村本 天志

ひょんなことから撮影現場に石原軍団が差し入れした
『おはぎ』をお裾分けしてもらい夜中に食べた。
台風が多分去った下北沢は穏やかな小雨がぱらついていたが、
熱い焙じ茶とともに食べたおはぎは鋭く美味であった。
こだわりの北海道十勝産小豆使用の『さざえ』というお店の一品。
おはぎを作るサザエ…微妙な店名だ。

しかし美味い！美味すぎる！

立て続けに三個いった。

買ったばかりの液晶TVでは不可解なスリーカウントで
藤田が負け健介が惨めな凱歌を上げている。
子供を抱いた北斗が泣きながら草間を蹴る。

見てたら涙が出てきた。

北斗が『フリーだと思って舐めんじゃねーぞ！』と叫び
会見を打ち切り健介の手を引き帰る。

切ない。

切な過ぎる。

痛すぎる。

画面は切り変わりリング上の長州！のリングジャックを映し出す。
どうなってるんだよ、新日本。
酷すぎるや…切ない。
こんなのオレの愛するプロレスじゃあない。
深夜書けないコンテ、傷ついた気持ちで見せられた
あまりのストーリーにオレはズタズタだ。
おはぎが美味だから余計につらい。
差し入れとはかくあるべきだ。
五個入りのおはぎはスタッフ全員分あったらしい。
凄いや石原軍団！長州軍団はどうだ？
半端なストーリーじゃ納得できんぞ！