キム・セビョク (女優) 映画『ひと夏のファンタジア』について【2/5】
2016年6月25日(土)よりユーロスペース(東京)にてレイトショー、
7月2日(土)よりシネ・ヌーヴォ(大阪)、シネマスコーレ(名古屋)、
7月9日(土)より横浜シネマリン(神奈川)にてロードショー!
以降、全国順次公開予定(群馬・シネマテークたかさき他)
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――ドキュメンタリー・タッチの映画内映画であることも、日本語の長い台詞がたくさんあることも、他の映画にはなかなかないことで大変だっただろうと思います。
セビョク それでも第1章と第2章とを比べて考えると、第1章は決まった台詞があるので、日本語であっても覚えてしまえば演技できるところはあって、その点では第2章よりもやりやすいものでした。第1章を演じるときに難しかったのは、やはり通訳をするシーンですね。五條のお年寄りの方の言葉を、実際は自分も聞き取れていないのに、分かっているものとして伝える演技をすることが難しかったです。それから、町の住人の方たちと、リアルなような演技のような状況を作って演じていかなければいけないのも難しかったです。あるときは実際のことを演技に見せなければいけなかったり、その逆だったり。即興の演技ではあるんですけど、普通の即興とはまたちょっと違う難しさがありました。
――第1章には康すおんさんが出演していて、そういう住人にとけ込むお芝居が見事だったと思います。ベテランの俳優さんですが、セビョクさんや今回のチーム全体にとってどんな存在でしたか?
セビョク 康すおんさんはまわりの人たちをすごく落ち着かせてくれるというか、緊張しないような雰囲気を作ってくださる方で、康さんがいることで現場が和んでいい雰囲気になっていきました。チームについて言うと、実は今回のスタッフの年齢は、私が経験した中では結構高い方で、私がいちばん末っ子のような環境だったんです。もちろん康さんはその中でもいちばんの先輩でした。昨日久しぶりにお会いしたんですけど、私の最近の出演作などを調べてくださっていて、「がんばっているね、応援しているよ」などと言ってくださったのが嬉しかったです。
――第2章の構想は、本当にギリギリまで決まっていなかったようですね。
セビョク 韓国から日本に出発したときには、私が出演するのは第1章だけということでした。五條に到着してから3日ほど準備期間があって、そのときに監督が第2章をどうするかいろいろ考えていたようです。そして第1章の撮影中に「第2章にも出てもらえませんか?」と話をもらった覚えがあります。
監督・脚本:チャン・ゴンジェ プロデューサー:河瀨 直美、チャン・ゴンジェ
出演:キム・セビョク、岩瀬 亮、イム・ヒョングク、康 すおん
製作:NPO法人なら国際映画祭実行委員会・MOCUSHURA
配給:「ひと夏のファンタジア」プロジェクト2014-2016 © Nara International Film Festival+MOCUSHURA
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