2022年台湾アカデミー賞(金馬奨) 最優秀オリジナル音楽賞受賞 最優秀主演男優賞 最優秀主演女優賞
2022年エディンバラ国際映画祭
2023年香港電影評論学会大奨最優秀監督賞受賞 最優秀男優賞受賞 推薦映画 最優秀作品賞
脚本賞 最優秀女優賞
2023年香港アカデミー賞(金像奨)最優秀音楽賞受賞 作品賞 監督賞 脚本賞 主演男優賞 主演女優賞
助演女優賞 撮影賞 衣裳デザイン&メイク賞 新進監督賞
2023年大阪アジアン映画祭コンペティション部門
星くずの片隅で
2023年7月14日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、
ポレポレ東中野ほか全国ロードショー
生活の息吹が感じられる街の光、朝焼けの空、小さい窓から見上げるまぶしい太陽……。 コロナ禍の静まり返った香港の片隅で、誰にも気付かれずに生きる人々の孤独な心を、新世代の香港映画の旗手がやさしい眼差しで掬い取ったヒューマンドラマ。
2020年、コロナ禍で静まり返った香港。「ピーターパンクリーニング」の経営者ザク(ルイス・チョン)は、車の修理代や品薄の洗剤に頭を悩ませながら、消毒作業に追われる日々を送っている。リウマチを患う母(パトラ・アウ)は、憎まれ口をたたきながらも、たまに看病にくるザクのことを心配している。
ある日、ザクの元にド派手な服装の若いシングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)が職を求めてやってくる。まともな仕事をしたことがなさそうなキャンディだったが、娘ジュー(トン・オンナー)のために慣れない清掃の仕事を頑張りはじめる。しかしキャンディがジューのために子供用のマスクを客の家から盗んでしまい、ザクは大事な顧客を失ってしまう。
幼い娘を抱え、まともな暮らしもできずにいるキャンディをみて、ザクはもう一度だけチャンスを与える。心を入れ替え仕事に打ち込んでいくキャンディに、心惹かれていくザク。そんな中、ザクの母が急死してしまう。葬儀に向かうザクを送り出し、ひとりでの仕事に張り切るキャンディ。しかしジューがうっかりこぼしてしまった洗剤をきっかけに、追い詰められたキャンディはちょっとした嘘を重ねていってしまう。それがザクと会社を窮地に追いやることになり……。
香港アカデミー10部門ノミネート、世界の映画賞を席捲する話題作!!
香港の人気シンガーソングライター・俳優 ルイス・チョン × アジアが誇るトップモデル アンジェラ・ユン
2022年12月に香港で公開された本作は、新人監督のデビュー作としては異例の注目を集めていた。台湾アカデミー賞3部門、香港電影評論学会大奨6部門、そして香港アカデミー賞10部門ノミネートの快挙を遂げたからだ。香港電影評論学会が「まちがえなく、今年一番の心温まる香港映画!」と評したとおり、監督が紡ぎだした優しい眼差しと共に注目されたのが、魅力的なキャスティングにもある。
映画『イップ・マン継承』(16/ウィルソン・イップ監督)、『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班』(18/ハーマン・ヤウ監督)や、多くの映画、ドラマに出演し、コミカルな演技に定評があるルイス・チョン。不器用でやさしい中年男ザク役で新境地を切り拓き、名優アンソニー・ウォンを抑え香港電影評論学会大奨最優秀男優賞を獲得し、表現者として大きな転機を迎えた。
映画『宵闇真珠』(17/ジェニー・シュン、クリストファー・ドイル共同監督)でオダギリジョーと共演し、川島小鳥の写真集や銀杏BOYZのCDジャケット、Vaundyの「Tokimeki」のMVにも起用され話題の香港のトップモデル アンジェラ・ユンが、ずる賢くも憎めないキュートなシングルマザーのキャンディ役を好演。本作のほかにも大阪アジアン映画祭でも上映された『香港ファミリー』(22/エリック・ツァン・ヒンウェン監督)などの話題作に起用され、一流メゾンのファッションアイコンから一気に新世代の最注目株女優に躍り出る存在となった。
