ケヴィン・マクドナルド監督/『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』

ケヴィン・マクドナルド (監督)
公式インタビュー
映画『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』について
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2019年1月4日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

映画『ボディーガード』の主題歌「I Will Always Love You」の『エンダァァァ~』という絶唱で余りにも有名なホイットニー・ヒューストン。アメリカのポップス界の女王として君臨しながらも、48歳という若さで不慮の死を遂げた彼女の知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー映画『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』のメガホンを取ったアカデミー受賞監督ケヴィン・マクドナルドの公式インタビューをお届けする。
ケヴィン・マクドナルド アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞作『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』(00)を監督。次の作品『運命を分けたザイル』(03)は英国アカデミー賞およびロンドン・イブニング・スタンダード英国映画賞の英国作品賞に選ばれた。初の劇映画『ラストキング・オブ・スコットランド』(06)でアカデミー賞主演男優賞を獲得、英国アカデミー賞の英国作品賞(アレクサンダー・コルダ賞)と最優秀脚色賞を受けた。ボブ・マーリーの生涯と作品を描いたドキュメンタリー『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』が2013年英国アカデミー賞のドキュメンタリー賞にノミネートされ、グラミー賞および英国インディペンデント映画賞にもノミネートされた。劇映画監督作としてラッセル・クロウ、ベン・アフレック主演『消されたヘッドライン』(09)、チャニング・テイタム、ジェイミー・ベル主演『第九軍団のワシ』(11)、シアーシャ・ローナン、トム・ホランド主演『わたしは生きていける』(13)、ジュード・ロウ主演『ブラック・シー』(14)などがある。
ケヴィン・マクドナルド監督『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』メイキングケヴィン・マクドナルド監督 『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』 『ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』場面1
――本作はもともと、プロデューサーから依頼された企画だそうですが、引き受けようと思ったきっかけは何でしたか。どういった経緯で監督されることになったのでしょうか。

ケヴィン・マクドナルド監督(以下 KM) 正直に言うと、それ以前はとくにホイットニー・ヒューストンの大ファンだったわけではないんだ。もちろん彼女の歌はよく知っていたけれど、僕にとっては濃いブラック・ミュージックというわけでも、特別クールというわけでもなかった。だから最初にプロデューサーに打診されたときは断った。でもその後にサンダンス映画祭で、ホイットニーのかつてのエージェントだったニコール・デヴィッドに紹介されてね。彼女はわたしにぜひドキュメンタリーを作って欲しいと言った。彼女は25年間ホイットニーと仕事をしてきて、ホイットニーほど惹かれたクライアントはいないが、ついに彼女を理解することができなかったと語った。エージェントがこれほど情熱的にクライアントについて語るのは聞いたことがなかった。それで引き受けることにしたんだ。

――彼女が子供の頃から虐待を受けていたという証言がありますが、あなた自身にとっても予想外のことでしたか。

KM いや、彼女のプライベートなヴィデオを観ながら、なんとなく変だと言うか、性的なトラウマを持っていると感じていた。というのも、彼女は自分の肌に居心地の悪さを感じているようだったし、フィジカルにリラックスしていない印象を受けたから。あれほど美しいのに、セクシュアルというのとも違う。きっと何か子供時代に大きなトラウマを追ったのではないかと想像していたんだ。

――この作品では、証言をする人々が驚くような事実を語ります。彼らのそんな発言を、どうやって引き出すことができたのでしょうか。

KM そうだな、僕はこのドキュメンタリーにすごく時間をかけたし、個々のインタビューに関しても始めから長い時間をかける覚悟だった。だからまず彼らとの関係性を発展させ、そして彼らがじっくりと話しができるようなスペースを与えようと思った。こちらがどんどん質問していくのではなくて。そして彼ら自身も、語ることである種セラピーのように解放されたのだと思う。というのも、家族のメンバーはみんなホイットニーがあんなことになってしまったことに対して、罪悪感を抱いていたから。実際に彼らから、話すことで長年抱えていた膿みを放出させることができて楽になったと言われたよ。

――その一方で、ボビー・ブラウンは取材に非協力的ですが、あなたはそれをそのまま映画のなかに残していますね。

KM それが彼のアチチュードだから、そのまま残すのは大事だと思った。その方が誠実なやり方だろうと。彼は子供っぽい人で、自身と自分のエゴを守ることに一生懸命なんだ。ホイットニーとの関係を振り返って、罪悪感を感じないわけがないだろう。彼のことを気の毒に思うよ。悲しい、哀れな人だと。

――ホイットニーと彼の関係をどう思いますか。何が彼女を引き止めていたのでしょうか。

KM これはあくまで僕の見方だが、彼女はただ幸せな家庭を求めていたんだと思う。幼い頃、一瞬でも幸せな子供時代があって、でもそれがさまざまなことで壊されたことにより、彼女はつねにホームを求め、そしてただ愛そうとしていた。ロビン・クロフォードに対しても、ボビー・ブラウンに対しても。ただ、若い頃に性的な虐待を受けたことが、彼女に複雑な影を落としていたと思う。そして彼女とボビー・ブラウンの関係は、ドラッグを媒介に不健康なものになっていき、互いに悪い形で依存し合っていた。

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ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~
( 2018年/イギリス/英語/120分/カラー/5.1ch/アメリカンビスタ/原題:WHITNEY )
監督:ケヴィン・マクドナルド
製作:サイモン・チン『シュガーマン 奇跡に愛された男』、ジョナサン・チン、リサ・アースパマー
編集:サム・ライス=エドワーズ 撮影:ネルソン・ヒューム
出演:ホイットニー・ヒューストン、シシー・ヒューストン、エレン・ホワイト、メアリー・ジョーンズ、パット・ヒューストン、ボビー・ブラウン、クライヴ・デイヴィス、ジョン・ヒューストン、ケヴィン・コスナー、ケニー“ベイビーフェイス”エドモンズ
配給:ポニーキャニオン/STAR CHANNEL MOVIES 提供:東北新社 © 2018 WH Films Ltd
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2019年1月4日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

2018/12/23/21:11 | トラックバック (0)

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