映画祭情報&レポート

日藝生主催の第5回映画祭
ニッポン・マイノリティ映画祭

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2015年12月19日(土)~25日(金)まで、ユーロスペースにて開催

ニッポン・マイノリティ映画祭12月19日(土)から渋谷のユーロスペースで、日本大学藝術学部映画学科の学生が企画・運営する映画祭が開催される。毎回、社会情勢などを踏まえた多彩なテーマで開催されているこのイベントだが、5回目を迎える今回は“日本のマイノリティ”をテーマに、日本におけるマイノリティの存在と日本映画の歴史を照らし合わせることで、現在と未来の日本のあり方を考える契機にして欲しいと意気込む。

今回上映されるのは、映画の生みの親として知られるリュミエール兄弟が世界中に派遣したカメラマンによって撮影された約120年前のアイヌ民族の姿を垣間見ることができる『リュミエール映画 日本篇』(1897-99頃)を筆頭に、戦前を代表する巨匠・清水宏監督が戦争孤児の姿を詩情豊かに描いた『蜂の巣の子供たち』(1948)、アイヌの兄妹の受難を描いた成瀬巳喜男監督の知られざる力作『コタンの口笛』(1959)、社会派映画を数多く残し、特に社会の底辺に生きる人々を終生見つめ続けた今村昌平監督の集大成的大作『神々の深き欲望』(1968)、終戦後の貧困層の生活を少年の視点から活写し、第55回キネマ旬報・日本映画ベストテンで第一位を獲得した小栗康平監督のデビュー作『泥の河』(1981)。
他にも、被差別部落やハンセン病に対する迫害の歴史を題材にした今井正監督の『橋のない川 第一部』(1969)や、野村芳太郎監督の『砂の器』(1974)、在日韓国人に対する差別問題を在日韓国人スタッフ&キャストで描き幻の映画とも呼ばれた李学仁監督の『異邦人の河』(1975)、セクシャル・マイノリティを題材にした橋口亮輔監督の『二十才の微熱』(1993)や、松永大司監督の『ピュ~ぴる』(2011)、地下鉄サリン事件などを引き起こしたオウム真理教の広報担当者に密着取材し、宗教・信者に対する社会意識の問題を可視化してみせた森達也監督の『A』(1998)など、全16作品。

いずれも、「目に見えないものを見せる」という映画の原初的な役割を存分に堪能できる傑作・名作ぞろいのラインナップとなっている。移民問題など、今後大きくなっていくであろうマイノリティの問題を、映画を通して改めて見つめ直してみてはいかがだろうか。

上映作品(製作年順・各作品2回上映)

  1. リュミエール映画 日本篇』(リュミエール兄弟/1897-99頃/29分)=映画生誕百周年版
  2. 蜂の巣の子供たち』(清水宏/1948/84分/蜂の巣映画)
  3. コタンの口笛』(成瀬巳喜男/1959/126分/東宝)
  4. 神々の深き欲望』(今村昌平/1968/175分/日活)
  5. 地の群れ』(熊井啓/1970/127分/えるふプロダクション+ATG)
  6. 橋のない川 第一部』(今井正/1969/127分/ほるぷ映画)
  7. 苦海浄土』『あいラブ優ちゃん』(木村栄文/1970,1976/49分,48分/RKB毎日放送)
  8. 砂の器』(野村芳太郎/1974/143分/松竹)
  9. チセ・ア・カラ われらいえをつくる』(姫田忠義/1974/57分/民族文化映像研究所)
  10. 異邦人の河』(李学仁/1975/115分/緑豆社)
    =東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵プリントを上映予定
  11. 泥の河』(小栗康平/1981/105分/木村プロダクション)
  12. 二十才の微熱』(橋口亮輔/1993/114分/ぴあ=ポニーキャニオン)
  13. A』(森達也/1998/135分/安岡フィルム)
  14. ピュ~ぴる』(松永大司/2011/93分/マジックアワー)
  15. 戦場ぬ止み』(三上智恵/2015/129分/東風)
泥の河泥の河 ©木村プロダクション ピュ~ぴるピュ~ぴる ©Photo by Teruyoshi Toyota

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2015年12月19日(土)~25日(金)まで、ユーロスペースにて開催

2015/12/05/21:43 | トラックバック (0)
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