新作情報
2008年 トロント国際映画祭正式出品作品

スワップ・スワップ
~伝説のセックスクラブ~

そこは、誰もが極上のシアワセを味わえる35$のユートピア
1977年、ニューヨーク。夢のセックスクラブを実現させた男の生き様と
スワッピング文化の栄華と衰退を赤裸々に描くドキュメンタリー

● こんなユートピアは
もう二度とないかもしれない。
町山智浩(映画評論家)
● サイコーな出来事と
そのリスクを超えた人たちの表情は
なんてアッパレなんだろう、と
痛感させられるホントの話。
松江哲明(映画監督
『童貞。をプロデュース』『あんにょん由美香』
● 世の中にはホント、えげつないこと考えつく奴と、やる奴がおります。
それをうらやましく思うオレのような奴もみな、地獄行きです。
みうらじゅん(イラストレーターなど)

シネマート新宿にて10月17日(土)よりレイトショー

INTRODUCTION

『スワップ・スワップ』11977年、不況や治安の悪化によりニューヨークはどん底状態にあった。ところが、市が財政崩壊の危機に直面しているさなか、夜の世界を彩るナイトクラブは空前の盛り上がりを見せていた。入場チェックが厳しいことで有名なミッドタウンのディスコ「スタジオ 54」には、コカインでハイになったセレブが集まり、ダウンタウンのライブハウス「CBGB」に集まるパンクロッカーたちは、ポップカルチャーを敵視して社会に対する不満や怒りをぶちまけていた。そして、保守的なアッパー・ウエスト・サイドの芸術的建造物「アンソニア」の地下にあるナイトクラブ「プレイトーズ・リトリート(プラトンの隠れ家)」には、ごく普通のカップルたちが集い、ダンスフロアーで踊り、プールで泳ぎ、そして・・・見知らぬ相手とのフリーセックスを楽しんでいた。

この革命的なナイトクラブは、この店のオーナー、ラリー・レビンソン独自の発想から火がついた。「プレイトーズ・リトリート」は、個人的な快楽を求める自己中心的な世代に支持され、公然とセックスを楽しめる場として急速にその名が知れわたっていく。それまでのフリーセックスは秘密裏で行われ、魅力あふれる富裕層の娯楽とでもいうべき位置づけだった。ところが、「プレイトーズ・リトリート」は階層に縛られることなく、どんな人でも歓迎したのだ。カップルたちはたったの35ドルで、この“裸の楽園”に足を踏み入れ、その実情を目にした上で参加するかどうか決めることができた。店の内部では、映画俳優がOLたちといちゃつく中、初めてフリーセックスに目覚めた客たちがバスドライバーの目の前で事に及ぶ、といった光景が繰り広げられていた。ラリーやそこに集う者たちにとって、「プレイトーズ・リトリート」はユートピアだった。中には、「タイムマシーンのように忘却のかなたへ連れ去ってくれる場所だった」と言う者もいる。

『スワップ・スワップ~伝説のセックスクラブ~』は、当時、「プレイトーズ・リトリート」へ客として出入りしていた人々、従業員、ラリーの家族の独占インタビューと、これまで誰も目にしたことがない数々の驚くべき映像で構成されている。このドキュメンタリー映画は、その多くが闇に包まれていたセックス・クラブの裏側を、スクリーン上に余すことなく描き出した初めての作品である。

MESSAGE

マシュー・カウフマン(監督/製作)

『スワップ・スワップ』2この映画に、どんな人達を出演させてるかって?
撮影を始めたばかりの頃、ニュージャージー南部でインタビューをしたんだ。その撮影の直後、インタビューの相手が「ストリップショーを披露するから見ていけ」と半ば強引にぼくらを誘った。そのショーの“ダンサー”は、既に中年に差しかかっている彼の愛人。彼は、地下室にストリップ専用のポールまで作ってたんだ。ぼくはスタッフとその周りに座って、ドーナツをほおばり、コーヒーを飲みながら観賞させてもらった。“あんな方法で葉巻を吹かす”艶かしい姿も、まるで本当のショーみたいで、これは最高にぶっとんだネタだと思ったよ!絶対、映画には使えないんだけどね。

膨大な時間を割いて電話インタビューを行い、数々の仰天話を「プレイトーズ・リトリート」の客から聞いたけど、いざ出演を依頼すると、そっけなく断られるばかりだった。初期の段階からぼくらは、登場人物の顔を黒く塗り潰したり、声に特殊加工を施したりはしないと決めていたんだ。その時代を生きた人々が、面と向かって真実を語る姿を撮るのが目的だったからね。

インタビューした人々の中には、年老いた往年のポルノスターや現役の人気ポルノスター、性を研究している学者、ゴシップだらけのニューヨーク・セレブ、受賞暦のある話題の作家、そして単に女性に馬乗りになるのが趣味の男もいた。出会った人たち全員がネタになる話を持っていた。もちろん、あのグリッポ夫妻(この2人は後に「プラトン」の共同経営者となり、店に住み着いた)も、以前と変わらず夫婦として登場する。この夫妻のインタビューは、ヘリコプターでアトランティックシティー(ラスベガスと並びカジノで有名な町)へ招待するという約束のもと実現したんだ。彼らは、最終的に5時間に及ぶインタビューに応じてくれた。約束したヘリコプターの旅は、いまだ実現していないけどね。

