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この世界は虚構の楽園
紀子の食卓

紀子の食卓

K's cinemaにて9月23日より衝撃のロードショー

INTRODUCTION

紀子の食卓2 既に崩壊した現代の家族の姿を、『自殺サークル』の園子温が炙り出した、 衝撃の"ホームドラマ"です。

あなたはあなたの関係者ですか?

主人公は田舎に住む17才の高校生。家族や学校の人間関係に飽き飽きし、東京へ出てゆくことばかり夢見ている。 彼女が"廃墟ドットコム"というサイトを見つけ家を捨てたことから、一見幸せそうに見えた「家族」という輪が崩壊していく----。
人はそれぞれの繋がりの中で様々な役割を担っています。しかし、現代に生きる人々は、それぞれの役割を担いきれているのでしょうか?  人と人との繋がりが希薄になり、生きている実感の曖昧な現代、自分の本当の姿すら見えなくなっているのではないでしょうか?

娘という役割、父という役割

紀子は東京で、<家族サークル>ともいえるレンタル家族の組織の一員となります。家族のいない孤独な人々に、 契約時間内<娘>としてふるまう仕事。
食卓を囲む一家団欒という日常的風景。そこに潜むウソを、監督・園子温は我々の前につきつけます。娘という役割を演じる娘、 父という役割を演じる父、家族という虚構を演じる家族。そこには既に崩壊している現代の家族の姿があるのです。
原案は映画公開後に監督自身によって書き下ろされた『自殺サークル完全版』(河出書房新社)。映画『自殺サークル』が示していた、 <ネット自殺>の真相に迫る、いわば「解決編」なのです。

世界が認める才能・園子温と、実力派が揃った出演陣

本作「紀子の食卓」はカルロヴィヴァリ国際映画祭にて特別表彰と国際シネクラブ賞を同時受賞。同監督の「奇妙なサーカス」 もベルリン国際映画祭でベルリナーレリーダーズ賞を受賞し、ブエノスアイレス映画祭他、監督特集が各国で組まれるなど、 今最も世界で注目を集める作家の一人。
主人公の島原紀子役に『雪に願うこと』での体当たりの演技が記憶に新しい吹石一恵。今もっとも輝いている女優の一人です。父親・ 健三役に『パッチギ』『パビリオン山椒魚』など日本映画に欠かせない演技派・光石研。紀子に影響を与えるクミコ役に『月光の囁き』 『ハッシュ』のつぐみ。そして妹のユカ役に、本作が本格デビューとなる吉高由里子。他に、手塚とおる(『夢の中へ』)、並木史朗( 『ブラックキス』)、三津谷葉子(『東京大学物語』)、宮田早苗(『東京ゾンビ』)、藤間宇宙(『独立少年合唱団』)などが参加。 ポツドールの安藤玉恵や、漫画家の古屋兎丸が出演しているのも話題。

Story

紀子の食卓3 島原紀子(吹石一恵)は、17歳の平凡な女子高生。妹・ユカ(吉高由里子)、新聞記者の父・ 徹三(光石研)、母・妙子の4人家族。紀子は田舎でくすぶっている自分や、家族との人間関係に苛立ちを感じていた。そんな中、 学校の情報室で"廃墟ドットコム"をという全国の女の子が集まるサイトを見つけた紀子は、そこで「ミツコ」と名乗り、 ハンドルネーム「上野駅54」や他の仲間たちと知り合う。彼女たちとなら何でも分かり合えると感じた紀子は、ある停電の夜、 家出して東京へ向かう。
 東京で紀子は「上野駅54」ことクミコ(つぐみ)と知り合い、彼女が経営する<家族サークル>とも言えるレンタル家族の一員となる。 そこで紀子は「ミツコ」として<娘>の役割を演じながら、本物の<家族>との関係、本当の<自分>との関係を実感していく。
 2002年5月26日、新宿駅8番線プラットホームから女子高生54人が、ホームへと一斉に飛び込んだ。その謎を解く手がかりを、妹・ ユカは"廃墟ドットコム"の中に発見する。女子高生54人が集団で自殺した次の日、54の赤い丸が増えていたことから、姉・ 紀子が54人の中にいるのではと思ったユカは、"廃墟ドットコム"の秘密をもって東京へ消える。
 ユカの失踪から2ヵ月後、母・妙子は自殺してしまう。徹三は、紀子とユカの消息を追ううちに、 "廃墟ドットコム"のことを突き止めていた。紀子もユカも彼らの組織の<家族サークル>の一員だと知った徹三は、 友人に頼んでクミコを母親役、紀子とユカを娘役として指名し、クローゼットの中に隠れて彼らを見守る。彼らは、 かつての幸せな家族団欒を取り戻すことができるでしょうか?

監督インタビュー
■「紀子の食卓」作品資料より抜粋
■インタビュアー:轟 夕起夫
――まず、本作の成り立ちから教えていただけますか。

紀子の食卓4園子温 『自殺サークル』(02)を撮ったときに、 小説バージョンも書いたんです。映画版ではショック性を打ちだしたので、もっと理にかなった、 論理的にしっかりした物語を作ってみようと思いたって。書名は『自殺サークル 完全版』(河出書房新社刊)。先にノベライズ― ―山下定著『自殺サークル』(エニックス刊)が出ていたので、そんなふうなタイトルになってしまったんですが(笑)、 これが 『紀子の食卓』の原型です。今回の映画は、そこでやっていた "一人称スタイル"を踏襲しています。

――キーパーソンのクミコを演じたつぐみさんも強烈でしたが、主人公の紀子とユカ、島原姉妹のキャスティングがまた新鮮でした!

園子温 紀子役は、 吹石一恵さんだとキレイすぎる気もしたんだけど、彼女自身、関西から東京へと出てきた方で、この映画の設定と似た境遇なんですね。 どこか紀子とシンクロする部分もあったのでしょう、現場では最初だけ質問責めでしたけど、あとは難なく。ユカ役の吉高由里子さんは、 のちにTVドラマ『時効警察』(第6話)に出演してもらったら、かなりの反響がありました。オーディションのとき、 学校帰りでセーラー服のまま、「すいませ~ん、遅刻しましたか?」と入ってきた瞬間、ユカ役は彼女だなと確信しました。

――物語の進行に応じて、前半と中盤、後半で、映画のタッチが変わっていきますね。『時効警察』 でのバラエティな作風でも示されましたが、園監督の臨機 応変な演出力を改めて感じた次第です。

園子温 『時効警察』 はなるべく自分の持ち味を入れないようにして(笑)、どこまで一般家庭に受け入れられるかを目指したんですが、この『紀子の食卓』 では"章"ごとに、自分なりにいろんな手口を動員しています。それで何を狙ったかというと、簡単に言えば、 主人公が青春映画のつもりでヒロインしていたら、いつの間にか"廃虚ドットコム"のホラーな罠に嵌まっている、 そんな怖さを出したかった。しかも決して特別な出来事に巻き込まれた感じにはしないで。突然悪夢が訪れるんだけど、 悪夢と同居して平然と生きていけちゃう。それが今の日本の日常じゃないですか。みんな、目をそむけたくなるような現実にも、 すぐに何となく慣れてしまう。

――なるほど。では"レンタル家族"というアイデアはどこから?

園子温 大学時代に僕の知りあいがですね、雑誌 「SMスナイパー」のモデルをやっていたんです。で、「本職は何?」って訊いたら「レンタル家族」って彼女は答えた。 よくよく聞いてみるとすごく面白くって、これはいつか映画にできるかも、って思ったのが最初ですね。まだ80年代のこと。たとえば、 父親と娘という設定でホテルで、こんなやりとりが行われる。自分でシナリオを書いてきた父親役が「こんな男がうちの会社にいるんだ、 どうだい」と言うと、娘役がアドリブで「私はお父さんを捨てて嫁になんていけません」と返す。すると頬をひっぱたいて「バカ!  嫁に行け!」って(笑)。そういうやりとりを延々2時間くらいやって終了。イメクラやコスプレの元祖ですかね。 そこではセックスではなく"思い出の構築"が売り買いされていたわけで、いろんな関係性が弱っている現在は、 "レンタル家族"の需要は80年代よりも増しているはずです。

――本作はその"レンタル家族"のロジックで、家族という関係性を一度バラし、何が見えてくるのかを追求した映画とも言えます。

紀子の食卓5園子温 父親が"父親"を演じ直す中で、 父性を復権させることができるんじゃないか……と、終盤はそういう展開になっていくんですが、一方で、 それだけで終えたくはなかったので、ユカが、まだ名付けようもない未来に向かっていくというベクトルも出してみました。 要するに"閉じた世界"に無理やり関係させようとする力への反発、もっと言えば「幸福を強制する家族」への疑義が、 この映画のテーマの底辺にあるんです。光石研さん演じる父親は娘たちに「幸せになろうよ」と何回も懇願する。 母親は幸福な家族像をデフォルメした絵を描いている。あれがこの一家の嘘を最も象徴していて、虚飾の幸せを創りだし、 そこに身を委ねさせようとしたからこそ娘たちは反発した。それって今日の未成年犯罪、 一見普通の家庭から突飛良しもない犯罪が起きるときのキーポイントだと思います。

――その、光石さん扮する父親像にモデルはいるんですか?

園子温 僕の父親も入ってますよ。けっこう厳しい人でね。 でもそれだけではなく、いろんな人物が入り込んでますね。ひとつ気をつけたのは、父と娘たち、 双方とも突出して病んでいるような描写は入れないようにしようと。 目に見える理由があって互いがはぐれていくというのでは分かり易すぎる。そんな明瞭なものが原因で憎みあう時代ではないですからね、 今は。ちょっとしたすれ違いで別れていくほうが怖いし、哀しいし、淋しいし、何よりも現代的。

――ところで、『奇妙なサーカス』(05)ではニーノ・ロータのパロディを意識して、音楽をつけられたそうですが、今回は?

園子温 僕が作った楽曲は『ディア・ハンター』(78) のメイン・テーマ「カヴァティーナ」、ジョン・ウィリアムズの柔らかなギターの音色のイメージですね。それから劇中、 マイク真木さんの名曲「バラが咲いた」を流したのは、ノスタルジーではなく、デヴィッド・リンチ的な方法論なんですよね。 『ブルーベルベット』(86)に流れるボビー・ビントンの同名オールディーズやロイ・オービソンの「夢の中に」みたいな、 あの不可思議な感触を「バラが咲いた」で出したかった。懐かしいメロディの持っている"恐怖感"ってあるじゃないですか。スタンリー・ キューブリックもよくやっていた、あれですよ。リンチ作品って、ぜんぜん繰り返し観たい映画ではないんですけど、好き嫌いを超えて、 圧倒的な体験として僕の体の中に染みついている。特に音の使い方は影響を受けていますね。

監督:園子温(SONO SION)
愛知県豊川市生まれ。17歳で詩人デビュー。「ユリイカ」「現代詩手帳」 に続々と詩が掲載され、 "ジーパンをはいた朔太郎"と称される。法政大学入学後、『俺は園子温だ!』(85)がPFF入選、『男の花道』 (87)でグランプリを受賞。PFFスカラシップ作品として制作された16mm映画『自転車吐息』(90)は、 ベルリン国際映画祭他30以上もの映画祭で招待上映された。続く『部屋』(94)ではサンダンス映画祭審査員特別賞を受賞。 また映画制作を続ける一方、街頭詩パフーマンス「東京ガガガ」を主宰し、一大ムーブメントを起こす。 2001年末には物議を呼んだ衝撃的な作品『自殺サークル』が公開され、劇場の観客動員記録を塗り替えるスマッシュヒットとなり、 海外でもDVD化され話題になる。05年『夢の中へ』『奇妙なサーカス』が連続公開。06年にはTVドラマ「時効警察」の2話を監督。 また公開待機中の作品に、『HAZARD』『気球クラブ、その後』『エクステ』がある。今、もっとも目が離せない映画監督である。

<フィルモグラフィー>
映画
『俺は園子温だ!!』 (1985)※PFF入賞
『男の花道』 (1987)※PFFグランプリ
『自転車吐息』 (1990)※ベルリン国際映画祭正式招待
『部屋』 (1994)※サンダンス映画祭審査員特別賞
『桂子ですけど』 (1997)
『うつしみ』 (1999)
『0cm4(パリコレクションバージョン)』 (1999)
『自殺サークル』(2001)
『夢の中へ』 (2004)
『ノーパンツガール 大人になったら』 (2005)
『奇妙なサーカス』(2005)※ベルリン国際映画祭 ベルリナーレリーダーズ賞
『紀子の食卓』(2005)カルロヴィヴァリ国際映画祭 特別表彰&ドンキホーテ賞
※ニューモントリオール映画祭/フィルムフェストハンブルグ/ケララ映画祭
 フィラデルフィア映画祭/シンガポール映画祭/香港映画祭/ブエノスアイレス映画祭
   プチョン国際ファンタスティック映画祭 他正式招待 
TV
「時効警察」(第4話&第6話) 脚本・監督 (2006)

C R E D I T

CAST
吹石一恵
つぐみ
吉高由里子

並樹史朗
宮田早苗
三津谷葉子

安藤玉恵
渡辺奈緒子
季鐘浩

古屋兎丸
手塚とおる

光石研

STAFF
原作・脚本・監督:園子温

エグゼクティブプロデューサー 諸橋裕
プロデューサー 鈴木剛
撮影 谷川創平
録音 池田知久
美術 藤田徹
編集 伊藤潤一
音楽 長谷川智樹
助監督 天野修敬
特殊造形 西村喜廣
スチール 黒田光一

テーマ曲 「Lemon Song」(作曲:園子温 編曲:長谷川智樹)
挿入曲 「バラが咲いた」 (作詞、作曲:浜口庫之助) 唄:マイク真木

2005/日本/35mm/158分/
製作:マザーアーク 配給:アルゴ・ピクチャーズ

http://www.noriko-movie.com/

K's cinemaにて9月23日より衝撃のロードショー

2006/09/06/16:11 | BBS | トラックバック (0)
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