40 超いんらん やればやるほどいい気持ち(池島ゆたか)……… | 特別寄稿 池島ゆたか監督 |
41 鍵穴 和服妻飼育覗き(深町章) | |
42 わいせつステージ 何度もつっこんで(後藤大輔)………… | 柴 晶子 |
ピンク創世記 | 70年代黄金期 |
80年代ニューウェーブ |
四天王と90年代 |
ピンク七福神 |
大蔵ヌーヴェルバーグ/00年代ニューウェーヴ | ウェイルメイド作家たち |
◆加藤義一監督インタビュー
2月28日(土)より3月20日(金)まで、
シアターイメージフォーラムにて開催!
超いんらん やればやるほどいい気持ち ( 2008年/新東宝/62分 )
監督:池島ゆたか 脚本:後藤大輔 出演:牧村耕次、日高ゆりあ、倖田李梨、青山えりなこの映画は一言で言うと「奇跡」の映画だ。映画って小さな奇跡がいくつも重なって「映画」になっていくと思うのだが、特にこの作品では強くそう思った。例えば、天候。いつもいつも晴れてくれと祈るような気持ちでいるのだが、それが雨になったらどうするか?
この時は珍しく四日のスケジュールを組んでいた。いつもは三日だ。なぜに四日で組めたか? 実は06年のピンク大賞で監督賞をいただき、その賞品で生フィルム20本を富士フィルムさんから贈呈された。つまり、フィルム代が丸々浮く。よし、久しぶりに四日でやるか!となったのだ(これも小さな奇跡)。
撮影二日目は朝から日没まで海でのロケの予定だった。作品中、最も重要なシークエンスだ。ところが朝から雨。決断した。今日は撮休。四日目に賭けようと。
四日目。朝から見事なピーカン。最高のコンディションで海でのロケ終了。夜になり、東京にもどるや、本来の四日目のスケジュールをこなしだす。二日分のスケジュールをその日一日にまとめているのだ。終了。翌朝七時。24時間ノンストップで走れた。二日目、体を休めることが出来たのでムリがきいたのだ。神様が仕組んでくれたと思った。
スタジオから外へ出た。その朝もさわやかな青空が広がっていた。最高にいい気分の撮了の瞬間だった。神様、ありがとう……と思った。
わいせつステージ 何度もつっこんで ( 2005年/国映・新東宝/63分 )
監督・脚本:後藤大輔 出演:向夏、小滝正太、川瀬陽太、望月梨央売れない芸人・ダイスケのもとにファンだと名乗る若い女・ヒカリが現れる。盲目の彼女は、彼の弟子(長身)をダイスケだと思い込み、身長に悩むダイスケはヒカリの勘違いを正せない。さらには弟子もヒカリに好意を寄せたことで、事態は妙な方向にこじれていく。…という展開は完全に古典的な純愛ラブコメだが、この題材を性愛をあからさまに描くピンク映画というジャンルで調理することで、不思議とその純愛度が増しているのがすごい。ヒカリが勘違いをしたまま弟子の男と寝てしまうときの、傍らで苦悶するダイスケのコミカルかつ残酷な哀しさ、ダイスケとヒカリとの最初で最後の交合の切なさといったら、そこらの月9ドラマよりよっぽど胸キュンだ。
ダイスケの芸はなんと腹話術で、その唐突な設定にはやや面食らう。しかし、彼の元妻が「腹話術なんて、ジャンル自体が終わってんのよ」と吐き捨てるように言うとき、または弟子が早々と芸に見切りをつけ、小屋の女主人とデキた挙句に小屋を潰そうとするとき、そしてそれにもかかわらず、ダイスケが腹話術に執念を燃やし続けるとき、この映画は、ピンク映画の置かれた状況を自嘲しながらも、しかしこの場にとどまり続けるという監督の決意表明のようにも見えてくる。
ダイスケ役の小滝正太の見事な昭和の芸人ヅラも素晴らしい。
ピンク創世記 | 70年代黄金期 |
80年代ニューウェーブ |
四天王と90年代 |
ピンク七福神 |
大蔵ヌーヴェルバーグ/00年代ニューウェーヴ | ウェイルメイド作家たち |
◆加藤義一監督インタビュー
チケット
- 前売り券: 1,200円【劇場窓口、チケットぴあ [Pコード:460-542]】
- 当日料金:一般 1,400円/シニア・会員 1,000円
- リピーター割引あり(チケットの半券提示で一般料金より200円引き)
- 整理券制/各回定員入替制
2月28日(土)より3月20日(金)まで、
シアターイメージフォーラムにて開催!
TRACKBACK URL: