ナリオ (監督) × 福島拓哉 (監督) ×
佐々木誠 (監督) × 若林美保 (女優)
映画『PLAY ROOM』について【5/7】
2018年2018年12月8日(土)~21日(金)まで、シネマート新宿にてレイトショー公開
公式サイト 公式twitter (取材:わたなべりんたろう 協力:熊野雅恵)
ナリオ 『などわ』は『星の王子さま』へのオマージュです。『星の王子さま』のテーマが「本当に大切なものは見えない」というものなので『星の王子さま』オマージュは全編にあります。細かいところで『星の王子さま』グッズが出て来たりというのがあります。
わたなべ そうだったんですね。『Wの悲劇』と『星の王子さま』へのオマージュを確認するのも含めて監督の想いが分かったので見直してみます。主演にKEEさん(渋川さん)を起用した理由は?
ナリオ 撮影前は面識が無く全く知らなかったです。バンドマンの役なので楽器を弾ける役者であるということが第一でした。また、プロデューサーの川端さんという方が渋川さんにどうしても出演をお願いしたいという意向があり、僕もそうだったので様々な伝手を辿って出演をお願いしたかったのですが、結局誰も動いてくれなかったのもあり、渋川さんが出演されている豊田利晃さん演出のお芝居を観に行って、楽屋に押しかけて「ぜひ出てもらいたい脚本です」と言って脚本を渡しました。そうしたら渋川さんは即答で「わかりました、出ますよ」と返事を頂きました。後からよくよく聞いたら、出る出ないはその監督の情熱次第です、と。直談判する時点で心を打たれたのでそれだけ情熱があるなら出るでしょうと言ってくれました。
わたなべ 俳優として素晴らしい姿勢です。大杉蓮さんもそうだったと聞いています。
ナリオ それから何度か喫茶店でお会いしまして脚本の修正についてのやり取りをしました。
わたなべ KEEさんは男性からも艶気があってモテそうだから、ああいう役はあまりないなと感じて新鮮でした。それに主演の『下衆の愛』とも『お盆の弟』とも違いますよね。
ナリオ 基本ダメな男が多いですけど。
わたなべ 若林さんはKEEさんの第一印象はどのようなものだったのでしょうか?
若林 撮影中では役の中の彼として見てしまいます。第一印象はよく分からないなという感じでした。あまり言葉数は多くないのでいろいろと考えている方に見えました。
ナリオ 周りとベラベラ話すという感じではないですよね。
若林 女性よりも男性と話していそうという印象です。
わたなべ 魅力ある俳優の方なので当然ですがKEEさんは多面体がある俳優ということが分かります。話変わって、福島さんはなぜ『Floating』というタイトルにしたのでしょうか。
『Floating』福島 タイトルは決まらなくて、ずっと仮タイトルを付けていました。最初全く違う話を書いていたのですが「違うなぁ」と思って捨てました。捨てては書き直してを繰り返してタイトルを後から決めたという感じですね。たまたま音楽を『モダン・ラブ』と同じミュージシャンを2組起用しています。僕の音楽を20年ぐらいやってくれているトルコ石というバンドをやっている関口純と河原弘幸君がいて、河原君が「floating mosque」というバンドをやっているのですが『Floating』は今作のタイトルと同じ「floating」です。音楽の内容を河原君と飲んで話していた時にタイトルをどうしようか、という話になり、その流れでこの映画はどのような映画かということを話している時に河原君が「2人の感情がFloatingしていく感じですね」と言ったので、すぐにプロデューサーに連絡して決めました。映画の内容に即した単語一言が欲しいなという感じで決めました。
わたなべ 福島さんの作品は英語のタイトルが多いですよね。
福島 どちらかというとそうですね。
わたなべ 今作では小津安二郎の『浮草』や成瀬巳喜男の『流れる』のオマージュなのかと思っていました。
福島 これから言う作品は日本未公開ですが、アルノー・デプレシャンの最新作の『イスマエルの亡霊たち』のオマージュになっています。昨年の東京国際映画祭で観て、とても重要なセリフを頂きました。それが何かは言いませんが。
わたなべ 若林さん、福島組はどのような感じでしたか?
若林 福島さんのことは知ってはいたのですが初出演でした。福島さんがプロデュースしたかげやましゅうさんの『ポップ・ロック・ビルディング』に出演したことがありましたから。福島組は映画を観せてもらったり、良く喋ったり、楽しい現場でした。福島監督が面白いことを言ったり、自分を褒めたりとか。2日間ぐらいで撮りました。
福島 福島組は鉄の掟があって「明るく」「楽しく」「元気良く」が徹底されています。その3つができない人はダメですということになっています。疲れるので「てっぺん越えない(てっぺん=24時/0時)」「スケジュールを守る」もあります。
若林 リハが1日で次の日ちょろっと、という感じで撮りましたね。
福島 割と上手く行って1日半ぐらいで撮りました。
わたなべ 福島さんの作品が一番シーン数とロケ場所が多いのではないですか?
福島 他の映画が少なめなのでそのように感じるのではないでしょうか。
『などわ』 監督:ナリオ プロデューサー:川端直樹 原作:『などわ』イギリス人 ほか
『LION』 監督・脚本・撮影・編集:松蔭浩之 ほか
『クローンハート』 監督・脚本・編集:中村真夕 プロデューサー:ナリオ 撮影:木村和行 ほか
『熱海の路地の子』 監督・撮影・編集:佐々木誠 原作:帯谷有理『路地の子』 ほか
『Floating』 監督・脚本:福島拓哉 プロデューサー:本井貞成・岩本光弘・福島拓哉 ほか
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