寺本麻衣子/PROFILE

広島生まれ。
文章書き修行中。

好きな映画:『突然炎のごとく』『あの夏、いちばん静かな海』
好きな監督:蔡明亮、ペドロ・アルモドバル
好きな俳優:リシャール・ボーランジェ、ジャンヌ・モロー、もたいまさこ
好きな評論家:淀川長治

過去記事一覧

レビュー:抱擁のかけら

『アルモドバルが見せる三つの「愛」』 / 「愛」という言葉を使うのが、私はどうも恥ずかしい。けれど困ったことに映画の宣伝や粗筋や批評には「愛」が大安売り状態で飛び交っていて、見かけるたび正直照れる。日常では滅多に使わないし、そもそも「愛」って言葉はやたらに使っていいものなのか?とはいえ、そんな私でも迷わず「愛」という言葉を使いたくなる時がある。ペドロ・アルモドバルの映画のことを思う時だ。エキセントリックな登場人物たち、倒錯... 続きを読む

2010/02/11/15:21 | トラックバック (13)

新春特別企画・2009年マイベストムービー【2/2】

新春特別企画・2009年マイベストムービー後半(寺本麻衣子/夏目深雪/藤澤貞彦/古川徹/若木康輔) 続きを読む

2010/01/16/12:00 | トラックバック (1)

レビュー:ドゥーニャとデイジー

『二人の女の子が旅の果てに組み立てる、人生というパズル』 / ピンクにゴールド、花に蝶にキラキラ。考えうる限りのかわいいものが一杯の部屋の中を、あちこちに隠されたスタッフクレジットを辿りながら探検する。そんなオープニングからして、女子のハートを鷲掴み。「ドゥーニャとデイジー」はオランダ・ベルギー合作映画で、ヒロインはモロッコ人とオランダ人。何もかもが日本からかけ離れているのに、この映像を見ていると国が違っても女の子の好きなもの... 続きを読む

2009/10/20/02:30 | トラックバック (0)

レビュー:14才のハラワタ

『“かつて14才だった人たち”のための物語』 / トコトコ、テトテト、ブカブカ。「14才のハラワタ」(09)を見終わって心に残ったのは、ハラワタなんていうドロドロした言葉とは裏腹の、ゆったりとしてあたたかい、それでいてちょっと変わったリズムだった。14才の内臓か過激な実態でも見られるかと期待している人には申し訳ないが、この映画にそういうものは出てこない。確かに14才のハラワタ=心の内を少し覗くことはできるけれど、その描き方は生々しくも赤裸々で... 続きを読む

2009/09/30/17:59 | トラックバック (0)

ノーボーイズ,ノークライ

『友情でも愛情でもない、名付けられない絆の物語』 / ファンタジーと現実の狭間を自在に行き来しながらも、現実をあぶりだす巧みさ。夢と現実、切ない愛情と生々しい性、純粋さと狡さといった、相反する要素が同居する世界。脚本家・渡辺あやには「ジョゼと虎と魚たち」(03)でその魅力にガツンとやられて以来、新作を心待ちにしている。「メゾン・ド・ヒミコ」(05)では奇抜な設定の中で光る生身を感じる科白が、「天然コケッコー」(07)では原作... 続きを読む

2009/08/22/09:29 | トラックバック (3)

真夏の夜の夢

『「ナビィの恋」よりも深く描かれた沖縄の心』 / 沖縄好きを公言し何度も訪れる人たちを、私は不思議な気持ちで眺めていた。そのくせ、4年前に初めて行って見事にはまった。以来、沖縄本島や八重山の離島に年に1度は行っている。こんなに繰り返し旅行に行く場所は他にない。今ではすっかり「なぜ沖縄が好きなの?」と聞かれる立場だ。数時間飛行機に乗るだけで行くことができる異文化世界、しかも美味しくて美しくてあたたかい。私がぼんやりしら... 続きを読む

2009/07/23/14:18 | トラックバック (0)

サンシャイン・クリーニング

『足踏みしている人生に効く映画。』 / もう、それほど若くない。仕事もぱっとしない。恋愛だっていまひとつ。周りの人の方が幸せそうに見える。イケてない現状に納得していないけれど、だからといってどうすればいいのか分からない。「サンシャイン・クリーニング」(09)は、そんな“人生に足踏みしている人”に特にオススメしたい映画だ。この映画は「リトル・ミス・サンシャイン」(06)のプロデューサーたちが制作したもの、と聞けば... 続きを読む

2009/07/10/12:42 | トラックバック (4)

ディア・ドクター

『「田舎の医師の物語」が暴くもの』 / (ネタバレあり!) 西川美和監督の話を、間近で聞いたことがある。「ゆれる」(06)公開前の記者会見だったのだが、その時監督にちょっと惚れた。美人だから、だけではない。それまでも美人という枕詞付きで散々騒がれてきただろうに、そんなことにまるで頼っていない媚びない雰囲気、映画へのあふれる情熱、そして自作に限らず映画界全体を俯瞰している視野の広さが格好よかった。オリジナル脚本にこだわると... 続きを読む

2009/06/26/20:33 | トラックバック (2)

フィッシュストーリー

『本当に深刻なことは、陽気に伝えてほしい』 / 伊坂幸太郎に手を出すな。前々からそう思っていた。伊坂幸太郎の小説は、どれも面白く、どれも魅力的で、しかも売れている。映画にしたいと思う人が多くいるであろうことは、容易に想像がつく。けれど、そう簡単に手を出さないでほしい。伊坂幸太郎の小説は、小説だからこそ面白いのだ。ストーリーの面白さや、作品どうしのつながり、凝った構成なども確かに伊坂幸太郎の良さだ。でも、それだけ... 続きを読む

2009/05/11/17:20 | トラックバック (9)

ミーシャ ホロコーストと白い狼

『傷つき汚れ強くなっていく少女のサバイバルに、託された願い』 / 第二次世界大戦中のベルギー。首都ブリュッセルで両親と暮らすユダヤ人の少女ミーシャは、ナチス・ドイツの占領下で窮屈な生活を強いられていた。ナチスへの幼い敵意を剥き出しにし、自由に過ごせない毎日に不満を訴えるミーシャ。そんな子どもらしい行動にハラハラさせられる... 続きを読む

2009/04/29/06:10 | トラックバック (0)

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