笠松将&森田和樹監督
森田 和樹 (監督) &
笠松 将 (俳優)
映画『ファンファーレが鳴り響く』について【1/4】
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2020年10月17日(土) 新宿 K's cinema 他にてロードショー
2019年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞した『されど青春の端くれ』の森田和樹監督が、笠松将と祷キララという気鋭の若手俳優を主演、ヒロインに迎えて放つ商業デビュー作『ファンファーレが鳴り響く』が、10月17日(土)より新宿ケイズシネマ他にて公開される。吃音症が原因でいじめられている高校生の明彦と、他人の血を見ることに欲望を覚える同級生の光莉が、殺人をしながら旅を続ける異色の青春ロードムービー。大病を乗り越えて商業映画デビューのチャンスを手にした森田監督が表現欲求と反骨精神をぶち込めば、俳優たちもそれぞれの解釈と振り切れた演技で物語の中を生き、社会への強烈なカウンター的一作となった。公開を前に、森田和樹監督と笠松将さんにお話をうかがった。 (取材:深谷直子)
笠松 将 1992年生まれ。主な出演映画に 2018年『このまちで暮らせば』(高橋秀綱監督)、『響-HIBIKI-』(月川翔監督)、『さかな』(神徳幸治監督)。2019 年『デイアンドナイト』(藤井道人監督)、『ラ』(高橋朋広監督)、『CAST:』(林響太朗監督)、『おいしい家族』(ふくだももこ監督)、『羊とオオカミの恋と殺人』(朝倉加葉子監督)、20年は『花と雨』(土屋貴史監督) 、『転がるビー玉』(宇賀那健一監督)、 『仮面病棟』(木村ひさし監督)、『ドンテンタウン』(井上康平監督) 。テレビ「平成物語~なんでもないけれど、かけがえのない瞬間~」(19/CX)、「向かいのバズる家族」(19/YTV) 、「全身刑事」(20/EX)、「有村架純の撮休」(20/WOWOW)。 WEB「FOLLOWERS」(20/Netflix)、「いとしのニーナ」(20/FOD)、など。
STORY 高校1年生で吃音症の神戸明彦はクラスでイジメの対象になり、鬱屈した日々を過ごしていた。 耐えて何食わぬ顔で家で過ごす明彦は、脳内で神様を殺す日々。 ある日、クラスメイトで才色兼備の完璧な女子生徒・七尾光莉が猫を殺しているのを偶然に見てしまう。 光莉は生理の時に見た自分の血に興味を駆られて、他者の血を見たい欲求を持っていた。 そして光莉は明彦に殺人欲求がある事を打ち明けイジメグループを殺そうと提案する。 そして2人は殺しを始め、逃げるように東に向かいながらも殺しを行なっていく。新世代の青春スプラッターロードムービー。
――『ファンファーレが鳴り響く』は森田監督の商業デビュー作ですが、型破りでパワフルな作品になりましたね。大病をされたのが撮るきっかけになったとのことですが。
森田 そうですね。病気を経て、「また映画作りをしよう」と思って作り出したという感じです。商業1作目ですが、僕としては自主の延長線上だと思って撮っていました。自分のしたいことを詰め込むことを意識しました。
――高校生の男女が殺人を犯しながら逃避行をするというストーリーの着想はどこから生まれたんですか?
森田 もともと少年犯罪とかを調べるのが好きだったんですが、実際にあった事件を元にした映画を作るんじゃなくて、「もしかしたらこういう事件が起こるかもな」と想像で話を作っていきました。ボニーとクライドのような……、僕は『俺たちに明日はない』(67)が好きで、影響を受けているのが表れる作品になりました。
――笠松さんと森田監督はもともとお知り合いだったんですか?
笠松 いえいえ(笑)。
森田 僕が一方的に知っていました(笑)。
――主人公は高校生なので、笠松さんは年齢的にちょっと上になるのですが、脚本を書くときにはキャスティングを想定してはいなかったのでしょうか?
森田 していないですね。光莉役は、脚本を書きながら「祷キララさんっぽいな」と感じていたんですが。明彦役としてプロデューサーから3人の候補が挙がった中に笠松くんの名前がありました。
――ミュージカル・シーンなど様々な要素が盛り込まれて、かなりぶっ飛んだ作品ですが、笠松さんは脚本を読んでどう感じましたか?
笠松 やりたいことがはっきりしているなと思ったし、僕のほうも、今は心境の変化もあってまたちょっと違ってきているんですけど、当時は仕事の依頼が来ることがすごく嬉しくてスケジュールが調整できる限りなんでも出てみたいという意欲的な時期だったので、もう「やりたいやりたい!」という感じでしたね。もちろん百点満点の脚本じゃなくて、予算的に足りないところとかもあるけど、やっぱり秀でたところがある。しかも映画って台本どおりになることってなくて、結構変わっていくんですけど、この作品はいいふうに変わったなと。完成した映画を逆に脚本に起こしたら、これってすごく面白い本なんですよね。
――なるほど。監督、よかったですね(笑)。監督は笠松さんの魅力はどんなところにあると思いますか?
森田 雰囲気にまとっているものがすごくあるなと思います。明彦って弱々しい人物で、今までに見てきた笠松くんの役とは反対というか、笠松くんの中にはないものなんじゃないかと思って、「僕が監督する作品で笠松くんが魅力を発揮できなかったらどうしよう?」ということに不安はあったけど、でもやってみたかったんですよね。一緒に映画を作りたかった。で、顔合わせをして、笠松くんから「僕で大丈夫ですか?」という一言があって、そこで不安要素が取り払われました。今まで見てきてすごいなあと思っていたので、勝手に信頼を置いて。すごく真っ当だし、ワンマンじゃないんですよね、笠松くんのやり方は。
笠松 意外とね(笑)。もちろん「自分はこう思う」ということはすごく言います。でもそれは、自分の見え方もそうだけど、作品全部が大事だからこそ発言できるというのがあって。
出演:笠松将、祷キララ、黒沢あすか、川瀬陽太、日高七海、上西雄大、大西信満、木下ほうか、他
監督・脚本:森田和樹
製作:塩月隆史、人見剛史、小林未生和、森田和樹 プロデューサー:小林良二、鈴木祐介、角田陸、塩月隆史
撮影:吉沢和晃 録音:西山秀明 助監督:森山茂雄 特殊造形:土肥良成 主題歌:「美しい人生」 sachi.
制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション 製作:「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会
©「ファンファーレが鳴り響く」製作委員会
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