インタビュー
今井雅之監督

今井 雅之(映画監督・俳優)

  • 映画『The Winds Of God-Kamikaze』について

8月26日よりシネ・リーブル池袋他で公開

公式サイト: http://winds-movie.com/

今井 雅之(映画監督・俳優) 1961年4月21日、兵庫県豊岡市生まれ。 高校卒業後に陸上自衛隊に入隊、戦車隊に配属。退官し、大学卒業後に、86年に奈良橋陽子演出の「MONKEY」にて舞台デビューを飾る。88年より上演の脚本・演出・主演の「THE WINDS OF GOD」で92年度文化庁主催芸術祭賞を授賞。「ウォータームーン」(89)で映画デビュー後は、多くの映画やテレビドラマに出演する。受賞伊丹十三監督の「静かな生活」(96)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞候補になる。

<ストーリー>
現代のニューヨーク。ドイツ系白人のマイクとアメリカ人と日本人のハーフのキンタは売れないお笑い漫才コンビである。コメディアンとして成功を夢みる二人だったが、8月1日、ついにライブハウスをクビになってしまう。その直後、オートバイに乗っていた二人はトラックとの交通事故に遭う。2人が意識を取り戻すと、 そこは第二次世界大戦末期の敗色濃厚の1945年8月1日の日本であった。しかも2人は神風特攻隊に所属する前世の姿になっていたのだ……。

世界中で公演されてきた舞台「The Winds Of God」が、原作者の今井雅之氏の監督・原作・脚本・主演で映画化された。95年に一度映画化されているが、 今回の映画化では全編英語であることが大きな話題をよんでいる。K-1で知られる格闘家のニコラス・ペタスや最近では「キル・ビル」(03)や「ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT」(06)などのハリウッド映画への出演で知られる千葉真一などの豪華な出演陣も見所になっている。先日、 東京公演の舞台を新宿で観劇させていただいたが、漫才のシーンではボクシングの亀田兄弟の時事ネタで大きな笑いをとり、最後には大入りの観客がスタンディング・オベーションで拍手で終える盛況ぶりであった。 その今井雅之氏に今作にかける思いをうかがった。

 

――映画は現場の気迫が映り込むものですが、今回の作品にはそのことを感じました。

今井雅之監督今井 そう言っていただいて嬉しいです。アメリカ映画だったら、50億円はかかる映画でしょうが、映画の規模に関して予算が少なかったので、その気迫が映り込んだのだと思います。自衛隊出身なので、戦争映画を観ると疑問に思うことが多いんです。

――具体的にはどのようなことでしょうか?

今井 服装が似合っていないことが、まず多いですね。後、上官と話すときの目線もなっていないことが、よくあります。監督として、これらの点は今作ではしっかりしたかったので、出演者には自衛隊に5日間の体験入隊してもらいました。アメリカ映画では普通のことで、スピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」などでも撮影前に行っていることですが、日本映画では、まだまだ少ないんです。自衛隊にいたときの知り合いの富士山近くの部隊に体験入隊して厳しくやってもらいました。その後も撮影中は毎日10kmマラソンを行い、気絶者が出るほどでした。軍隊の不条理を分かってほしかったので、ミスがあったら腕立てふせの100回も命じました。その成果は映画に出ていると思います。

――特攻隊に興味をもったきっかけは何だったのでしょうか?

今井 学校の授業で教わり、何て恐ろしいことだと思いましたが、興味も持ちました。調べていくうちに、特攻隊にいた若者は特別な人だったわけではなく、 普通の人だったことがわかり、この人達を美化することなく等身大に描きたいと思ったんです。

――95年に映画化されている題材を、再度、自らの監督で全編を英語の台詞で、今回の映画化しようと思ったのはなぜでしょうか?

今井 ほぼ毎年上演してきた舞台は、海外も含めて公演して特攻隊員の本当の気持ちを伝える役割は果たしたと思ったのと、スポンサーの問題もあって2001年の9月の沖縄公演で終わりにしたんです。そして、9月10日に打ち上げを行って、翌日は海岸で一人で沈んだ気持ちで物思いにふけっていたんです。そしてホテルに帰ってテレビをつけたら、画面に9.11のニューヨークのワールド・トレード・センタービルへのテロが映し出されたんです。 とてもショックをうけましたが、それ以上にショックだったのが「ワシントン・ポスト」のトップ記事の見出しに、こともあろうに「KAMIKAZE ATTACK!」の文字が出たんです。ニューヨークやロサンゼルス、 ハワイまで自分は公演してきたのに何の効果もなかったのか・・・・・? アメリカの人達は、まだ神風=特攻隊を誤解していると思って、世界中の人々に分かるように英語での映画化及び4年ぶりの舞台の再演に踏み切ることにしたんです。そして、現代の日本では親子の関係も大きいんです。「いらない人を消して人生をリセットしたかった」との理由で短絡的に親が子を殺す、子が親を殺す時代です。親子はお互いにかけがえのないはずです。今も根本的なことは変わっていないと思います。だから、この映画のテーマは今の人たちにも届くはずだと思ったんです。

――去年の9月10日にテレビ朝日系列でドラマ版「零のかなたへ~THE WINDS OF GOD~」(05:出演:山口智充、森田剛など)が放送されたのも、そういう経緯があったんですね。

今井 そうですね。多くのメディアで、より多くの人に伝えたいと思ったんです。

――既に「SUPPINぶるうす/ザ・ムービー」(03)の監督作もありますが、今後作ってみたい作品はありますか?

今井 自分のイメージと180度違うかもしれないですが、 小津安二郎監督の「東京物語」が大好きなんです。シンプルなストーリーの中に息づく情感が素晴らしい、 あのような作品を監督してみたいですね。また、続編までの「ゴッドファーザー」も大好きなので、「ゴッドファーザー」の正統的な日本版のような映画も監督してみたいと思っています。

取材/文:わたなべりんたろう

2006/08/25/10:36 | BBS | トラックバック (0)
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