ファミリー・ツリー

映画「ファミリー・ツリー」
オフィシャルインタビュー

アレクサンダー・ペイン (監督)
ジョージ・クルーニー (マット・キング役)
シャイリーン・ウッドリー (アレクサンドラ・キング役)

公式

2012年5月18日(金)より、TOHOシネマズ 日劇他 全国ロードショー

STORY  オアフ島で美しい妻と二人の娘、多くの親類に囲まれて順調な人生をおくるマット・キング(ジョージ・クルーニー)は突然の悲劇に見舞われる。ボートの事故で、最愛の妻エリザベスがこん睡状態に陥ってしまったのだ。さらに、妻には恋人がいて離婚を考えていたことまでが発覚する。友人だけでなく、長女までがその事実を知っていたことに愕然としたマットは、否応なしに自分の家族と人生をもう一度見つめ直し、向き合うことになる。その一方で彼は、祖先より受け継いだハワイの広大な土地を売却するか否かという重大な決断にも迫られており、親族らの家族会議が開かれているさなかでもあった……。
全編を彩るハワイアン音楽、悠々たるハワイの絶景を背景に、自身のルーツ、人生の選択、家族の再生に向き合う男を、ジョージ・クルーニーが絶妙に演じ、圧倒的な感動で満たす――。

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ジョージ・クルーニー(マット・キング役)オフィシャル・インタビュー

1961年、アメリカ、ケンタッキー州生まれ。大ヒットTVシリーズ「ER/緊急救命室」(94~09)の医師役で人気を獲得、ゴールデン・グローブ賞、スクリーン・アクターズ・ギルド賞、ピープルズ・チョイス、エミー賞にノミネートされる。映画『アウト・オブ・サイト』(98)でオスカー候補となる。2000年、『オー・ブラザー!』(00)でゴールデン・グローブ賞の映画ミュージカル/コメディ部門最優秀男優賞を獲得する。2002年には『コンフェッション』で監督デビューを果たし、ナショナル・ボード・オブ・レビューのスペシャル・アチーブメント・イン・フィルム・アワードを受賞する。2006年、『シリアナ』(05)でアカデミー賞最優秀助演男優賞を獲得する。監督第2作の『グッドナイト&グッドラック』(05)でも、同年同賞の監督賞とオリジナル脚本賞にノミネートされるという快挙を成し遂げ、ゴールデン・グローブ賞2部門、BAFTA2部門、SAGアワード、インディペンデント・スピリット・アワードにもノミネートされる。2009年、『マイレージ、マイライフ』(09)でアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、SAG、BAFTAの最優秀助演男優賞にノミネートされ、ナショナル・ボード・オブ・レビューとニューヨーク映画批評家協会賞を受賞する。

『ファミリー・ツリー』4――映画を作るのに最も重要なことはなんでしょうか。

ジョージ まず、良く出来た脚本が必要だ。脚本はいろいろな面で決め手になるものだからね。本作では、脚本を手がけたのが現在活躍中の一流監督の一人であるアレクサンダー・ペインだ。となったら、全てを監督の手にゆだねて、「やりすぎかな?実存的リアリズムを15%減らすか?」と聞けばいい。監督が全部、補佐してくれるからね。でも、とにかく僕は映画を作ることが好きなんだ。公開作品が続くことを祈るけど、映画を作ること以外はあまり気にならないよ。

――父親の役を演じるのは珍しいという印象があります。

ジョージ 実は、(父親役は)前にもやったことがあるんだ。過去に数本の映画で父親役を演じているし、夫を演じた作品も数本ある。でも、『ファミリー・ツリー』は今までの役とは違うんだ。もっとずっと感情が絡んでいるし、家族とのつながりが強い作品だからね。この作品で唯一苦労したのは、素材をうまく活かしたいと思ったところだ。クセのある作品だからね。映画は、要するに、妻が昏睡状態になったところから始まる。いわば、人が“一人前になる”成長のストーリーみたいなものだけど、その一人前になるのが50歳の男なんだよ(笑)。だから、この役を適切に演じる方法を会得するにはコツが要る。でも、繰り返しになるけれど、とにかく良く出来た脚本だったからね。良い脚本を手にしたら、なにも……ね?脚本が良いものだったら、(役者の)仕事はずっと楽になるものなんだ。

――よく冗談を言っているそうですが、なにか理由があるのですか?

