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第 75回カンヌ国際映画祭 75 周年記念大賞受賞
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督最新作

トリとロキタ

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2023年3月31日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、
新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー!

INTRODUCTION

離れたくない、ただそれだけ。
少年トリと少女ロキタ、アフリカからベルギーのリエージュへ流れ着いた偽りの姉弟。新天地を目指す途中で出会ったふたりは無事に生き抜くことができるのだろうか……。

地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギー・リエージュへやってきた。トリはまだ子供だがしっかり者。十代後半のロキタはビザがないため、正規の職に就くことができない。ロキタは祖国にいる家族のために、ドラッグの運び屋をして金を稼ぐ。偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。偽造ビザを手に入れるために、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始める……。他に頼るもののないふたりの温かな絆と、それを断ち切らんとするばかりの冷たい世界。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか、それとも……。

1990 年代――『ロゼッタ amazonリンク:PrimeVideo『ロゼッタ(字幕版)』
2000 年代――『ある子供 amazonリンク:PrimeVideo『ある子供(字幕版)』
2010 年代――『少年と自転車 amazonリンク:PrimeVideo『少年と自転車(字幕版)』
各年代に傑作を生みだしてきたダルデンヌ兄弟が、2020 年代にキャリア 35 年にして到達した、シンプルかつ強靭な傑作!!

パルムドール大賞と主演女優賞を W 受賞した『ロゼッタ』以降、全作品がカンヌのコンペに出品され、世界中で 90 賞以上を獲得するという、偉業を越えて、もはや奇跡を起こし続けている監督ダルデンヌ兄弟。『トリとロキタ』では彼らの代名詞とも言える、BGM なし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇に加え、先の読めないサスペンスを極め、第 75 回カンヌ国際映画祭で 75 周年記念大賞を見事受賞している。
ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、分断が進む世界で、アフリカ、中東、ウクライナ、と祖国を追われた者はどこで安息を得られるのか。もはや対岸の火事ではなく、いま、世界が直面している、人間の尊厳の在り方を突き付ける。ダルデンヌ作品で初めて、怒りまでをもにじませ、観客の良心を震わせる。シンプルでいて、これまでにない強靭な傑作が誕生した。

