インタビュー
ナリオ監督×福島拓哉監督×佐々木誠監督×若林美保さん/『PLAY ROOM』

ナリオ (監督)×福島拓哉 (監督)×佐々木誠 (監督)×若林美保 (女優) 映画『PLAY ROOM』について【1/7】

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2018年2018年12月8日(土)~21日(金)まで、シネマート新宿にてレイトショー公開

女優であり現役ストリッパーである若林美保を主演にしたオムニバス映画『プレイルーム』が公開中の、ナリオ監督、福島拓哉監督、佐々木誠監督、そして若林美保さんにインタビューを行った。 (取材:わたなべりんたろう 協力:熊野雅恵)
若林 美保 1999年デビュー、浅草ロック座所属ストリッパー。近年は女優やモデル、マルチパフォーマーとして様々なシーンで活躍する。2011年の独り芝居『芸人列伝 第四伝贋作・一条さゆり』が人気を呼び、その後も再演を繰り返し全国で公演される。日本人離れした肢体と独自のムーブを見込まれ、オートクチュールラバーのブランド、kurageの専属モデルに抜擢。海外進出も本格化し、Montreal Fetish Weekend等への出演も急増。2019年にはいよいよ舞台生活20周年を迎える「女優・若林美保」は、どんな表情をプレイルームで魅せてくれるのだろう。
若林美保1若林美保
わたなべ どの作品も面白く拝見しました。このオムニバスは総計が短いのがいいですね。

ナリオ そうですね、5本集まっても90分いかないです。ぼくは3桁の長さの映画はあまり好きではないです。映画は99分以内であるべきだと思っていますから。みなさんは映画好きだからそうでもないと思いますけど。

佐々木 来年3月末から全国で公開予定の僕の最新作『ナイトクルージング』は144分です(笑)。

福島 モダン・ラブ』は115分です。120分は切りたいと思っています。105分ぐらいが一番気持ちいいかなと。

ナリオ ぼくの『あっちゃん』は103分です。

わたなべ 最近は上映時間が110分を超えると観に行く前に長いなあと思ってしまいます。日本映画も2時間超えは割とありますが必然がある長さでないなと思うことも多いので。

ナリオ もともとの企画は「若林美保さんのデビュー16周年の記念に映画を作る」そして「1本16分ちょうどの作品を複数の監督に撮ってもらう」というものでした。そこから紆余曲折、山あり谷あり崖ありといろいろなことがあって17周年、18周年になり、今年の11月1日で19周年になり、とうとう来年は20周年になるというところまで来ました。

わたなべ そうだったんですね。

ナリオ はい、そういった経緯があって、16周年という枠はもうなくなってしまいました。だから16分~20分ぐらいのものでやりましょうという緩い縛りになりました。

わたなべ 事前に参加している監督から聞いていた話を整理すると企画に加わった順番は松蔭さん、ナリオさん、佐々木さん、福島さん、中村さんなんですね。佐々木さんが加わる前に後2人の監督がいて若林さん主演で撮影してあったのですがいつまで経っても仕上げてこなかったから他の3人が参加するようになったと。ところで、監督とは別にお金を出している方はいるのでしょうか?

佐々木 お金を出している人はいません。各自が負担しています。

わたなべ 若林さんはプロデュースにはタッチしていないのですか? 作品の内容はどうでしたか?

若林 プロデュースにはタッチしていません。作品の内容に関しても口出しをしていません。

わたなべ 1人の俳優を複数の監督が撮影する、というのは調べてみたのですがありませんでした。何か日本であった気がするのですが、どうも思い出せないです。

若林 写真集だと複数の写真家さんが一人を撮ったのがありますよね。

わたなべ その形式の写真集なら海外でも多くありますね。

福島 『モダン・ラブ』の海外上映の時にも、海外の映画関係者に「1人の女優を5人の監督が撮るというのは面白いね」と言われました。

わたなべ 思い出しました!「週刊真木よう子」がありました。テレビ東京の深夜ドラマでした。大根さんの企画で友人の山下くんなどが参加したのでサンプル盤及び景品タオルを持っています。

若林 『プレイルーム』の第2弾、第3弾を作って参加監督を増やしていければいいのではないかという話はしています。

わたなべ いいですね。紆余曲折のあった今作が第一弾になって続いてほしいです。話変わって、上映順は決まっていたのですか?

ナリオ 自分が独断で決めました。

福島 ナリオさんがリーダーでナリオさんの決めたことには従う、相談されたら相談に乗るという進め方をしていました。後は各自で作業を分担、という形です。

わたなべ 最近、日本映画の短編オムニバス映画を2本観たのですが「短編は疲れる」とあらためて思いました。オムニバスなので当然ですが途中で話が終わって新たな話が始まるので、観客の気持ちが続かない。内容や俳優がどんなに興味深くても短編は疲れます。カンヌ国際映画の60周年の『それぞれのシネマ ~カンヌ国際映画祭60回記念製作映画~』も同じくでした。やはり人は一つの物語の流れにいないと、その物語同士が関連し合ってでもいない限り「また新たな話の世界に入らないといけないんだ」という気持ちになってしまう。その点、『プレイルーム』は疲れなかったです。そこが良いなあと思いました。

福島 昔、『裸over8』というオムニバス映画を佐々木監督も参加して作ったのですが、映画評論家のヴィヴィアン佐藤さんが「映画は短くても長くても1回1回その世界に入り込んで観るので短編は本数が多いと疲れる」と言われました。5本ぐらいがちょうど良いのかもしれないですね。

ナリオ 嬉しいです。コピーができましたね。「疲れない映画」。

佐々木 「泣ける映画」はどうでしょうか(笑)。

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PLAY ROOM出演:若林美保,渋川清彦,イギリス人,間庭裕基,佐伯日菜子,草野康太,須森隆文,園部貴一,高橋卓郎,稲村梓

などわ』 監督:ナリオ プロデューサー:川端直樹 原作:『などわ』イギリス人 ほか
LION』 監督・脚本・撮影・編集:松蔭浩之 ほか
クローンハート』 監督・脚本・編集:中村真夕 プロデューサー:ナリオ 撮影:木村和行 ほか
熱海の路地の子』 監督・撮影・編集:佐々木誠 原作:帯谷有理『路地の子』 ほか
Floating』 監督・脚本:福島拓哉 プロデューサー:本井貞成・岩本光弘・福島拓哉 ほか

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2018年2018年12月8日(土)~21日(金)まで、
シネマート新宿にてレイトショー公開

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