村本 天志

夕方電車で新宿から下北沢に戻る時。

進行方向に向かってドアの右側に立つ。

まるで初めてのように街の風景が流れて少なからず驚いてしまう。
代々木八幡から代々木上原までの街並みはなんだか知らない街みたいに見えた。

小田急線と千代田線がビックリするほど近づく一瞬があるのだけれど、
何十メートルか２つの電車は並んで走る。
千代田線に乗ってる人と目が合い気まずい空気があり、
やがてすぐ電車は大きく離れていく。
これが何ともいいのだ。

もし別れた恋人が千代田線にいたら、なんとドラマチックなシーンになることだろう。

日常は風景に溶け込んでいるから、
改めて見直してみるといろんな気づきがある。

電車に揺られるだけで、こんな素敵な事に出会えるのだから。

ムラモト☆☆タイシ