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すべてのカットに美が宿る、大人のためのメランコリックな寓話

栗の森のものがたり

『栗の森のものがたり』画像 『栗の森のものがたり』場面画像1

公式サイト

2023年10月7日(土)よりシアター・イメージフォーラム
ほか全国順次公開

INTRODUCTION

貧困と諦め、そして美しい栗の木々だけが残された小さな村……。
家を飛び出した一人息子、戦争から戻らない夫、あとに残され悲しみに包まれた見知らぬ二人が出逢った。

時は 1950 年代。かつては安息の地と呼ばれ、息を呑むような美しさを誇った栗の森に囲まれた、イタリアとユーロスラビアの国境地帯にある小さな村。第二次世界大戦終結後、長引く政情不安から人々の多くは村を離れ、または戻ってくるはずもない家族や隣人をただ待ち続ける。老大工のマリオは、家を出たまま戻らない一人息子からの連絡を待ち続け、投函することのない息子宛の手紙に思いを綴っては引き出しにしまう。栗売りのマルタは、戦争から戻ってこない夫からの手紙と数枚の写真を唯一の手掛かりに、現在住んでいるであろうオーストラリアに旅立つ決意だ。そんなある日、マルタとマリオは出逢い、互いの身の上を語りながら、その境遇を思いやる。そしてマリオはマルタにある提案を持ち掛けるのだが……。

フェルメールやレンブラントに影響を受け、チェーホフの短編にインスピレーションを受け描かれた絵本のような世界。
スロヴェニアの新鋭グレゴル・ボジッチ監督が手掛けた至高の映像美!

監督・脚本・編集を手掛けたのは、本作が長編デビューとなるスロヴェニア出身の新鋭グレゴル・ボジッチ。2019 年のトロント国際映画祭でプレミア上映されるや大喝采を浴び、スロヴェニア国際映画祭では最優秀作品賞、監督賞、男優賞、撮影賞、観客賞など11 部門を独占。2020 年に開催されたなら国際映画祭では、コンペ作品の中で「最も美しい」と評され審査員特別賞に輝いた。

フェルメールやレンブラントといったオランダの印象派の画家に影響を受けたというボジッチは、35mm とスーパー16mm フィルムを駆使し絵画のような風景を切り取る。使い古しの洗面器にピッチャーや果物、箒や靴、洗濯カゴや紙くずまで何もかもが優しい光に照らされ、ゆっくりと時が流れる森の日常を、陰影深く描き出した独特の映像美。何気ない日常生活のワンシーンさえも最初から最後まで美しい。

賭け事が大好きで、病弱な妻にも辛らつな言葉を浴びせる老大工マリオ役に、イタリアの名優マッシモ・デ・フランコヴィッチ。70以上の作品に出演し、多数の賞を獲得。現代映画界を代表するメソッド・アクターとしてその名を馳せている。お金を貯めて「栗の森」を離れようと気を揉む最後の栗拾いマルタ役には、クロアチアで活躍するイヴァナ・ロシュチッチ。「最もセクシーなクロアチア女性スター」にランクインする魅力的な人気俳優でもある。人生を重ね深みある顔に、神々しささえ感じられるマリオの妻ドーラ役に、イタリアの名女優として 200 以上の演劇や映画に出演する演技派、ジウジ・メルリが扮した。音楽は、アイスランドのヘクラ・マグヌスドッティル。幽玄なテルミンの音色で彼らの喜びや悲しみ、喪失感の無常さを詩的に表現した。また、馬車に乗る若い女性二人がシルヴィー・バルタンの名曲「アイドルを探せ」を唄い、踊るシーンはあまりに愛おしく観客の心にいつまでも残るだろう。

ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編小説にインスピレーションを受け、人生の機微を甘くほろ苦く描いた本作。生と死の境界線は曖昧で、森の中で遭遇するものは現実なのか妄想なのか……。すべてのカットに美が宿る映像美で魅せる、すでに古典の趣さえ漂う成熟した珠玉作。
この秋、スロヴェニアから届いたメランコリックな大人の寓話が、深い余韻を約束する。

『栗の森のものがたり』場面画像2 『栗の森のものがたり』場面画像3

REVIEW
  • フェルメールの絵画の中に閉じ込められたかのような、凜とした静寂が心揺さぶる。――Cineuropa.org
  • もの悲しく、不思議な短編小説のよう。――Variety
  • 心沁みる生と死のあわいの幻想譚。――Cineuropa
  • 最初から最後まで美しい。その美しさのなかに充満してくる死の空気。――Movie steve
  • 絵画のような風景を切り取る美しい映像をスクリーンで観る至福。フィルムの撮影が成し得た素晴らしい作品。――The wee review
  • 深い森には神秘的な癒しと魔性の不思議が宿っている気がする。――Ortakoltuk.com
  • おとぎ話の絵本を捲るような、冷たい粒子漂う愁を帯びた深まる秋の気配がもの哀しい。――Ekran.si
  • すべてのカットに美が宿る、詩情豊かな映像美。――Cinexpressions
『栗の森のものがたり』場面画像4 『栗の森のものがたり』場面画像5
CREDIT
監督:グレゴル・ボジッチ 脚本:グレゴル・ボジッチ、マリーナ・グムジ
撮影:フェラン・パラデス 編集:グレゴル・ボジッチ、ベンジャミン・ミルゲ、ジュゼッペ・レオネッティ
音楽:ヘクラ・マグヌスドッティル、ヤン・ヴィソツキー
出演:マッシモ・デ・フランコヴィッチ、イヴァナ・ロスチ、ジュジ・メルリ、トミ・ヤネジッチ
原題:Zgodbe iz kostanjevih gozdov 英題:Stories from the Chestnut Woods
日本語字幕:佐藤まな 字幕協力:なら国際映画祭
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム
2019年/スロヴェニア・イタリア/イタリア語・スロヴェニア語/カラー/82分/ビスタ
©NOSOROGI - TRANSMEDIA PRODUCTION - RTV SLOVENIJA - DFFB 2019

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2023年10月7日(土)よりシアター・イメージフォーラム
ほか全国順次公開

2023/10/01/18:39 | トラックバック (0)
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