ぼくらはフロリダへ飛び、生き残っていたスウィング・クラブ「プレイトーズ・リピート」(「プレイトーズ・リトリート」と似通ったネーミングだけど・・・)にも足を運んだ。そこで「プラトンの隠れ家」の前共同経営者だった奥さんの方がバイアグラをくれてね。そしたら、ルーベンスの絵に描かれているようなポッチャリ美人に言い寄られたんだ。だけど、丁重にお断りしたよ。後で後悔したけどね。

インタビューを通して、ぼくは “マットレス・ルーム” のにおいをかぎ、そこにいるスウィンガー(フリーセックスに興じる人)のきらきら輝く瞳に、突如火花が散る様子を目にしてきた。「プレイトーズ・リトリート」はワイルドでエネルギッシュな場所だったんだ。実際にその姿を見ることができず、たまらなく残念でならない。3年半の歳月をかけ、一生分の貯金をつぎ込んだ本作品がついに日の目を見ることになり、その喜びをかみしめている。

ジョン・ハート(監督/製作)

『スワップ・スワップ』3「プレイトーズ・リトリート」について初めて知ったのは、ぼくがまだ中学生の頃のことだ。その日は数人のクラスメートと泊りがけで夜を楽しんでいた。ぼくらはテレビでこっそりアダルト番組の放送を見ていた。記憶に焼きついているのは、あるコマーシャルの中で流れた、裸同然のカップルが巨大なスイミングプールではしゃいでいるシーン。ぼくの家からほんの数ブロック先にあんな場所があるなんて、とても信じられなかった。

成長して記者になったぼくは、「プラトン」の前オーナー、ラリー・レビンソンがニューヨークでタクシー運転手をしているという情報をつかんだ。真っ先に思い浮かんだのが、あのTVコマーシャルだった。そして、「『プレイトーズ・リトリート』に一体何が起ったのだろう?」、「『プレイトーズ・リトリート』に入り浸っていた客たちはどうしているのだろう?」と気になった。

ぼくはラリーを探し出し、クリスマス直前の底冷えがする、どんよりと曇ったある午後、ウェスト・ビレッジで落ち合った。彼のタクシーの後部座席に乗り込み、会話を録音するためレコーダーを取り出した。ラリーは太っていて、いやにマジメくさった様子だった。でも、彼の栄光の日々について質問を始めると、運転しながらも高揚していくのが伝わってきた。「落ちぶれたもんだ」と笑い、「でも、みんなイイやつだった」と言った。低くがさついた声で悪名高いクラブの内情を語り、ぼくを大いにもてなしてくれた。彼は一時期「キング・オブ・スウィング」と呼ばれ伝説的存在だったそうだ。そんな彼が、イースト・サイドに向けてセントラルパークの中を走り抜けながら、息子さんと喧嘩別れしたことを語った時には目に涙をためていた。ぼくは彼の話に夢中になり、もっとよく知りたい、いや、全てを知りたいと願った。彼とインタビューを重ね、そのテープは数百時間を越えるものとなった。あれから4年間、ラリーが大掛かりな心臓バイパス手術の末に他界するまで、彼とぼくが話をしなかった日は一日もない。ぼくにとって彼は、取材対象でもあったけれど、何よりもまず友人だったんだ。

ラリーはこの世を去った。でも彼は忘れられたわけじゃない。ラリーと初めてタクシーの中で会ってから、ぼくは過去に「プレイトーズ・リトリート」の客だった何百人もの人々にインタビューした。数え切れない時間をかけて、ラリーの成功と失敗を分析したりもした。そして、『ニューヨーク・タイムス』と『ヴィレッジ・ボイス』に掲載するため、ラリーと「プレイトーズ・リトリート」についての記事を書いた。だけど、常に感じていたのは、この話は映画にするべき物語だということだった。そんな時、エグゼクティブ・プロデューサーのジョアナ・ヴィンセントと、その高校時代からの友人ジェイソン・クリオットがバックアップを申し出てくれて、映画化が実現することになったんだ。眠っている情報はないか、インタビューに協力してくれる人がいないか、全米中を駆け巡りくまなく探したよ。ぞんざいな扱いを受けたこともあったけど、たくさんの人が自ら名乗り出て、ぼくらを家に招待して秘密を打ち明けてくれたんだ。時間をかけて取り組んだ徹底的なリサーチの結果、「プレイトーズ・リトリート」の物語を公開できる日がやってきた。とにかく楽しんで欲しい。

C R E D I T

監督 & 製作:マシュー・カウフマン,ジョン・ハート 原案:ジョン・ハート
プロデューサー:グレッチェン・マッゴーワン,クリスチャン・ホーグランド
編集:キース・リーマー 撮影監督:クリスチャン・ホーグランド 音楽:マーク・モリス

2008年/アメリカ/ビスタサイズ/カラー/80分
(C)2008 HDNet Films,LLC.
配給:クロックワークス  宣伝:デイライト

シネマート新宿にて10月17日(土)よりレイトショー

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  • 監督: ビル・コンドン
  • 出演: リーアム・ニーソン, ローラ・リニー, クリス・オドネル,
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2009/09/04/10:36 | トラックバック (0)
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