COMMENTARY
  • 彼らを巻き込む社会の不条理は人間の仕業で、荒波の中でお互いを助け合おうとする心も、どこまでも人間らしい無償の愛だ。矛盾ばかりの現実に言葉を失うしかない。
    悲しみを超えた 2 人の表情が忘れられません。――仲野太賀(俳優)
  • 生きる事は かくも過酷で 切なく 尊いのか。
    サスペンス、社会性、愛の物語、全てが超一級――天童荒太(作家)
  • 映画を観た気がしません。
    始めから終わりまで俳優ではない、生の人間が現場にいるかのような現実感です。――谷川俊太郎(詩人)
  • トリとロキタ。 互いを呼び合うその美しく切実な声に胸が締めつけられる。
    安易な救いや楽観を拒絶する作り手の静かな覚悟を感じた。
    ――早川千絵(映画監督『PLAN75』)
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  • 全員正しくて、全員間違ってる。
    自分には、ただそれを見ることしか許されない。
    「ロキタ」というトリのあの叫びだけが、いつまでも耳にこびりついてる。
    ――尾崎世界観 (クリープハイプ)
  • 愛の注ぎ方は冷酷だね。
    自分や身内には容易だが、血が繋がっていない他人に同じ量は難しい。
    正直それがほとんどの人間の常だ。それでもトリとロキタのような人たちはいる。
    「そんな世界もあるんだ」で消化できない何かを焚き付けてきた。
    ――川上洋平 (Alexandros)
  • 強い絆で結ばれた偽姉弟の愛に、不条理に手を伸ばす社会の闇。
    観ている僕らにも、冷たい現実を突き付けられる。
    混沌とした時代にしっかり目を向けなければならない。
    ――磯村勇斗(俳優)
  • トリとロキタが共に走り、笑い、歌う、その全てが愛おしかった。
    誰もその時間は奪えないはずなのに、奪われてゆく。
    ダルデンヌ監督にこの映画を作らせた、「移民・難民が存在しないかのようにされている」ことへの怒りは遠い他国のことではなく、私たちのすぐ近くの日常にも深く繋がっている。必見の作品。 ――川和田恵真(映画監督『マイスモールランド』)
  • あまりに理不尽で悲惨な状況にも、深い友情で対抗し、もがき続ける二人の姿に、胸が張り裂けそうで、鑑賞後はしばらく放心状態でした。
    映画ファンだけでなく、全ての人が観るべき作品だと思います。
    ――井之脇海(俳優)
  • 手でつかめるほどの魂の昇華を感じる。
    慰めも嘆きもいらない。
    これは血の繋がらない姉弟による、小さな幸せの日々を描いた名作だ。
    ――樋口毅宏(作家)
  • 苛酷な現実の中で支え合うトリとロキタの逞しさが胸をうつ。
    どこか遠い国の話とは思えない。思ってはいけない。
    この物語の続きは、いまを生きる私たちに託されている。
    ――豊田エリー(俳優)
  • 難民ボートの上で出会った日から姉と弟になることを決め、お互いの存在だけを支えに生きているトリとロキタの姿に胸がしめつけられ、 一瞬も目を離すことができない。 ――中島京子(小説家)
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  • 愛があれば大丈夫、なんて言葉は、ダルデンヌ兄弟の映画には通用しない。
    でも、観終わった時、彼らはいつも教えてくれる、
    愛は美しいと。
    偽りの姉弟の真実の愛に、心を抉られました。――中野量太(映画監督)
  • 理不尽な世にもてあそばれる二人をスクリーンで隔てた安全な場所から見ていることに後ろめたさを感じながらも、 一瞬たりとも目をそらすことができませんでした。――城定秀夫(映画監督)
  • トリとロキタの願いはただひとつ。
    ただ一緒にいたいだけ。
    そのとき二人は本物以上に本物の姉と弟となり、真の家族となる。
    しかし、そんなささやかな幸福すら二人には許されないのか?
    形式的な善意、むき出しの暴力、そして何より私たち自身の無関心が、支えあう二人を引き離そうとする――
    ――小野正嗣(作家)
  • 自力で生きていこうとする難民の子供の過酷な生活はフィクションと思えないほど生々しく描かれています。 肉親以上に互いを頼りにする姿に心を打たれます。――ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
  • 2人の若い俳優の存在感は映像にギリシャ悲劇の力強さを与え、彼らの生の軌跡は先進国の暗い現実を隈取り、切り裂く。 これはダルデンヌ兄弟の到達点だ。――池田香代子(翻訳家)
  • 「不法滞在」「犯罪者」というレッテルをはられ、人格を剥ぎ取られて伝えられる「ニュースの中の人々」。
    映画なら、一人ひとりの命の輪郭に触れることができる。
    トリやロキタのような存在に「出会う」ことができるから。
    ――安田菜津紀(認定 NPO 法人 Dialogue for People 副代表/フォトジャーナリスト)
  • ビザを得れず、不条理な生活を強いられる移民の友人を前に何も出来ずにいた自分を追体験しているかのようなリアルな描写に圧倒された。 ぜひ多くの同世代に見てほしい。――山口由人(一般社団法人 Sustainable Game ファウンダー)
  • 現実1。弱い者がより弱い者を利用する。
    現実2。弱い者がより弱い者と支え合う。
    現実3。強い者は見えない。だが世界の構造を形作る。――望月優大(ライター)
  • 今、こうしてこの作品を観ている自分は、この中に広がっている世界と近いのだろうか、遠いのだろうか。
    そうやって計測してしまう冷徹さを問う映画でもある。――武田砂鉄(ライター)
  • これでは事実上の奴隷制ではないか。
    空想の産物であってほしいと願いながら見たが、綿密なリサーチに基づいて描かれた作品だった。
    この世に存在するであろう無数のトリとロキタを想像すると、息が苦しくなる。――想田和弘(映画作家)
  • 「二人でいられればそれで幸せ」
    恋人でも夫婦でもない二人からそんな気持ちを教えてもらい、ただただ幸せな気持ちになりました。
    トリの写真を眺めながら食事をするロキタの姿を、劇場のみなさんで抱きしめてあげて欲しいです。――マキヒロチ(漫画家)
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CREDIT
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:パブロ・シルズ,ジョエリー・ムブンドゥ,アウバン・ウカイ,ティヒメン・フーファールツ,
シャルロット・デ・ブライネ,ナデージュ・エドラオゴ,マルク・ジンガ
2022 年/ベルギー=フランス/カラー/89 分/Tori et Lokita 配給:ビターズ・エンド
©LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM - FRANCE 2 CINÉMA - VOO et Be tv – PROXIMUS - RTBF(Télévision belge)

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2023/03/26/17:54 | トラックバック (0)
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