大川 五月 (監督) 映画『リトル京太の冒険』について【3/6】
シアター・イメージフォーラムにて4月28日まで絶賛上映中!
名古屋シネマテーク、京都・立誠シネマにて5月27日(土)より上映 以降、全国順次公開予定
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――絹子役の清水美沙さんは現在アメリカで暮らしているそうですが、監督も現地で知り合われたのですか?
大川 いいえ、コロンビア大学の卒業作品の『タイディ・アップ』を撮るときに、教授が日本のプロデューサーを紹介してくださって、その方が清水さんにコンタクトを取ってくださって出演していただきました。そこからのお付き合いですね。アメリカに住んでいるので本当は清水さんは英語がペラペラなんです、映画みたいなあんな喋り方じゃなくて(笑)。
――(笑)。ティム先生をスコットランド人の設定にしたのは何かこだわりが?
大川 たまたまですね。最初はアメリカ人の設定だったんですが、1本目の短編の準備中、キャスティングがまだ全然決まっていないときに、グラスゴーの映画祭で『タイディ・アップ』の上映があって私も行ったんです。そこにアンディ(アンドリュー・ドゥ)も作品を出品していて、それで出会いました。話をしたらすごい面白い方だったので「これはスコットランド人もあり得るな」と思って、日本に帰ってからアンディに連絡を取ったらOKしてくださって。
――アンディさんも映画を作っているんですね。
大川 はい、そのときはプロデューサーをやっていましたね。メインは俳優業です。
――長編で初めて登場するモリー先生役のステファニー(・トゥワイフォード・ボールドウィン)さんはどうやって選ばれたんですか?
大川 最初はモリーはティム先生の妹でスコットランド人の設定だったんですよ。だからスコットランドの女優を呼ぼうと考えていたんですけどなかなか見つからなくて、最近は日本在住の外国人タレントも多いから、日本でオーディションをやってみようかということになって、そうしたらステファニーが来て、すごく面白い人で。オーディションに思いっきり遅刻して、「場所が分からない」とテンパった電話をしてくるので、最初はプロデューサーと「彼女はないね」なんて言っていたんですけど(苦笑)。でもオーディションで“モノローグ”というひとり芝居をやってもらったらとても上手くて、別の感情でやってみてと注文を出したら、それもちゃんと自分の中で消化してできる人で。お芝居の上手さにまず惹かれ、また、私がモリー役で想像していたのはティムの妹だから茶髪の子かなと思っていたんですが、彼女はプラチナブロンドで、タトゥが入ってセクシー系で、ティムとの対比が逆に面白いなと思いました。アンディはスコットランド人だからヨーロッパの人だけれど、ステファニーはバリバリのアメリカ人で、歳も10歳ぐらい離れていて。この噛み合わない感じがなかなかいいんじゃないか?と思って(笑)。兄妹という設定も変えました。
――二人は学校の同僚なんですが、ティム先生が赴任してきたモリー先生を自分のアパートに住ませるので、危ないんじゃないのかなあ?と(笑)。
大川 (笑)。最初は「彼女じゃないか?」って疑いを持って見てほしいという思いもあるんですが、セクシーに感じさせ過ぎないようにしようって思っていましたね。設定としてはモリーが早く日本に着いたから同居することになるんですけど、男女で普通に部屋をシェアする人はいますし、そういうことをしてもおかしくないキャラだなあと。
――スコットランドが日本でなかなか認識されていないというのも面白かったです。
大川 あれはティムにまつわる鉄板ジョークで、どこの国でも笑いがすごいです(笑)。「イングランド」って言われて訂正するとか、「アメリカ人」って言われてあきらめるとか。
出演:土屋楓,清水美沙,アンドリュー・ドゥ,木村心結,眞島秀和,ステファニー・トゥワイフォード・ボールドウィン ほか
監督・脚本・編集:大川五月
プロデューサー:杉浦青 音楽:HARCO
撮影:千葉史朗 照明:上野敦年 録音:長村翔太 美術:宇山隆之 助監督:清水艶
製作:リトル・ネオン・フィルムズ 制作プロダクション協力:テトラカンパニー
特別協力:わたらせフィルムコミッション,桐生市,みどり市,公益社団法法人 桐生青年会議所
特別協賛:コトプロダクション 配給:日本出版販売 宣伝:キャットパワー ©2016 Little Neon Films
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