第7回ボストン・オンライン映画批評家協会賞アンサンブル演技賞
第84回 ニューヨーク映画批評家協会賞 主演女優賞(レジーナ・ホール)
サポート・ザ・ガールズ
- 10月7日(金)20:35回/上映終了後トーク
大石 盛寛さん(字幕翻訳家/映画研究) 聞き手:降矢聡(グッチーズ・フリースクール) - 10月8日(土)17:05回/上映終了後トーク
田中東子さん(東京大学大学院 情報学環 教授)×吉田夏生さん(ムービーマヨネーズ3編集部) - 10月9日(日)16:35回/上映終了後トーク
藤えりかさん(朝日新聞記者)×西口想さん(文筆家・労働団体職員)
2022年10月7日(金)よりシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』にて公開
オバマ元大統領も認めた、次世代のガールズパワームービー!
スポーツバー、“ダブル・ワミーズ”でマネージャーとして働くリサは、日頃より店のオーナーと対立していた。さらに従業員へのセクハラも対処していたりと、悩み事は絶えない。ある日、従業員のシャイナが引き起こしたトラブルがきっかけで、遂にオーナーからクビを言い渡されるリサ。しかしリサの公私に渡る面倒見の良さから彼女を慕っていた従業員たちは彼女の解雇に反発。スポーツバーが賑わう格闘技の試合がある夜に、彼女たちはストライキを画策するのだが――。
“マンブルコアのゴッドファーザー”とも名高いアンドリュー・ブジャルスキーがメガホンを執った本作は、SXSWを皮切りに世界中の映画ファンを魅了し、毎年発表されているオバマ元大統領が発表するフェイバリットにも選出された。
俳優陣たちの演技は全員見事だが、中でも主人公リサを演じたレジーナ・ホールの存在感は群を抜き、ニューヨーク映画批評家協会賞の主演女優賞をはじめ、数々の映画賞を受賞・ノミネートを果たした。HBOの連続ドラマ「GIRLS/ガールズ」の製作・監督・脚本・主演として知られるレナ・ダナムからも「観る者を掴んで離さない。レジーナ・ホールの演技は、まさにオスカー級」と賛辞を贈られている。
俳優たちの確かな演技と、我々の日々の生活でも想起される些細な差別や偏見をあぶり出すアンドリュー・ブジャルスキー監督の手腕が見事に合わさった本作は、まさしく“現代のガールズパワームービー”に呼ぶにふさわしい傑作映画であり、見逃すと後悔すること請け合いの至極の逸品だ。
- なにか決定的な事件があるわけじゃない。あるわけがない。日常ってそういうものだもの。推進力を失った船が嵐にも追い風にも出くわさず、微妙な向かい風と一瞬のつむじ風に翻弄され、少しずつ削られていくものだもの。それで、思ってもなかった方向に進んでいくの。嫌になるわ。でも、現実に起承転結のついた物語など初めからないのだよ。だからしっかり隣の子とスクラム組んで立ってなきゃ。 ――ジェーン・スー(コラムニスト/ラジオパーソナリティー)
- 女たちは、自分のセクシーさを売りにしていいし、
そこで男たちに粗末に扱われたなら、怒っていいのだ。
自分と仲間の尊厳を守る女たちの物語。
――深澤真紀(獨協大学特任教授・コラムニスト) - 女同士助け合いたいけど、誰かを“助ける”のは意外と難しい。
いろんな女がいる。愛に溢れた、でも一筋縄ではいかないシスターフットムービー。――山田由梨(作家・演出家・俳優) - アメリカの片田舎。マッチョな男たちが集まる寂れたスポーツ・ダイナーは若いウェイトレスのお色気が売り。そんな店を切り盛りしているマネージャーのリサ(レジーナ・ホール)。体を張って「女の子たちを支える」リサは女の子たちから「今までに一番素晴しい上司」と慕われている。でも店のオーナーは金儲け主義の嫌な奴。思い通りにならないリサをクビにすると脅してばかり。トラブル続きのリサの堪忍袋の緒が切れる!
舞台はトランプ人気が根強いアメリカ・テキサス州。人種差別やセクハラし放題の男たちから必死に女の子たちを守るリサの姐(あね)さんぶりが頼もしい。ネイルはしっかり、ヘアスタイルも決まっているレジーナ・ホールの一挙一動がリアルすぎて、思わず応援したくなる。最初はちょっとおバカキャラにみえるメイシー役のヘイルー・リー・リチャードソンもどんどん好きになる。スタイル抜群でシングル・マザーのダニエレと三人のシスターフッドにもすごく共感。そうそう、ボボ役のクイア・コメディアンのリア・デラリアも見逃せない。アメリカのウェイトレスもの映画は過去にもあったけれど、こんな風にリアルに職場の難しさや女たちの連帯を描いた映画は少ない。
接客業だって、セクハラは決して許さない。女たちはいつまでもわきまえて黙っていないぞ。怒るときには怒る。そんな女たちの小さな反逆をサポートして、私も思わず応援したくなって拍手!!!――斉藤綾子(映画研究者/明治学院大学教員) - 彼女達と私は紙一重で同じ地獄を共有している
だからこそ身を寄せ合い懸命に生き抜くその姿が、胸を突いた
――升味加耀(演劇ユニット・果てとチーク主宰) - あらゆる差別が存在するこの世界で、 どんな相手に対しても自身の正義を貫く彼女たちに心が痺れました。 ――添田奈那(ペインター)