2020年カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション
ヨーロッパ映画祭最優秀コメディ作品賞受賞
アプローズ、アプローズ!
囚人たちの大舞台
2022年7月29日(金)より 感動のロードショー
ヒューマントラストシネマ有楽町/新宿ピカデリー他にて全国縦断公開
ワケありクセあり囚人たちが前代未聞の不条理劇に挑戦!?
カンヌが笑って泣いて絶賛した、実話を元にした感動作
何をやってもうまくいかない、人生崖っ淵俳優エチエンヌ。彼にやっとめぐってきた大仕事は、塀の中のワケありクセありならず者たちに演技を教えて更生させること!
彼はサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を演目と決め、訳あり、癖ありの囚人たちと向き合うこととなる。エチエンヌの情熱は次第に囚人たち、刑務所の管理者たちの心を動かすこととなり、難関だった刑務所の外での公演にこぎつける。彼らの芝居は観客やメディアから予想外の高評価を受け、再演に次ぐ再演を重ね、遂にはあの大劇場、パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く!果たして彼らの最終公演は観衆の歓喜の拍手の中で、感動のフィナーレを迎えることができるのだろうか?
バイプレイヤーとして俳優の実績を積む傍ら、フィリップ・リオレ監督との共同脚本作品『マドモワゼル 』や『灯台守の恋 』などで、繊細な心理描写を巧みに描写する筆致が高い評価を得ているエマニュエル・クールコルの監督第二作。ティエリー・カルポニエとの共同脚本となる本作は、1985年、スウェーデンの俳優ヤン・ジョンソンが体験した実話をベースに作られ、撮影も実在する刑務所の協力の元に行われた。
コロナ禍の中でリアル開催の中止を余儀なくされた2020年カンヌで、賞を設定しないカンヌレーベルとする公式作品に認定され、その後もフランス公開が延期されていたが、2021年9月にようやく公開されると、ボックスオフィス初登場第二位のビッグヒットを記録した。主演のカド・メラッドは、コメディアン出身の国民的人気俳優。『コーラス 』の脇役を演じて注目され、『マイ・ファミリー/遠い絆 』でセザール賞助演男優賞を受賞。2008年7月14日には当時のサルコジ大統領の招きで、コンコルド広場で開かれた軍事パレードの「世界人権宣言」前文を読み上げる栄誉ある役を努めている。
映画にとって重要な囚人役の俳優たちは、コメディフランセーズ在籍の俳優など、フランスではまだ知名度の高くない俳優を積極的に起用している。移民や難民、家族、人種、持病、トラウマなど様々なバックボーンを持つ彼らの多様性は、そのまま現代フランス社会の一つの断面を切り取っている。また囚人たちを娑婆へと連れ出すこととなる塀の外での公演が困難な中、主人公のエチエンヌの情熱だけではその実現は叶わなかった。その山を大きく動かしたのが、2人の女性であったことも、この映画の魅力の一つとなっている。
エマニュエル・クールコル監督の特別インタビュー映像
- 『ゴドーを待ちながら』という戯曲は、本当にやっかいで、それを六カ月で服役囚が劇場で上演するというだけで大冒険なのに、次々とすさまじいことが起こり、これが実話だって言うんですから、まったくもう、言葉を失います。ガツーンとやられました。――鴻上尚史さん(作家・演出家)
- 演劇は人の心を解放させる。他者を意識して初めて自分は存在する。自分の存在を認められてこそ私たちは生きることができる。生きるために必要なものを演劇を通して静かに教えてくれる。――白井晃さん(演出家・俳優)
- 自由を謳歌していると思っていた私より、囚人である彼らの方が、よっぽど精神は自由だった。それを教えてくれた『唖然のラスト』20分に、私はしたたかに打ちのめされた。私はゴドーを待つことさえしていなかったのだ……。
――池田鉄洋さん(俳優・演出・脚本家) - 緊張感と臨場感がある場面の中でもユーモラスな台詞の応酬がさりげなく心地よかったです。歩んできたことは決して消えず、歩んでいく先だけが見えない曖昧な人生のなかで人と人が交差する瞬間がこうも尊くて可笑しくて、いろんなことが仕方がないのかと、悲観的ではなく、すとんと腑に落ちるように思えました。圧巻のラストシーンは凄まじく、飾り気のない本当に素晴らしい一本でした。――ヒコロヒーさん(お笑い芸人)
