ジェイク・ギレンホール
オフィシャルインタビュー
映画「複製された男」について
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2014年7月18日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
『プリズナーズ』『灼熱の魂』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの同名小説を映画化した『複製された男』は、 何もかもが自分とそっくりな男と出会ってしまった男が迷い込む悪夢的世界を描いたミステリだ。だまし絵的映画とも評される本作で、主人公を一人二役で演じたジェイク・ギレンホールの公式インタビューをお届けする。
ジェイク・ギレンホール 1980年12月19日、アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。父は映画監督のスティーブン・ギレンホール、母は脚本家のナオミ・フォナー、姉は女優のマギー・ギレンホールという芸能一家。1991年『シティ・スリッカーズ』で映画デビューを果たす。『ブロークバック・マウンテン』(05)でアカデミー賞®助演男優賞にノミネートされ、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞受賞、英国アカデミー賞助演男優賞受賞に輝いた。2014年はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とタッグを組んだ『プリズナーズ』も日本公開される。ピープル誌が選ぶ“最も美しい人50人”の1人にも選ばれている。
主な出演作『ドニー・ダーコ』(01)『デイ・アフター・トゥモロー』(04)『ゾディアック』(07)『ミッション・8ミニッツ』(11)『エンド・オブ・ウォッチ』(12)
<STORY> 大学の歴史講師のアダムは、ある日同僚から1本のビデオを薦められる。応じるままに鑑賞した彼は、その映画の中に自分と瓜二つの端役の俳優を発見する。あまりのことに驚きを通り越し恐怖を感じたアダムは、翌日から取り憑かれたようにその俳優を探し始める。アンソニーという名前を突き止め、気づかれないよう遠くから彼を監視するうちに、どうしても会って話しがしたくなったアダムは、遂にアンソニーに連絡する。その週末二人は対面し、顔、声、体格に加え生年月日も同じ、更には後天的に出来た傷までもが同じ位置にあることを知る。どちらが”オリジナル”でどちらが”ダブル”なのか―。なぜ自分と全く同じ人間が存在するのか―。アイデンティティーの危機をミステリー仕立てで描いた衝撃作!
自身が演じたアダムとドゥニ監督の共通点について
ジェイク 突き詰めれば、この話はドゥニ監督の夢想そのものだ。彼が創造した世界で、彼そのものと言える。ドゥニとアダムが共存するその世界の中を、アダムは語り手として彷徨っているんだ。アダムは大学で歴史を教えるごく普通の男だけれど、その内なる世界は混沌として屈折しているんだ。でも一人の人間として考えれば、その苦悩は誰にでもあるようなことだと思う。他の人と比べて彼が異質だというわけじゃない。色んな意味で彼は夢の中を彷徨っているんだと思う。
脚本にプラスαをもたらしたドゥニ監督について
ジェイク まず初めに、僕がこの映画に参加したいと思ったのはドゥニ・ヴィルヌーヴが大変素晴らしい監督だからだ。そこで実際彼に会って映画の話をしたら、彼の思い描いていた世界は脚本を遥かに超越するものだった。脚本は彼がやりたかったことを的確に反映した青写真になっているけれど、それはドゥニ自身の手によるものだ。以前にも言ったことがあるんだけど、人は成長する過程で多くの妥協をし、自身の何かを手放すことを余儀なくされる。それに対する葛藤や抵抗、誰もがもつ二面性、不適切な状況だと理解していながらものめり込んでしまうこと……、と同時に人はある一定の慣例に則した生き方や決められたルールに従わなければいけないと教わる。ブルース・スプリングスティーンの「闇に吠える街」というアルバムのメイキングドキュメンタリーを見たんだけど、その中で彼は大人になるとはどういうことかを表したかったと言ってるんだ。成長するために妥協は必要だけれど、自分を見失うほど妥協してはいけない。生きていくためには常にそのバランスが必要なんだ。人生を無駄にしないためにも、時には手放さなければいけないものもある、と。こういった葛藤や妥協は世界共通だと思うんだ。何かを欲することや、それに伴う葛藤、その過程で意識下では何が生じ、どのような決断を下すのか。その不可解で奇妙な道程にとても魅了されたんだよ。
アダムとアンソニーについて
ジェイク 映画では、二人の外見にはあまり差をつけず、態度や行動でそれとわかるように心掛けた。見ればわかるけれど二人は別々の人間なんだ。でも“同じ動力源”で動いていると僕は理解しているよ。この映画は……、幾通りもの描き方があると思うんだけれど、最も困難で、かつ最も興味深い方法は二人をなるべく似せることだと思うんだ。一人には髭があり、もう一方にはなく、一人は訛っていてもう一方は普通の話し方……、こういった違いそのものには何の効果もないし、この映画が描くべき観点から逸れてしまう。そういった肉体的な観点や、虚栄心を捨て去ることが大切で、出来ればこの映画の観客には、僕らが住む世界は、形而上学的なものなんだと伝えたい。悲観的なことを言うつもりはないけど、死を避ける事は出来なくても僕らは生きなければいけないんだ。僕にとってこの二人のキャラクターは正にそうで、同じ問題に対して違う悩み方をしているだけで、一方が生き残るためにはもう一方が全てを投げ出し諦めなければならない。その選択に対する答えを描いたのがこの映画なんだ。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『プリズナーズ』『灼熱の魂』)
出演:ジェイク・ギレンホール(『プリズナーズ』) 、メラニー・ロラン(『イングロリアス・バスターズ』)、サラ・ガドン(『危険なメソッド』) 、イザベラ・ロッセリーニ(『ブルーベルベット』)
原作:「複製された男」(ジョゼ・サラマーゴ著、彩流社刊)
配給/クロックワークス、アルバトロス・フィルム 後援:カナダ大使館、ケベック州政府在日事務所
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2014年7月18日(土)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
- 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
- 出演:ルブナ・アザバル, メリッサ・デゾルモー=プーラン, マキシム・ゴーデット, レミー・ジラール
- 発売日:2012/05/02 おすすめ度:
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- 映画原作
- (著):ジョゼ サラマーゴ
- 発売日:2012/10/22
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