インタビュー
マリオ・クジク監督&B.B.クラーク(脚本)/『GARAGE ROCKIN' CRAZE』

マリオ・クジク (監督)
B.B.クラーク (脚本)
映画『GARAGE ROCKIN’CRAZE』について【1/4】

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2017年1月14日(土)~27日(金)まで渋谷HUMAXシネマにて/1月28日(土)~2月3日(金)まで名古屋シネマスコーレにて Rockin’レイトショー!

1980年代後半に新宿のライブハウスJAMでスタートしたガレージ・パンク・イベント"Back From The Grave"。そこではThe 5.6.7.8'sやギターウルフ、TEENGENERATE、Jackie & The Cedricsなどの豪華な面々が熱いライブを繰り広げていた。その後バンドの多くは海外に活動の場を広げ、世界を熱狂させていく。ロック本来のカッコよさと毒とユーモアが今も息づき、新たなファンを生み出し続ける日本のガレージ・パンク・シーンの魅力の理由を、伝説のイベントBack From The Graveと、その主宰者であるDaddy-O-Novに迫ることで明らかにしていくドキュメンタリーが、マリオ・クジク監督と脚本担当のB.B.クラークのコンビの手により完成した。6年の歳月を費やしてこつこつと作り上げたDIY精神あふれる映画は、出演するバンド同様に爽快な感動を呼び起こしてくれるだろう。マリオ・クジク監督と、通訳も兼ねてくださったB.B.クラークさんのお二人に、詳しいお話を伺った。 (取材:深谷直子)
マリオ・クジク Mario Cuzic 1973年クロアチアからカナダへ移民した両親のもと、カナダ・オンタリオ州トロント市に生まれる。労働者に囲まれて育ってきたクジクは、カナダの高等学校を卒業し、紛争の最中、両親の母国クロアチアにある大学に入学し、家族の中で初めて学位を得る事となる。1999年、兄と一緒に太平洋を渡り日本に在留、「英語教師には将来がない。」と自覚したクジクはカメラを拾ったのだった―。 『GARAGE ROCKIN’ CRAZE』はクジクの長編映画デビュー作品で、前作と同様に彼の名前がクレジットの殆どを占めている。同作品は2016年8 月にボスニア・ヘルツェゴビナのシロキ・ブリイェグ町にて開催される第17回Mediteran Film Festival にてワールドプレミア上映となった。クジクは現在カナダ・トロント在住。

B.B.クラーク B.B.Clarke 1987年アメリカ合衆国ミシガン州アナーバー生まれ、フロリダ州セントピーターズバーグ育ち。高等学校を中退し、短期大学に通い始める。やがてカンザス州立カンザス大学に転校。そこで日本語を専攻、卒業後すぐに来日し東京で上智大学大学院に入学し日本近代文学を研究する。幼い頃から演劇が好きで、大学時代には落語と出会い、アマチュアとして噺家活 動を開始。大学院時代からガレージ・パンク・イベントに通い始め、クジク監督と出会う。クジクが既に集めてきた取材をまとめ、構成を練る事で 共同作業となる。『GARAGE ROCKIN’ CRAZE』は映像デビュー作品となる。現在東京都杉並区高円寺在住。
マリオ・クジク監督&B.B.クラーク(脚本)1B.B.クラーク/マリオ・クジク監督 L→R Jimmy Mashiko、Mr. Death、 Daddy-O-NovL→R Jimmy Mashiko、Mr. Death、 Daddy-O-Nov The 5.6.7.8’sThe 5.6.7.8’s
――私もガレージ・パンクが大好きなんですが、聴き始めたのが90年代後半からなので、"Back From The Grave"は後追いで知った憧れのイベントでした。その詳細を映画で観ることができて嬉しかったです。

マリオ・クジク監督(以下、クジク) ありがとうございます。

――マリオ監督はカナダ生まれのクロアチア人ですよね。日本のガレージ・パンクとの出会いは?

クジク トロント在住だった97年、24歳ぐらいのときに、クランプスのツアーがあって、オープニングにギターウルフが出たんです。それが日本のガレージ・パンクとの出会いですね。で、そのライブで知り合った女の子と仲よくなって、ゴロッパチ(The 5.6.7.8's)が入ったミックス・テープをもらって、そこから入門という感じですね。

――では私とガレージ・ファン歴はほとんど一緒ですね。99年から日本で暮らし始めたそうですが、やっぱりライブを見たりするのも来日のお目当てだったのでしょうか?

クジク それが来日してから10年間ライブには行ったことがなかったんです。ガレージはずっと好きで、聴いてはいたしライブも見たくはあったんだけど、そのころはインターネット前夜でライブ情報の調べ方も分からなくて。2009年にようやく初めてガレージの大きなイベントに行きました。ギャスパー・ノエ監督の『エンター・ザ・ボイド』(09)に出演していたシリル・ロイと知り合って、彼の紹介で行ったんですけど、その新宿ロフトでの初めてのライブは人生の転機になりました。やっと自分にとっての楽園を見つけたというか。

――そうなんですか。一方映画作りのほうは、カメラを拾ったのがきっかけということですが。

クジク はい。カメラを拾って最初に撮ろうとしていたのは格闘技の映画でした。当時プライドとかの格闘技のブームで、……まあすぐに下火になるんですけど(苦笑)、ミルコ・クロコップだとかクロアチア人の格闘家が日本で活動していたので、彼らが出る試合を見に行ってクロアチアのメディアに記事を書いたりしていたんです。そういうときにカメラを拾って、格闘技のドキュメンタリーを作りたいと考えていたんですけど、そのうちに格闘技ブームは完全に終わっちゃってどうしようかなと。そんなときにすごくカラフルなガレージ・シーンが目の前に現れて、「これは映画にするのに理想的な対象だ!」と思ったんです。

――ガレージ・シーンの中でも特にDaddy-O-NovさんとBack From The Graveのことをテーマに選んだのはなぜですか?

クジク 撮影している間はテーマについていろいろなアイディアがあって。例えばクロアチアにはガールズ・バンドがあまりいないから、そういうバンドを追って女性とガレージ・シーンの関わりについて探ってみたいとか、そんなことも考えていたんだけど、とても大きなテーマになってしまうので。そこに(B.B.)クラークが入ってきて、「ノブさんの活動にテーマを集中させたらどうか? 濃度が高くて豊かなものが描けると思うよ」と提案してきたんです。

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GARAGE ROCKIN' CRAZE (2016 年|日本映画|16:9|カラー|HD|98 分)
監督/マリオ・クジク
出演/The 5.6.7.8’s、20 Hits、Theee Bat、Baitones、Bobby’s Bar、Daddy-O-Nov、Mr.Death、The Drexel、Eddie Legend A-Go-Go、The Fadeaways、Firestarter、The Fly & His One Man Garbage、Gasoline、Great3、The Great Mongoose、Jackie & the Cedrics、Jet Boys、Jimmy Mashiko、Los Rislaz、Minnesota Voodoo Men、Pinky Aoki、Rock-A-Cherry、Saturns、Supersnazz、Stompin’ Riffraffs、The Titans、Texaco Leatherman、Vivian Boys、Young Parisian、ギターウルフ、ザ・シャロウズ、東京 Cramps、マキニカリスほか
配給:日本出版販売 提供:キングレコード+日本出版販売 © 2016 Freza Films
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2017年1月14日(土)~27日(金)まで渋谷HUMAXシネマにて
1月28日(土)~2月3日(金)まで名古屋シネマスコーレにて
Rockin’レイトショー!

2017/01/13/20:01 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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