憎まれ口を叩きながらも息子ルイスをあたたかく見守る、愛すべき母役に、ベテラン舞台俳優で映画『ソク・ソク』(19/レイ・ヨン監督)で香港アカデミー賞助演女優賞を受賞した実力派俳優パトラ・アウ。最高にキュートで小生意気なキャンディの娘ジューを演じるのは、映画初出演のトン・オンナー。キャンディとジューのポップでカラフルな衣装、どびっきりの笑顔が、作品に彩りを添えている。
本作はキャストだけではなく、スタッフも映画賞を席捲している。香港アカデミー賞最優秀音楽賞、台湾アカデミー賞最優秀オリジナル音楽賞を受賞したウォン・ヒンヤンは、『香港の流れ者たち』(21/ジュン・リー監督)などの話題作を手掛る注目の存在だ。香港電影評論学会大奨、香港アカデミー賞にノミネートされた脚本家のフィアン・チョンは、『十年』(15)の脚本も手掛けており、新世代の香港映画に欠かせないスタッフが集結した。
- オダギリジョー/俳優
これは香港であり、日本であり、地球である。そして微塵の思いやりの塊は、重力を超え宇宙に轟く。 - 中江有里/女優、作家、歌手
恋人とも友人とも違う、思いを寄せあえる隣人がいる。それだけでこの空の下、一緒に生きていける。 - 青木さやか/タレント
貧困。シングルマザー。ネットの誹謗中傷。コロナ。老母。どこにでも転がっていそうな社会問題。押し潰されそうになる不安だらけの毎日に希望を持つことが、できる。きっと、できる。 - 倉持明日香/タレント
"君ならできる”と未来を信頼されることで、人は成長していく。
日々を 2 人きりで生き抜いてきた母娘にとって、本当に必要なものが見えた気がしました。 - 滝沢秀一/お笑いコンビ・マシンガンズ/ごみ清掃員
僕はごみ清掃員だ。主人公は清掃業。コロナ禍で体験したことがここにあった。生きることを知りたい人は僕の代わりにこの映画が代弁してしてくれる。ラストシーンが全てを物語る。 - 川島小鳥/写真家
同じ星の上のどこかにいる2人をこんなにも近しく愛おしく感じられること。今、何が大切なのか考え直すきっかけをくれた映画です。
- 二宮健/映画監督
いつか薄れていくかもしれないコロナ禍の震えと喪失の記憶を、誠実に繋ぎ止めてくれる作品に出会えました。
アンジェラ・ユン演じるキャンディの逞しさは、きっと忘れません。
ここからはじまる香港映画の新しい躍動に、目が離せなくなりそうです。 - 森直人/映画評論家
『万引き家族』(是枝裕和)や『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(ショーン・ベイカー)のバトンをコロナ禍に受け継ぎ、さらにレベルを上げた傑作。民主化デモ以降、新世代の香港映画は凄いことになっている! - 月永理絵/ライター、編集者
生きるために働き、失敗してはやり直し、それでもまた失敗する。この残酷な繰り返しから、ラム・サム監督は決して目を逸らさない。愚直ともいえるほどのまっすぐさで、社会を映し、その先に見える小さな光をとらえようとする。力強い信念にただただ敬服する。 - 香港電影評論学会 まちがいなく、今年一番の心温まる香港映画!
- 關鍵評論(香港)
負け犬を魅力的に描きつつ、その世界で生きるしかない道徳的葛藤を映し出した傑作! - ガーディアン紙(イギリス)
経済的、政治的な不安に苛まれる香港を舞台にした、やさしい映画が誕生した。
主人公たちのおだやかな関係は、思いやることの大切さを素朴に描いている。
監督:ラム・サム(林森)
プロデューサー:マニー・マン (文佩卿)
脚本:フィアン・チョン (鍾柱鋒) 撮影:メテオ・チョン (流星) 美術:ウミ・ンガイ(魏鳳美)
編集:エミリー・リョン (梁汶姍) 音楽:ウォン・ヒンヤン(黃衍仁)
日本語字幕:最上麻衣子 宣伝デザイン:100KG 予告編監督:秦岳志・金善
配給:cinema drifters・大福・ポレポレ東中野 宣伝:大福・木村洋子
原題:窄路微塵 英題:The Narrow Road
2022|香港|カラー|DCP|5.1ch|115分
©mm2 Studios Hong Kong