森田 和樹 (監督) & 笠松 将 (俳優)
映画『ファンファーレが鳴り響く』について【4/4】
2020年10月17日(土) 新宿 K's cinema 他にてロードショー
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――本当に主演の二人が突っ走ってとても魅力的な映画になったと思います。この映画を作ったことで、監督に新たな目標などはできましたか?
森田 できましたね。『ファンファーレ』は『ファンファーレ』で好きな作品ですが、時間的にコミュニケーションの取り方が難しかったので、どんな役者さんともしっかりやれる環境に行きたいなと思いました。撮影日数をもっと増やして予算を取りたいです。そうしないともう笠松くんとも祷さんとも一緒にできないから。これから二人はどんどん伸びていくから、僕も自主の延長線上ではなく、しっかり仕事としてオファーして、さらに魅力的に二人を撮りたいなという欲が出ましたね。
――期待しています。今はコロナの影響で映画作りが大変だと思うんですが、お二人は今どんなことをされているんですか?
笠松 僕はほぼ平常に戻ってドラマの撮影中です。このあと決まっているものに「これは楽しみだ」というのが何個かあって、結構ビックリされるかもしれません。『ファンファーレが鳴り響く』を、僕は俳優としてのキャリアのひとつの区切りだと思って取り組んでいて。これくらいの予算感の作品も最後だろうし、高校生役を演じるのも最後だろうし。これからいろいろひっくり返るだろうなと思います。
――それは楽しみにしています。監督は次回作の予定などありますか?
森田 僕は今ワークショップをやっていて、その後短編を撮るんですが、それ以降は何もないです。企画書を書いている感じですかね。
――コロナで延期になっていた作品の撮影が徐々に再開となっているという状況で、これから新作を作るのが大変ですよね。
笠松 そうですよねぇ。
森田 僕もいろいろと内にこもっていたんですけど、でも今日笠松くんと話をして気持ちが盛り上がりましたね、映画作りに対して。すごくポジティブで、僕にないものをいっぱい持っているから。
――本当に前向きですよね。笠松さんにはぜひ次回作にも出ていただきたいです。
笠松 はい、脚本が面白かったら!
――お二人がまたタッグを組むのを楽しみにしています。では最後にこの作品の見どころをお願いします。
笠松 今、この現世を生きていくには、多分外からの評価と自分の内側から湧いてくる採点とを分ける必要があって。外からの評価は一旦置いといて、内からの評価をもっと大事にした方がいいというか、「何をしたら自分は満足したのか?」とか「何が自分にとって幸せか?」とかが結構大事だと思うんです。この映画では、人殺しをしたことによって明彦は最後に笑えたわけで、それは外からの評価は最悪なわけですよ。でも普通の人生を歩んでいたら彼は最後に笑えていないなと思ったら、なんか僕には、彼の人生だけを考えるならばそれでいいと思えて。極端ではあるけれど、みんなにもそういてほしい。例えば、僕はサッカーをやっていたんですけど、どんな点の入れ方をしたって1点は1点、ファウルしたって勝ちは勝ちで、最後は笑っているんだからって。どこで勝ちを見つけるかはわからないけど、外からの評価を気にして無難に生きるよりも、 法を犯さない範囲であれば何をやったって最後に笑える方がいい。自分のやったことに自信を持てればいいなって思います。
――ありがとうございました。監督からもお願いします。
森田 やっぱり俳優さんたちのエネルギーがすごいなと思うのでそこを観てほしいです。特に光莉と明彦の距離感がすごくいいなと思っていて。近づき過ぎず、でも決して離れず、次に何かしでかすんじゃないか?という雰囲気をまとっているところとか。どこかひとついいシーンがあれば映画館で観る価値がある映画だと思っていて、この映画はまだちょっと客観的には観れていないんですけど、観る価値はあるんじゃないかな?と思っているので、観てほしいですね。
( 2020年8月13日 新宿ケイズシネマで 取材:深谷直子 )
出演:笠松将、祷キララ、黒沢あすか、川瀬陽太、日高七海、上西雄大、大西信満、木下ほうか、他
監督・脚本:森田和樹
製作:塩月隆史、人見剛史、小林未生和、森田和樹 プロデューサー:小林良二、鈴木祐介、角田陸、塩月隆史
撮影:吉沢和晃 録音:西山秀明 助監督:森山茂雄 特殊造形:土肥良成 主題歌:「美しい人生」 sachi.
制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション 製作:「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会
©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会
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