主演: 唐田えりか × 共演: 芋生悠 × 脚本・監督: 石橋夕帆
朝がくるとむなしくなる
2023年12月1日(金)渋谷シネクイントほか全国順次公開
偶然の再会で、何も起こらなかった日常が少しずつ動き出す――
日々心を消耗して生きる人々に寄り添う、再生の物語。
会社を辞め、コンビニでアルバイトとして働く希。慣れない接客業に戸惑い、店長の冗談をうまくかわせない。実家から送られてきた大量の野菜をよそに、コンビニ弁当とカップ麺で食事を済ませる。母親には退社したことをいまだ伝えられていない。何も起こらない毎日。むなしい思いで、今日も朝を迎える。
そんなある日、中学時代のクラスメイトだった加奈子がバイト先にやって来る。思わぬ再会に、最初はぎこちなく振る舞う希であったが、何度か顔をあわせるうちに加奈子と距離を縮めていく……。
「たとえわたし一人いなくたって、世界は回っていく」と人生に諦めを感じている一人の女性が、疎遠になっていた元同級生との再会をきっかけに、自分らしさを取り戻していく再生の物語。日常の中で積み重なる小さな幸せと、大人になってから少しずつ育まれる友情に、静かに胸を打たれる。働くこと、学校へ行くこと、生活していくこと。日々心を消耗して生きる私たちにそっと寄り添う、爽やかな感動作が誕生した。
監督・脚本は、MOOSIC LAB 2018長編部門作品として制作された初長編『左様なら 』が全国20館以上で公開され、ドラマや舞台、MVなど活躍の場を広げる石橋夕帆。長編2作目となる本作では、第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門「JAPAN CUTS AWARD」を受賞。北米最大の日本映画祭、第16回JAPAN CUTSに正式出品、さらに第24回TAMA NEW WAVEある視点部門にも選出されている。
石橋監督が当て書きしたという主人公・希を演じるのは、『寝ても覚めても 』で脚光を浴び、『の方へ、流れる 』『死体の人 』と主演・ヒロイン作が続く唐田えりか。人生を模索する等身大の女性を体現し、新たな境地を切り拓く。希を優しく受け止める加奈子役に、『ソワレ』『ひらいて』など話題作に出演し、スクリーンでの存在感を強める芋生悠。
- どうしたって朝はやってきてしまうし、朝はやってきてくれる。
心は日々、移り動かされるもの。
そっと背中を押してくださった石橋監督。
そして大好きな芋ちゃんと共演できた時間は、宝物になりました。
この映画が羽ばたく先に、どなたかの救いになりますように。――唐田えりか - 特別な思い出になった『左様なら』から、
再び石橋監督と忘れられない時間を共にしました。
友達との再会。
大好きなあのセリフ。
時にはおかしくて堪らなかったり。
感じたままに綴じ込めました。
何でもない自分が少し愛おしくなる映画です。
多くの方々に届きますように。――芋生悠 - 唐田さんと映画を作るならどんなお話がいいだろう、と考えたとき
自然とこの物語が浮かんできました。
そしてそこに芋生さんがいてくれたら、
ふたりの信頼関係をベースにきっと素敵な作品を作れるだろうと思いました。
学校に行って、会社に行って、あるいは家事や育児、介護をして。
“頑張る”を積み重ねていく事は、決して当たり前の事ではありません。
自分でも気がつかない内に心はどんどんすり減っていって
毎日当たり前のように朝がくるたび、小さな絶望を繰り返す。
それでも、誰かが「大丈夫だよ」って寄り添ってくれたら
それだけで何とか生きていけるような気がしたり、こんな自分も悪くないんじゃないかと思えたりする。
いまより少しだけ、いい明日がくる事を期待できるような
そんな作品になっていましたら幸いです。 ――石橋夕帆(監督・脚本)
芋生悠,石橋和磨,安倍乙,中山雄斗,石本径代,森田ガンツ,太志,佐々木伶,小野塚渉悟,宮崎太一,矢柴俊博
監督・脚本:石橋夕帆
主題歌:「PHEW」ステエションズ 作詞・作曲:CHAN
プロデューサー:田中佐知彦 ラインプロデューサー:仙田麻子 撮影:平野礼 照明:本間光平
録音:柳田耕佑 美術:藤本楓 畠智哉 スタイリスト:小宮山芽以 ヘアメイク:赤井瑞希
助監督:内田知樹 編集:小笠原風 企画協力:直井卓俊 音楽:CHAN(ステエションズ)
スチール:岩澤高雄 ビジュアルデザイン:鈴木美結 配給・宣伝:イーチタイム 配給協力:FLICKK
宣伝協力:平井万里子 製作:Ippo
2022年/日本/カラー/76分/アメリカンビスタ/5.1ch
©Ippo