新鋭女性監督・川崎僚が6年間の月日を掛け完成させたオムニバス映画。
SEASONS OF WOMAN
「女性」として生きることから、私たちは逃れられない……。
2020年12月19日(土)~12月30日(水)、池袋シネマ・ロサにて公開!
「女性の人生は、めぐる季節」
本作は、春を舞台にした短編映画「笑女クラブ」、夏を舞台にした「彼女のひまわり」、秋を舞台にした「AUTUMN OF WOMAN」に加え、冬を舞台にした新作「雪の女」(出演・根矢涼香、内田慈)の四作品からなるオムニバス映画。女子高生、大学生、社会人……と、年齢を追うごとに変化していく女性の悩みを、春夏秋冬それぞれの季節を舞台に描いている。新作「雪の女」では、春・夏・冬の短編映画に登場した主人公たちのその後の姿を描いており、女性が誰しも直面する「結婚」や「出産」に対する社会問題を取り上げている。
また、上映期間中は、阿部純子、小島聖 他が出演する「あなたみたいに、なりたくない。」(ndjc2019:若手映画作家育成プロジェクト2019ワークショップ作品)、となるndjc2019ワークショップ作品根矢涼香、寺坂光恵が出演する「あの海が泣いている」(ndjc2019:若手映画作家育成プロジェクト2019ワークショップ作品/初公開)、本公開を最後に封印される川崎僚初監督作品「夏目の女」の三作品が日替わりで同時上映される。いずれも上映機会が限られた作品なので、こちらにも注目していただきたい。
『笑女クラブ』
みんなを笑顔にすることがモットーの「笑女(しょうじょ)クラブ」。部⻑の美和子は笑わない優等生・要をどうにか笑わせようとするのだが……。計算式が結ぶ女子高生二人の友情物語。
主な受賞歴第3回京都国際映画ノミネート、第20回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭入選、第2回新人監督映画祭ノミネート他
『彼女のひまわり』
高校のときの同級生なっちゃんが亡くなった。優はなっちゃんの葬式に参列するために、卒業以来久しぶりに生まれ故郷に帰ってくるのだが……。真夏のひまわり畑を舞台に、友情の再生を描く。主な受賞歴STARDUST DIRECTORS film fes.2018賞他
『AUTUMN OF WOMAN』
婚活中の姉・恵の元に、就活中の妹・結が久しぶりにやってきた。最初は妹を慰めていた恵だが、徐々に「女の旬」真っ盛りの妹のことが徐々に羨ましくなり……。婚活と就活、二つの苦悩と姉妹の絆の物語。主な受賞歴ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017 ミュージックショート部門ノミネート他
『雪の女』
優(25)は出版社で働くキャリアウーマン。ある日、OG訪問にやってきた就活生・美和子(20)にバリバリ働く自分のことを「憧れの存在だ」と言われ、動揺する。自分にとっての憧れだった会社の先輩・恵(34)は妊娠を機に、会社を辞め、あっさりとキャリアを捨ててしまった。「結婚」と「出産」、そして「仕事」。働く女性の「正しい選択」とは――。
- 根矢涼香 日々の中で、押し付けられた「役」に苦しんでそれでも作り笑いをしていた自分を見つけた時、私が女じゃなかったら違っていたのかなと思う瞬間が幾度かあった。けれど繰り返し訪れては二度と帰らない景色の真ん中で、憧れ、嫉妬し、抱き合って眠りにつく時、私は自分の性を、もとい私の生を、確かに謳歌した。たかだか生まれ持った身体の差だった。脆くて優しい中身には、等しく名前はついていない。社会の群れと泳ぐために纏ってきた鎧の重さに耐えかねて、沈んでゆく友をもう見たくなかった。彼女たちのたくさんの、たくさんの涙を、川崎監督の手が大事に掬って、広く温かい海にして、私たちを包んでくれるのです。
- 内田慈 川崎僚監督は、とても純度の高い方。自分に、相手に、そして作品対して、真っ直ぐです。だからこそ、川崎監督の書かれた台詞を発するのにはとても覚悟と勇気と準備が必要でした。役・台詞を落とし込んで改めて感じたのは、すべてが必然であること。そんな監督の描いた様々な女たちは皆切実で、試写、自分が出ているのも忘れて泣きました。
- 芋生悠 四季が好きです。どの季節にもそれぞれの美しさがあります。女性もまた、めぐる季節のように多様で美しい生き物だと思います。川崎監督はそれを深い慈しみのような眼差しで捉え映画にしているような気がします。そして今年の雪はきっと綺麗なんだろうなと、心が弾みます。
- 川崎僚監督 女性として生きていくのが、こんなにも苦しいこととは思いませんでした。歳を重ねれば重ねるほど変わっていく友情のかたち、社会からの圧力。でも、どんなに嫌でも、自分が女性であることから逃れることができません。だからこそ、『女性と女性』についての映画を、逃げずに撮り続けようと決めました。私が映画を撮り始めたのは、2013年。あれから早くも六年の月日が経ち、四本の短編映画は完成しました。この映画たちには、ずっと悩み続けた「女性であること」への答え、そして、六年間撮り続けてきた自主映画への思いが詰まっています。苦しい冬を乗り越え、私たちはきっと春を迎えることができる。今、部屋の片隅でめそめそと泣いている、そんな頑張っている女性にこの想いが届きますように……。
「AUTUMNOFWOMAN」宍泥美,見里瑞穂「雪の女」根矢涼香,内田慈,⻫藤結女,宍泥美,芋生悠 他
監督・脚本・編集:川崎僚
撮影:伊藤弘典(「雪の女」)松本真二(「笑女クラブ」)
宝隼也(「彼女のひまわり」)島大和(「AUTUMNOFWOMAN」)
音楽:小林未季(「彼女のひまわり」「雪の女」) 主題歌「⻘い春」作詞・作曲小林未季
2020年/日本/80分/カラー/DCP 製作・配給「SEASONSOFWOMAN」製作委員会
© 映画「SEASONS OF WOMAN」製作委員会