朝倉 加葉子 (監督)
映画『RADWIMPSのHESONOO Documentary Film』について【3/4】
2016年3月11日(金)~3月24日(木)全国ロードショー
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――ツアーの中でもいろんなトラブルが起こりますよね。そういうライブのあとはみんなピリピリしていてすごい緊張感なんですけど、スタッフを呼んで注意して、伝わったなと思ったらガッツリ握手をして、そのあとの話題も自然に変えていって。切り替えが早いですよね。プロフェッショナルだと感じましたし、何よりすごく楽しいだろうなと。
朝倉 チャーミングですよね。真面目なだけでもないし、正しいだけでもないし。それは私も仕事をしていく上で重要なことだと思うんですけど。しかも、映画を作るとかの仕事とは違って本人たち自身が表に出る人たちじゃないですか。サウンドを作って、それをお客さんの前でやるというのは凄まじいことなんだなあと思いましたし、そんな中でも笑いを忘れないで楽しくやっているんですよね。
――監督から見たメンバーひとりひとりの印象はいかがでしたか? フロントマンの野田洋次郎さんからお願いします。
朝倉 洋次郎さんは非常に心優しく、まわりに気を遣い、RADWIMPSの音楽をどう立たせていくかということへの意志が非常に強い方ですね。で、みんなそうなんですけど、メンバーのことが大好きなんですよ(笑)。単に一緒にいるだけでいい雰囲気になって、和やかでもあり、ある種ちょっと緊張感もあり。キャッキャキャッキャして笑い転げていたりするときもあるんですけど、それも違和感がなく、高校生・大学生からの10何年の付き合いだというのがいい感じに継続してきてああいうふうに楽しくしていられるんだろうなと思います。
――仲がいいですよね。ギターの桑原彰さんがムードメーカーになっている気がします。オフショットも面白くて、エンディングのバナナを食べまくっている映像集とか(笑)。
朝倉 桑原さんは、そうですね、マスコット・ボーイ的なところはきっとあると思います。非常にチャーミングですね。本当に純粋で、「ギターが好き!バナナが好き!」みたいな、好きなものに対しての邪念がない方だと思います(笑)。
――(笑)。みなさんキャラクターが濃厚ですよね。ベースの武田祐介さんは割とクールで、音楽に関する発言も多かったなと。
朝倉 武田さんは人当たりがよくて優しくて、男っぽい感じもあって。で、やっぱりベースならではというのも変ですけど、責任感が強い方だと思います。リズム隊を引っ張っていく役割の方なので、サポートドラマーの森(瑞希)くんや刄田(綴色)さんと具体的な話をすることが今回は多く、日々すごく考えていたんだろうなと思います。
――海外でのRADWIMPSの人気の高さに驚きました。アジアは分かるんですが、ヨーロッパでもあんなに盛り上がっているのがすごいなと思って。
朝倉 そうですね。そのハコが好きで来る初めてのお客さんもいるんですけど、みんな盛り上がっていましたね。彼らもデビュー前のころは、小さいライブハウスで他のバンドの企画で対バンをするといったアウェイのライブを結構していたみたいで、ヨーロッパではそういうのも思い出しながら、アウェイならではの「初めてのお客さんを魅了してやるぞ!」的なノリでやっていたみたいです。
――海外でやるのはそういう新鮮な気持ちに立ち戻れるんですね。
朝倉 国内でも、ツアーの中で小さいライブハウスでのライブもやったりしていますけど、もはやそれはプレミアムなものになってしまっていますからね。彼らのことをあまり知らない人の前で演奏するというのは久しぶりの体験だったんでしょうね。
――そういう新鮮な体験に臨む姿を見せているのも面白いことだなと思います。今までRADWIMPSはメディアへの登場もあまりなく、内側を見せることをしてこなかったということですが、この映画では本当に自然体で素顔を見せている感じですよね。
朝倉 そうですね、自分たち発信のものだとこういうのは見せないだろうと思うんです。自分たちで見せるっていうところで色が付いてしまい、ちょっと違った見え方になるものも、他人である私なら、変な意図も付けずにシンプルに見せられるところがあると思うので。彼らが今まで見せてこなかった姿を、オーバーに盛り上げ過ぎず、ウソも付かずに見せられていたら嬉しいなと思います。
監督:朝倉加葉子
製作:東宝、電通ミュージック・アンド・エンタテインメント、東北新社
制作プロダクション:東北新社 上映時間:101分 © 2016“HESONOO”FILM PARTNERS
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