セビョク 撮影中にも面白い言葉や関西弁の面白そうな言い回しがあると、意味を訊いて台本にちょっと書き留めたりしていました。「うめえ」という言葉も、ご飯を食べているときに誰かが言ったのが面白くて、みんなで覚えて「うめえ、うめえ」と言っていたんです(笑)。それを映画の中でも自然に使いました。会話を面白いものにしようというよりも、岩瀬さんが演じる友助と、その瞬間瞬間の感情や雰囲気に合うようなやり取りをしようと考えてやっていきました。
監督・脚本:チャン・ゴンジェ プロデューサー:河瀨 直美、チャン・ゴンジェ
出演:キム・セビョク、岩瀬 亮、イム・ヒョングク、康 すおん
製作:NPO法人なら国際映画祭実行委員会・MOCUSHURA
配給:「ひと夏のファンタジア」プロジェクト2014-2016 © Nara International Film Festival+MOCUSHURA
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