映画『かぞくへ』初日舞台挨拶レポート【2/3】
ユーロスペースにて大好評上映中!ほか全国順次公開
そんな春本監督と松浦さんとの出会いは、仕事を通してなどではなく、二人ともミヒャエル・ハネケ監督の作品が好きという趣味の一致がもたらしたもの。まわりにハネケの話をする人がいなかった松浦さんのほうから、共通の知り合いであるおのさなえさんを通して春本監督にアプローチしたことから縁が始まったそう。会う約束を取り付けて大喜びの松浦さんに、春本監督は「『春本さんにぴったりの本を買いました』とか言ってくるので怖かった(笑)」と気圧されながらも会うとすぐに意気投合したよう。「新宿の喫茶店で、男二人でシュークリームを食べながらハネケの話で盛り上がりました」と打ち明ける春本監督に、司会者が「デートですね」と返すと会場は笑いに包まれた。
大変だったシーンを尋ねられ、森本さんが「走るシーンが結構あって、パンパンになるぐらいに走りました」と答えると、春本監督は「映画で走るシーンって、カメラマンも一緒に走ってついていかなきゃならないので、大体“速度を盗む”と言って速度を加減するんですが、森本さんは本気で走ったんですよね」と少し当惑顔。森本さんは監督から指示されたわけでもなく「“盗んで走ってる感”が出ないように全力で走りました」とのことだが、相当のスピードだったようで、劇中で追いかけた松浦さんと梅田さんが口々に「全然追いつけなかったです。逃げ足が速い……」とこぼして笑いを誘った。
遠藤さんも同じ質問を受けて、「私も大変だったのは走るシーンです。照明のトラブルがあって」と明かした。春本監督が「旭と佳織のジョギングのシーンで、昼間から仕込んでいた照明のブレーカーが落ちてしまうという未曽有の事件があって。二人がスタート地点で待機しているときに、僕らは少し先のところで『照明が落ちた!』と騒いでいて、『向こうで一体何が起きているんだろうね?』という感じだったんですよね」と申し訳なさそうに語ると、遠藤さんは「トラブルなのでしょうがないんですけど、とにかく気温が低い時期だったので。できあがった映画を観たら鼻が赤くなっていて寒そうだな……と」と苦笑いしていた。
出演:松浦慎一郎,梅田誠弘,遠藤祐美,三溝浩二,おのさなえ,下垣まみ,瀧マキ,森本のぶ
監督・脚本・編集:春本雄二郎
撮影:野口健司 照明:中西克之 録音・整音:小黒健太郎 制作:福田智穂 助監督:浅見佳史
音楽:高木聡 プロデューサー:深谷好隆,春本雄二郎,南 陽 海外セールス:植山英美(ARTicleFilms)
配給:『かぞくへ』製作委員会 配給協力:コトプロダクション ©『かぞくへ』製作委員会
公式サイト 公式twitter 公式Facebook