マリオ・クジク (監督) & B.B.クラーク (脚本)
映画『GARAGE ROCKIN' CRAZE』について【2/4】
2017年1月14日(土)~27日(金)まで渋谷HUMAXシネマにて
1月28日(土)~2月3日(金)まで名古屋シネマスコーレにて Rockin’レイトショー!
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――B.B.クラークさんは、この映画で“脚本”とクレジットされていますね。クラークさんが映画に関わることになった経緯など教えていただけますか?
B.B.クラーク(以下、クラーク) 僕が日本に来たのは2010年です。メジャーな音楽のライブにもいろいろと行っていたんですけど、Halloween Ball 2010で初めてガレージ・イベントに行って、オーガナイザーと仲よくなったりしていろんなガレージ・イベントに通うようになって。マリオはそのころもうガレージ・シーンを撮影してきていて、こんなに背が高くてハンサムな外人さんなので目立つし、日本にそんなに外人さんがいるわけじゃないから仲よくなって。で、彼が映画を作ろうとしているのを知って、日本語力がちょっと足りなくてインタビューとか大変かもしれないな、と思ったので、「翻訳とかが必要だったら手伝うよ」と申し出たんです。でもそのころには彼が撮り貯めていたインタビューの素材はもう膨大な量になっていて、全部翻訳していたら大変なことになるなと。マリオのほうも「クラークのほうがきっと理解が早いからまとめてもらえないか?」と僕に頼んでくれて。それでまず僕がインタビューだけを45分ぐらいにまとめて「こんなストーリーではどうか?」とマリオに見せたら「これはバッチリだね」と気に入ってくれて。そうやって僕がこのプロジェクトに参加したのが2年前です。
――なるほど。クラークさんは本当に日本語が流暢なので、マリオ監督にとって心強いパートナーとなったことと思います。でもインタビューはお二人で組む前に監督が自分だけでしていたということですね?
クラーク そうですね。インタビューはマリオが考えた質問を誰かに和訳してもらって、それを印刷して「これに答えなさい」っていう感じでしているんですよね(苦笑)。その映像を僕に預けて「まとめよろしく!」みたいな感じで。
――(笑)。そうなんですか。でもインタビューを受けているみなさんはすごくリラックスして喋っているように感じました。
クラーク それがやっぱり監督として優れているところというか、マリオはみんなにとってナイス・ガイで本当にいいヤツなんで。普通だったらプリントアウトした質問状で「Back From The Graveとは何だ?」みたいに訊かれても、堅苦しくていいインタビューになんてなりそうもないんだけど、やっぱりみんなマリオと仲よくしているからリラックスして興味深い話をしてくれたんじゃないかなと。
――インタビューではみんな口を揃えたようにBack From The Graveの奇妙さと、バンド同士での年功序列などがない自由さを語っていますよね。それがこの映画の柱のようになっていますが、このイベントや日本のガレージ・シーンがそういうものであったことは監督もインタビューを通して知っていったわけですよね?
クジク そうですね、映画を編集している間に知っていったことです。もちろんガレージ・バンドの間に“先輩・後輩”みたいな関係がないということは、そこにいたら雰囲気で感じられますが、Back From The Graveをやっていたころにバンドが感じていたことは、取材を重ねて分かりました。
クラーク バンドはビジュアルもサウンドもものすごくカッコイイんだけど、人を知るとみんないいヤツなのにすごくビックリして、それがガレージの魅力でした。何でいいヤツか?っていうと、自由さがあるシーンだからだと思います。みんなハッピーでプレッシャーがない。
――「Back From The Graveに初めて行ったら、あちこちでケンカが起こっているのにビックリした」と言っている人も何人かいましたよね。それも自由さの表れなんだろうなと。
クジク そうですね。ガレージ・シーンはファミリーみたいなもので、その中では兄弟ゲンカも起こるんだけど、仲よさの裏返しなんじゃないかなと思いますね。で、Daddy-O-Novが文字どおりお父さん。ノブさんに会う前はちょっとビビッていたんですが、実際に会ったらすごくいい人でした。
監督/マリオ・クジク
出演/The 5.6.7.8’s、20 Hits、Theee Bat、Baitones、Bobby’s Bar、Daddy-O-Nov、Mr.Death、The Drexel、Eddie Legend A-Go-Go、The Fadeaways、Firestarter、The Fly & His One Man Garbage、Gasoline、Great3、The Great Mongoose、Jackie & the Cedrics、Jet Boys、Jimmy Mashiko、Los Rislaz、Minnesota Voodoo Men、Pinky Aoki、Rock-A-Cherry、Saturns、Supersnazz、Stompin’ Riffraffs、The Titans、Texaco Leatherman、Vivian Boys、Young Parisian、ギターウルフ、ザ・シャロウズ、東京 Cramps、マキニカリスほか
配給:日本出版販売 提供:キングレコード+日本出版販売 © 2016 Freza Films
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