ジョージ 常に何かをしていることが好きなんだ。僕はテレビ・シリーズの『ER緊急救命室』に何年も出演していて、子供とも一緒に撮影をしたから、どうやって撮影場所を盛り上げるかが分かるんだよ。

――この映画に出演した経緯はどのようなものだったのでしょうか?

ジョージ 良い脚本からダメな映画を作ることは可能だが、ダメな脚本から良い映画が作られることはない。だから、まず良く出来た脚本から作り始めることが肝心なんだ。でもこの映画の場合は、僕はアレクサンダー・ペイン監督と仕事がしたいとかなり前から思っていたんだ。機会があって監督とトロントで夕食を一緒にした時、彼が僕に脚本を送ってくれると言ったんだ。実を言えば、僕はどんな脚本だろうと関係なく出演しようと思っていたんだよね。フィルム・メイカーとして彼は今まで一度もミスをしたことがない人だからね。脚本を読んでみて、自分はとても運がいいと思ったよ。

『ファミリー・ツリー』5――ご自身の映画のキャリア初期についてどのようにお考えですか?

ジョージ 僕は、『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』(97)や『ピースメーカー』(97)に出演したが、あれは一種の助走のようなものだね。役者として仕事を手にし始めた時期というのは、とにかく、「ノー」と言わずに仕事を受けるものなんだ。テレビに出演していたし、かなりの数のテレビ・シリーズに出演し、2、3本の映画に出るようになった時だったから、とても嬉しかった。でも、僕もだんだん分かってきたんだよ、自分の責任範囲が、単に演じる役だけではなく、これから作る映画全体に及ぶってことがね。おかげで、次に取り組んだ3本の脚本は、『アウト・オブ・サイト』(98)、『スリー・キングス』(99)、『オー・ブラザー!』(00)と、とても良く出来た脚本だった。あの3本にたどり着けてラッキーだったよ。その後は、できるだけ良く出来た脚本に焦点を絞るようにしている。それともう一つ確認していることは、一緒に組む監督と互いに理解しあうこと、同じタイプの映画を作りたいと考えているかどうかってことだ。それに、素晴らしい人たちと協力することは、役者にとっては自分の身を守ることにつながる。つまり、自分の多くの欠点を隠せるからね。(小声で)アレクサンダー・ペイン監督も僕の悪いところを隠してくれているよ。この作品は「エモーショナルなこと」だけじゃなくて、「家族」という要素にすごく結びついているから難しかった。(この役の時は)「自分をそのまま見せているだけだから簡単だよ」と言う役者がいるけれど、本当に自分自身を演じることは役者にとっては一番大変なことだよ。

――今回の役柄とキャラクターについてどのように考えていますか?

ジョージ 彼(マット・キング)はナイス・ガイで、仕事熱心だ。彼としては家族によく尽くしているし、何もかも適切にやっていると思っているんだ。だから、子供たちが失敗し、妻が煙草を吸って酒を飲み浮気をしていたとしても、彼はそんなことになっているとはまったく気づかない。でも、ある事件が起きて、この男は自分が今まで主張してきたものを全部失ったことを認めざるをえなくなる。彼には人を見抜く力がないんだ。これは面白いキャラクターだと思う。監督とずいぶん話し合ったんだが、(彼に必要なのは)許すこと、受け入れることだ。妻を許すとか彼女がやったことを許すというだけではなくてね。いわば、人としての失敗を許すことだ。こういう考えがあるから、この役は面白いと思ったね。

シャイリーン・ウッドリー (アレクサンドラ・キング役)オフィシャルインタビュー

1991年、アメリカ、カリフォルニア州生まれ。母親のすすめで5歳の時から演技を始め、コマーシャル出演からキャリアをスタートする。1999年、「リプレイシング・ダッド」でTV映画初出演を果たす。その後、「女検死医ジョーダン」(01~04)、「The O.C.」(03~04)、「ジャック&ボビー」(04~05)などのTVシリーズに出演する。TV映画「ア・プレイス・コールド・ホーム」(04)に出演後、「アメリカン・ガール/フェリシティの冒険」(05)では主演に抜擢され、注目される。さらに、「マイネーム・イズ・アール」(06)、「コールドケース」(07)、「CSI:ニューヨーク」(07)、「女検察官アナヴス・チェイス」(07)などのTVシリーズにゲスト出演する。続いて記録破りのヒットTVシリーズ、「ザ・シークレット・ライフ・オブ・ジ・アメリカン・ティーンエージャー」(08~11)で大ブレイクし、批評家からも高く評価される。エンターテインメント・ウィークリー誌からは、「2008年ブレイクスルー賞」を受賞し、2009年と2010年にチョイスTVドラマ女優賞他、2つのティーン・チョイス賞にノミネートされ、2011年にも候補に挙がった。映画初出演となる本作でもナショナル・ボード・オブ・レビューを受賞、いま最も期待される若手女優である。

『ファミリー・ツリー』メイキング2――オーディションではどうやってアレクサンダー・ペイン監督の気持ちをとらえたのでしょうか?

