西原 孝至 (監督) × 岩瀬 亮 (俳優)
映画『シスターフッド』について【5/6】
2019年3月1日(金)よりアップリンク渋谷にて公開中、全国順次公開
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西原 遠藤さんと仲がいいんです。「友人とフリーでしゃべっているような画を撮りたい」と言ったらSUMIREさんの名前があがりました。
岩瀬 このシーンはいつ撮影したんですか?
西原 2017年ですね。脚本なしで、今悩んでいることだとかをフリーでしゃべってもらった感じで。SUMIREさんは『リバーズ・エッジ』(18)だとかで女優の活動をする少し前になるのかな。出ていただけてありがたかったです。小さな映画なんですけどね。
――岩瀬さんが兎丸さんなどにインタビューするシーンでは、実際に向き合って話を聞いているんですか?
岩瀬 聞いてます。兎丸さんの話を聞きながら、僕は泣きそうになりました。カメラの前でああいうふうに話すってなかなかできないですよ。
西原 インタビューのシーンは女性たちに質問だけあらかじめ伝えておいて、岩瀬さんにカメラを回しながらその質問を訊いてもらったんですけど、僕も彼女たちが何をしゃべるか全然わかっていなかったです。兎丸さんはすごく考えてきてくれていたみたいで、ああいう話になるとは思いませんでした。
――本当に素敵な人だなと思いました。逆に、映画の冒頭には池田がインタビューを受けるシーンがありましたが、作品についてなかなか厳しいことを言われていましたね(笑)。監督にもこういう経験があるのですか?
西原 あそこまではさすがに言われませんけど、まあでもあれもしょうがないというか。作品を説明するというのが僕は苦手なんです。映画として作ったものを言葉で説明するのはすごく難しいところがあって。でも例えばドキュメンタリーを撮ると、当然なんですけど「テーマは何か?」とか訊かれて、いろいろ考えて話すんですけど、それが果たして合っているのかな?と自分でもよくわからなくなるときがあって。その戸惑いみたいなものを岩瀬さんに演じてもらいました。
岩瀬 でも池田が監督の投影だという話は全然なかったですよね。
西原 撮影しているときは、そういうことは特に伝えてはいなかったですね。僕と違うところももちろんありますから、「この役に僕を投影しています」とは言っていないです。ただ、インタビューするシーンでは、「僕は普段こういうふうにインタビューしています」と、僕なりのやり方をお伝えしていたと思います。
岩瀬 技術的なことはいっぱい教えてもらいましたね。例えばインタビューのシーンで話を聞きながら「うん、うん」とか相槌を打つと編集が大変だから言わないようにするとか。
――なるほど。撮影時にテイクは重ねたのでしょうか?
西原 撮影中に人が通り過ぎたからもう1回、のように、技術的にNGになって撮り直すことはありました。でも他はほとんどなかったですね。ドキュメンタリーには撮り直しというのがないから、フィクションで何がOKで何がNGかの判断というのは難しかったです。
岩瀬 すごく覚えているのは、最後のBOMIさんの映像を見ているところから部屋を出ていくまでのシーンは、確か2回か3回撮っているんですけど、テストで初めて演じたときがいちばん新鮮に食らっている感じがあって、本番でその新鮮味を維持するのが大変で、何度かやらせてもらったんです。やっぱりドキュメンタリーは1発1発が勝負というか、そういう違いがあるんだろうなと思いました。
――完成した映画を観て、岩瀬さんはどう思いましたか?
岩瀬 撮っているときは、どういう映画になるのか全然わからなかったんです。ちょっと難しそうじゃないですか、ドキュメンタリーとドラマを混ぜて、白黒で。でも全然普通に観れましたね。奇をてらって何かを起こしている感じがなく、全部が必要なことで、普通に映画として面白いと思いました。実験映画とおっしゃる意図もわかるし、それがハマっているなという印象でした。
――監督は、この作品を作り上げてどんなことを感じていますか?
出演:兎丸愛美,BOMI,遠藤新菜,秋月三佳,戸塚純貴,栗林藍希,SUMIRE,岩瀬亮
監督・脚本・編集:西原孝至
撮影:飯岡幸子,山本大輔 音響:黄永昌 助監督:鈴木藍 スチール:nao takeda 音楽:Rowken
製作・配給:sky-key factory © 2019 sky-key factory
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