特集:「WE ARE THE PINK SCHOOL!日本性愛映画史1965-2008」
四天王と90年代
23 アブノーマル 陰虐(佐藤寿保)
24 アナーキー・インじゃぱんすけ 見られてイク女(瀬々敬久)……… オギミユキ
モルモット吉田
25 不倫日記 濡れたままもう一度(サトウトシキ)
26 変態テレフォンONANIE(佐野和宏)……………………………… オギミユキ
27 あなたがすきです、だいすきです(大木裕之)…………………… 小林 泰賢

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2月28日(土)より3月20日(金)まで、
シアターイメージフォーラムにて開催!

2月28日(土)、3月1日(日)、3日(火)

アブノーマル 陰虐 ( 1988年/新東宝/64分 )

監督:佐藤寿保 脚本:夢野史郎 出演:伊藤清美、小野幸生、風見怜香、佐野和宏

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2月28日(土)、3月1日(日)、4日(水)、6日(金)

アナーキー・インじゃぱんすけ 見られてイク女( 1999年/国映/68分 )

監督・脚本:瀬々敬久 出演:佐野和宏、佐々木ユメカ、下元史朗、諏訪太朗

差社会の底辺に落っこちた、負け犬中年三人組と薄幸な風俗嬢、彼女の息子が幸せを目指す。
アメリカ映画にも出てきそうな陽気な登場人物、クールな音楽とカッコいいモノローグ、疾走感あふれるカメラワーク。そんなもので我々を興奮させておいて、この映画は見ている我々ごと、その陽気な彼らを不幸のどん底にたたき込む。バカな負け犬は結局バカな負け犬であり、薄幸な女は薄幸なまま死に、可愛かった子供は主人公の世代以上に甘えくさった負け犬に成長する。人生に奇跡の大逆転なんて起こらない。明るく陽気に残酷に、映画はそう宣言する。
だけど、何度繰り返したってうまくいかないかもしれない負け犬たちの人生を、それでも優しく肯定しているように思えるのは、不思議な余韻残るラストシーンのせいだろう。それはもしかしたら負け犬が最期に見ている幻にすぎないのかもしれないけれど、その瞬間私たちは儚い幸福感に満たされる。アホで間抜けで下品な彼らを愛おしみ、いま一度、その生き様を最初から見てみたい気分にさせられるのだ。
スピード感溢れる演出も、ピンク映画のエース級がそろったキャストも魅力的。ピンク四天王時代に一番クールでカッコいい、掛け値なしの傑作である。

( オギミユキ )


ん坊をさらって育て始めた女と、やがて同棲することになる男、そしてその男の仲間たち。それがこの映画の世界すべてだ。何の変哲もない、どうしようもない人間だらけに見えるこの世界が瀬々敬久の手にかかるや、たまらなく愛おしい世界に塗り替えられてしまう。  冒頭の一本道を大木に向かって疾走するショットに、佐野和宏のナレーション「人生には最高と最低が同時にやってくる」が響いた瞬間、スクリーンの中に溶け込んでしまいたい欲求に駆られる。佐野和宏、下元史郎、諏訪太朗という三人の組み合わせも最高だ。大島渚の映画で言えば、佐藤慶、渡辺文雄、戸浦六宏が並んでいるようなものだ。並んでいるだけで興奮させる「顔」を持ったオッサンがいる。日本映画のメジャーではお目にかかれない、ピンク映画でしか観ることが出来ない異形の顔の並びだ。  子供をさらった女は呆気なく死ぬ。大木に車をぶつけてだ。佐野が子供を育てる。時間が過ぎる。皆老けていく。子供は成長し、自分がさらわれたガキだと認識する。その先に訪れる展開は、神話だ。そう、これは一本の大木をめぐって展開する神話なのだ。観客は、ただ恍惚とした表情でスクリーンを見つめることになるだろう。

( モルモット吉田 )

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3月15日(日)、17日(火)、19日(木)

不倫日記 濡れたままもう一度 ( 1996年/国映/59分 )

監督:サトウトシキ 脚本:小林政広 出演:葉月螢、佐野和宏、伊藤猛、泉由紀子、小林節彦

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3月14日(土)、16日(月)、18日(水)、19日(木)

変態テレフォンONANIE ( 1993年/国映/60分 )

監督・脚本:佐野和宏 出演:佐野和宏、岸加奈子、梶野考、高木杏子

野和宏はおっかない。顔も声もおっかない。しかし同時に大変カッコいい。シャープな目つきに野卑さと渋さを纏わせていて、チョイ悪なんて甘いものではない、悪すぎる魅力たっぷりのおじさまだ。そんな彼が映画に現れると、とたんに作品に緊張感が生まれる。ピンク映画では、欠かせない名俳優である。そのおっかなくもカッコいい風貌の佐野和宏が監督として映画を撮ると、これが大変にみずみずしく、不思議なほど心優しい作品をつくったりするので、なんだかびっくりしてしまう。
この「変態テレフォンONANIE」で彼が描いているのは、得体の知れない体制や秩序によって潰されてゆくはかなくうつくしい感性たちであり、それに非力ながら抗おうとする感性たちへの応援歌でもある。全編漂うセンチメンタルな叙情は若者の自主制作映画にも似ている。仄かに涙さえ誘われるかもしれない。
この映画を劇場でご覧になった方は、ぜひDVDでももう一度見てほしい。そして特典での佐野和宏監督のインタビューを見て頂きたい。煙草を鬼のように吸いながら自由気ままに喋りまくる彼の様子はやっぱりおっかないが、彼の語る言葉はどれも大変マジメで誠実で、とってもステキなのだ。

( オギミユキ )

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3月1日(日)、3日(火)、5日(金)

あなたがすきです、だいすきです ( 1994年/ENK/58分 )

監督・脚本:大木裕之 出演: CHANO、渋谷和則、北風久則、田中要次

業枠の映画製作はほとんど未経験であったろう大木裕之監督が、それまでの8mm、16mm、ビデオ作品での自分のスタイルを崩すことなくゲイ・ピンク映画を作ったという奇跡的な作品。もちろんこの地点で大木はアート系のゲイ作家としてすでに名前を知られていた。人物や都市空間を愛情あふれる凝視でとらえるその映像は、特別ストーリーを必要としないが、この映画ではラフスケッチのような、カップルの片割れが他の人に一目ぼれするという簡単なストーリーをもとに、大木監督が当時から活動の拠点としていた高知の町をスケッチする。劇映画としては決してうまくはない描写も、劇映画に極端に寄り添うようなことはしないせいか、すべてがなまめかしくエロティックに見える。手持ちカメラの多様、非シンクロであろう同録がとらえる町の音、フィルム尻の露出オーバー分部の使用や唐突な街頭での少年たちへのラフなインタビューなどが招き入れるノイズは、実験というよりも映像の本来持つべきエロスをそのものだ。

( 小林 泰賢 )

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チケット

  • 前売り券: 1,200円【劇場窓口、チケットぴあ [Pコード:460-542]】
  • 当日料金:一般 1,400円/シニア・会員 1,000円
  • リピーター割引あり(チケットの半券提示で一般料金より200円引き)
  • 整理券制/各回定員入替制
http://pinkschool.cocolog-nifty.com/

2月28日(土)より3月20日(金)まで、
シアターイメージフォーラムにて開催!

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2009/02/28/06:18 | BBS | トラックバック (0)
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