シャイリーン それは覚えていません。本当に覚えていないんです。でも覚えていないというのはオーディションがうまくいったということの証ではないかと思います。この映画のなかには撮影したことを覚えていないシーンがいくつかあります。他の人の撮影風景は覚えていても、自分がそのシーンで何をやったかは覚えていません。そういう記憶があるかどうかは、本当に存在感を発揮できたかを判断する決め手になると思っています。

――あなたが演じたアレクサンドラ(通称アレックス)は、どういう人でしょうか?

シャイリーン ごく普通のティーンエージャーですが、不安な時期を経験しています。彼女は子供の時に自分とお母さんとの関係が、母子というよりは親友に近いものになるだろうと思っていました。それに、お父さんとは隔たりがあって、そこにいるにしても家族と仲が良いわけではありません。そのため、彼女は心に壁を作って閉じこもり、自分で自分を守っているような状態でした。だから、とても小さい時に独立したんです。その後でこのストーリーが始まると、悲しい展開に巻き込まれた彼女はもろい面をさらけだし、自分の壁を壊すことになります。生まれて初めて、一人ではなくて人に依存し、共依存する立場におかれます。つまり、彼女は機能不全に陥った家庭と10代を経験しているごく普通のティーンだと思います。

――この役には共感できますか?

シャイリーン ええ、もちろんです! 私も不安な時期を経験していますから。でもそんな時期はすぐに終わったので、自分の経験はこの役にそれほど助けにはなっていませんね(笑)。演じるというのは、あるキャラクターの色とか制約のなかで自分自身を見せることではないかと考えています。だから、私は自分の経験を参考にするとか、考えすぎることがないようにしています。それよりも、キャラクターが経験しなければならない状況に身を置いてみることにしています。

『ファミリー・ツリー』2――ある意味で、あなたの演じた17歳のアレクサンドラのほうが、ジョージが演じている50歳の父親よりも大人です。娘は父に何かを教えていますか?

シャイリーン ある面では間違いなくそうですね。……ティーンエージャーというのは、彼らの”実際”が本当か架空かに関係なく、本人は何でも知っていると思っているので、普通の大人よりも大人っぽく見えるんじゃないかと思います。なぜなら大人は自分の殻のなかに閉じ込もったり、隠れたりすることが多いからです。アレクサンドラが父に教えることは、人との関わりだと思います。彼はいつでも後ろに引っ込んでいて、一歩離れたところにいる人です。映画では彼が自分のそういうところを後悔する場面があります。娘は率直で前向きなので、父も娘に負けてはいられないと変わらざるをえなくなり、それが結局は二人の間に親密な関係を築くきっかけになります。

――ジョージ・クルーニーとの共演で最初のチャレンジとなったのは、彼がジョージ・クルーニーという点でしたか?

シャイリーン ロサンゼルスで読み合わせのために彼が部屋に来るまでは、それほどドキドキはしていなかったんです。でも彼を見たら冷や汗が出て、手が震えました。でも、彼はそばに来て私をハグしてくれて、「ようこそ、お嬢さん」と言ったんです。それで、すぐに怖い気持ちは消え去りました。彼はとっても素晴らしい人です。私は、ジョージ・クルーニーという有名な映画スターとしては見ていません。彼はジョージ・クルーニーという名前のケンタッキー出身の優しい人というだけです。そしてすべての面でダイナミックな人です。

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ファミリー・ツリー 公式
監督:アレクサンダー・ペイン、脚本:アレクサンダー・ペイン、ナット・ファクソン、ジム・ラッシュ
出演:ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー、ボー・ブリッジス、ジュディ・グリア、アマラ・ミラー
2011年/アメリカ/カラー/115分/ 配給:20世紀フォックス映画 ©2011 Twentieth Century Fox

2012年5月18日(金)より、TOHOシネマズ 日劇他 全国ロードショー

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