- 映画の中での劇、つまり劇中劇は難しい。
自分が演じるキャラクターが、また別の人格を演じる事で、芝居が何重にも複雑化するからだ。そのバランスが巧みなのは、監督自身が俳優で、その難しさを承知しているからに他ならない。
監督の舞台に対する愛情、俳優に対する愛情が感じられ、ラストのオデオンでの公演は涙がこぼれた。――オダギリジョーさん (俳優)
- 寓話で語られる人生の不条理は、何度も謙虚にその断りを立てながら、生きることを肯定しようとしていた。過去に対する反省から思う、未来への期待は常に寓話に込められ、未来永劫、不条理を生きろと励ましているように思えた。生徒たち、囚人たちのそこに存在る美しさ、劇中劇の中で彼らは圧倒的に輝いていた。――渡辺真起子さん(俳優)
- 実話を元にした映画は楽しめないことがよくある。説明的になるからだろう。前半はそんな予感もしていた。しかし、しかし……。最後は俳優として最高の舞台とは例えばこのことを言うのだなと羨ましくも感涙しました。
――古舘寛治さん(俳優) - 「囚人たちの演劇が評判となり、彼らも社会も変化してハッピーエンド」という凡庸な紋切り型とは全く違う、自由とは何か?! という、この世相だからこそ重要な問題を突きつけてくる作品。彼らが演じるベケットの『ゴドーを待ちながら』の存在が、刑務所で「待つ」という意識に支配される囚人たちとオーバーラップする作劇の上手さ。演劇ファンに観ていただきたい!
――湯山玲子さん(著述家・プロデューサー) - 最も感動的な瞬間は、いつも想定外のところからやってくる。これぞ、名戯曲家も脚本家も書けないであろう、エキサイティングなストーリー。たとえ辿り着く先が違ったとしても、情熱のあるところに必ず物語は生まれる。
――立田敦子さん(映画ジャーナリスト) - 楽観的な「囚人の再生物語」と思っていると、足元をすくわれる。これは喜劇なのか、悲劇なのか。或いは不条理劇なのか。そして、誰にとって? 驚くべき実話は現代劇に変換され、いまを生きる人々を惑わせる。
――SYOさん(物書き)
タヴィッド・アラヤ / ラミネ・シソコ / ソフィアン・カーム / ピエール・ロッタン / ワビレ・ナビエ
アレクサンドル・メドヴェージェフ / サイド・ベンシナファ /マリナ・ハンズ(世界にひとつの金メダル)
ロラン・ストッカー(セザンヌと過ごした時間)
製作: ダニー・ブーン (ぼくの大切なともだち・俳優) 他
監督・脚本: エマニュエル・クールコル (アルゴンヌ戦の落としもの)
共同脚本: ティエリー・カルポニエ (パリ特捜刑事) 撮影: イアン・マリトー (アルゴンヌ戦の落としもの)
音楽: フレッド・アブリル (サウンド・オブ・ノイズ)
主題歌: “I Wish Knew How It Would Feel to Be Free” ニーナ・シモン
日本語字幕翻訳: 横井和子 宣伝デザイン : 内田美由紀(NORA DESIGN) 予告編監督 : 遠山慎二 (RESTA FILMS)
[ 2022年フランス映画 | 105分 | フランス語 |シネマスコープ 2.29:1 | 5.1ch | DCP・Blu-ray ]
配給 : リアリーライクフィルムズ+ インプレオ
後援: 在日フランス大使館 + アンスティチュ・フランセ日本 / UNIFRANCE
©2020 – AGAT Films & Cie – Les Productions du Ch’timi / ReallyLikeFilms - Photo ©Carole Bethuel
2022年7月29日(金)より 感動のロードショー
ヒューマントラストシネマ有楽町/新宿ピカデリー他にて全国縦断公開
- 監督:ラシド・ハミ
- 出演:カド・メラッド, サミール・ゲスミ
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- 監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
- 出演:アレクセイ・グシュコブ, メラニー・ロラン, フランソワ・ベルレアン, ドミトリー・ナザロフ, ミュウ=ミュウ
- 発売日:2010/11/4
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