インタビュー
山本俊輔監督

山本 俊輔(映画監督・脚本家)

「デス・ゲーム・パーク」について

公式

ドコモ携帯専用放送局BeeTVにて配信中

16ミリインディーズ作品「殺し屋たちの挽歌」がロードアイランド国際ホラー映画祭2004観客賞を受賞、ゆうばりファンタスティック映画祭、韓国・富川ファンタスティック映画祭に出品され、近年も「カクトウ便」シリーズなどを撮っている山本俊輔監督。脚本家としても頭角を現してきていて、ドコモの携帯専用放送局BeeTVで配信中の携帯ドラマとしては異色のサスペンス「デス・ゲーム・パーク」を書いている。今後も、氣志團の綾小路翔プロデュースドラマ「木更津グラフィティ」や、監督作「破戒尼僧YUKI」が控えている山本氏に話を聞いた。(取材:わたなべりんたろう

<あらすじ>
このゲームをクリアした者には、完全なる「自由」が約束され、脱落者には「死」が待っている。記憶をなくした青年・徳永翔大(松坂桃李)は、何故そこにいるのかさえ分からないまま、この“死”のゲームに参加させられることになる。“何故、俺はここにいるのか””俺は一体何者なのか・・・” 失った記憶の断片をつなげようとする度に、翔大を襲う激しい頭痛。参加者たちは知力、体力、精神力、生命力、持てる力の全てをかけ、「デス・ゲーム」に挑む.が、岩井大吾(井上正大)、遠藤涼子(真野恵里菜)、海東蔵之介(加藤慶祐)、垣谷正夫(石黒英雄)ら集められているゲーム参加者たちは、互いを訝り、相手を蹴落とそうと狙っている……。

『デス・ゲーム・パーク』

わたなべ まず、この携帯配信ドラマの脚本の話はどのように来たのでしょうか?

山本 08年12月頃にTBSの鈴木早苗プロデューサーから、BeeTVの企画募集のコンペがあったんです。このコンペが異例でジャンルが何も指定がなかったんです。

わたなべ いい意味で新しいメディアの携帯配信ドラマらしいですね。

山本 そのコンペの応募作がラブストーリーばかりで、殺人ゲームものはこちらの作品だけだったんです。そのときのタイトルは「殺人だるまさんが転んだ」でしたけど(笑)。(BeeTVの運営元である)エイベックスが気に入ってくれたんです。その後打ち合わせを重ねて、「Cube」や「Saw」みたいな方向性をより固めていったんです。

わたなべ ワンシチュエーションの密室殺人ゲームものですね。

山本 高田弘隆監督やゴーグルの古田亘プロデューサーなども交えて、月に1,2回の割合で去年の夏ぐらいまでミーティングを繰り返したんです。

わたなべ 高田監督はPVを多く撮っていて、VJもされている方ですね。映像から、デヴィッド・フィンチャーなどが好きなのかなと思いました。

山本 高田監督が参考に挙げた作品は「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」でした。この作品のように映像は洗練されていても、深く考えさせるようにしたいとのことでした。

わたなべ ニコラス・ケイジ製作のアラン・パーカーの監督作で死刑制度を扱った作品ですね。携帯配信ドラマは、以前に山下敦弘くんと向井康介くんの「土俵際のアリア」を見たことがあって、製作側から音や解像度に限界があるので、台詞や音の使い方にかなり制限があると聞きました。

山本俊輔2山本 そうですね。だから、今作でも台詞よりもアクション重視にしています。後、血も制限があるので出せないです。

わたなべ でも、終盤で凄いスラッシャー描写がありますよね(笑)。確かに血は出ていなかったですが。

山本 あれは驚いてもらえて監督は本望じゃないでしょうか(笑)。また、1回が5分といっても前回の紹介やエンドクレジットなどで実質はもっと短いので、とにかく次を見たくなる作りにしましたね。ちなみにアクション・シーンはジェイソン・ボーン・シリーズを意識しています。

わたなべ 撮影のカメラは何だったのでしょう?

山本 キャノンの一眼レフの7Dですね。

わたなべ 水道局にクレジットが最後にありますが、撮影場所は水道局ですか?

山本 そうですね。寒い時期の撮影だったから、大変だったようです。

わたなべ 今作はBeeTVの今期の配信でも上位だと聞いています。

山本 おかげさまで、ありがたいことです。出演者の豪華さもあると思いますが、こちらの手腕も少しはあるかと自負しています(笑)。

わたなべ 苦労してつかんだ幸せの女神の後ろ髪なので、それぐらい言ってもいいと思います(笑)。そして、遂に小説版も発売になりました。小説版はドラマ版でできなかったことを思いっきりやった感じだと思いました。具体的には、山本さんの「大都会」などの石原プロ好きのテイストが出たかと(笑)。

『デス・ゲーム・パーク』2山本 かなり壮大になってアクションも派手なのは認めます(笑)。

わたなべ 配信になっていないので、詳細はまだ言えないですが、ラストが大幅に違いますよね。

山本 小説版のラストは読んでのお楽しみですね。組織の背景や人物描写もかなり書き込んでいます。ドラマ版で分からなかったことが、いろいろと分かると思います。自信作なので、是非多くの人に読んでほしいですね。ドラマ配信の方は「Love Or Death」というゲームとも連携していて、こちらも人気ですね。

わたなべ ドラマ版で良かったのが劇伴の音楽です。かなりバーナード・ハーマンしていて(ハーマンはヒッチコック作品や「市民ケーン」などで知られる作曲家)良かったです。

山本 クレジットは「吉田武史・田中祐介」となっていますね。僕は存じ上げていない方々なんですけど、いいですよね。(同席のエイベックスの担当の方が、元バンドで活動していた方が担当していると教えてくれる)

わたなべ あの劇伴は作品の雰囲気作りを高めていますね。

山本 一つ言いたいのは、いわゆるF2、F3の女性層を狙った作品でないのが配信で上位に入っているのは本当に嬉しいです。さっきも、ある製作会社のプロデューサーの方と話していたんですが、原作などにこだわらず面白いものをやろうと意気投合したんですよ。氣志團の綾小路翔さんのプロデュースのドラマ「木更津グラフィティ」も書きましたし、監督作のショートフィルム「破戒尼僧YUKI」(youtubeリンク)も完成しました。今年は攻めていきます!

わたなべ その勢いで、好きなジャンルで本領発揮していくのを楽しみにしています。本日はありがとうございました。

山本 こちらこそありがとうございました。

(取材:わたなべりんたろう

デス・ゲーム・パーク
出演:松坂桃李、井上正大、真野恵里菜、加藤慶祐、石黒英雄、佐々木希(友情出演)、相武紗季(特別友情出演)ほか
公式
BeeTV視聴方法は、ドコモ>iチャネル>BeeTV、または、iメニュー>動画>BeeTV
月額315円でドラマ、バラエティ、音楽など全番組見放題

ドコモ携帯専用放送局BeeTVにて配信中

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2010/06/18/14:30 | トラックバック (0)
わたなべりんたろう ,インタビュー
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