朝倉 加葉子 (監督)
映画『RADWIMPSのHESONOO Documentary Film』について【4/4】
2016年3月11日(金)~3月24日(木)全国ロードショー
公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)
――「胎盤ツアー」も毎回新鮮なライブが繰り広げられていたんだなあと。対バン相手がバラエティに富んでいるのも面白いところで、RADWIMPSに憧れてバンドを始めたような若手も、スピッツやMr.Childrenといった上の世代も、すごく嬉しそうに共演していましたね。
朝倉 そうですね。他のバンドに関しては全曲使用できるわけではなかったり、まあ映画の尺も限られていますし、全貌を見せるのはなかなか難しいところではあるんですけど、どのアーティストも楽しんでやっている感じがすごくしました。“RADWIMPS観”みたいなものをおのおのみんなお持ちで、それを楽しみにやってきて、実際にやったらやっぱりもっと楽しい!みたいなことが毎日毎日起こっていて(笑)。
――ワクワクしましたね。RADWIMPSのツインドラム体制への挑戦も含め、すごく刺激的なツアーだったんだなというのが伝わってきました。で、映画のクライマックスとなるのは幕張メッセのワンマンで、3人で演奏する「お風呂あがりの」という新曲で。これも素晴らしかったです。
朝倉 他のライブの日も「これは入れたいな」と思いながら聴いていた曲がいくつもありましたけど、幕張当日の「お風呂あがりの」は、これはなんとしても絶対入れるべきだって思って撮影していました。
――彼らの想いやこれからへの決意が集約されていた気がして、すごくよかったです。ストーリー性を感じるドキュメンタリーに仕上がったと思うんですけど、編集ではどんなことを意識しましたか?
朝倉 シナリオがあるものを編集するのとは全然違って、ドキュメンタリーは編集作業が「脚本を書く」みたいなことでもあって。撮影中も、ある程度プロットは準備しながら撮影していて、「こういうふうになりそうなものはこういうふうに撮っておこう」という感じで、仮説を立てながら撮るようなことをしていたんです。でも結局、全部撮り終って編集するとなったときには、私も一度リセットして、今まで撮り貯めてきたものとあらためて向き合って考えよう、という気持ちで作っていきました。
――映画の核にしようと思ったのはどんなことですか?
朝倉 非常に印象的だったのは、RADWIMPSというバンドがいて、まわりの人たちがいて、その人たちへのRADWIMPSの吸引力がものすごいんだなということで。みんなすごく楽しそうに仕事をしているんですよ。
――そうですね。映画にはたくさんのスタッフのインタビューが収められていますが、年齢も関係なく本当にRADWIMPSに魅了されているのが伝わってきて。彼らへの愛情と敬意を感じました。
朝倉 そうなんです。メンバーもそれに応える強度があるので、そのさまがいちばん魅力的だし、どう語ればそれを見せることができるのか?というのが、編集する上での私のテーマでしたね。それがきっとファンが彼らを好きな理由を表現できるものにもなると思いました。
――音楽を生み出すためにみんながひとつになっているのが感じられて、こういうRADWIMPSの人間性の深い部分が見られたことはファンには大感激でしょうし、私もすごく真摯な気持ちになれました。とてもいい作品になりましたね。
朝倉 ありがとうございます。がんばりました(笑)。
――お疲れさまでした(笑)。劇映画を撮ってきた朝倉監督にとって、この『RADWIMPSのHESONOO』はどんな位置づけの1本となるのでしょうか?
朝倉 なかなか私がドキュメンタリーを作る機会はないと思うんですよね。それはチャンスがあるなしもあるし、私としても能力的にとかモチベーション的に、興味をもってやれる題材に出遭うというのは難しいことだろうなと思うんです。時間もかかりますしね。この路線で何本も作ってみたいとは思えないのですが、だからこそ、数少ない機会に奇跡的に作れた1本です。かなりスペシャルな作品になったな、と感じています。
( 2016年3月8日 日比谷・東宝で 取材:深谷直子 )
監督:朝倉加葉子
製作:東宝、電通ミュージック・アンド・エンタテインメント、東北新社
制作プロダクション:東北新社 上映時間:101分 © 2016“HESONOO”FILM PARTNERS
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