ひぐらしのなく頃に 誓
4月18日(土)より、
池袋シネマサンシャイン・渋谷シアターTSUTAYA他全国ロードショー
昨年大ヒットを記録した『ひぐらしのなく頃に』。
続編を望む多くのファンの声に応え、待望の<解答編>が誕生!
原作者・竜騎士07シナリオ総監修による映画版オリジナルのラストシーン。
雛見沢村の謎がついに明らかになる!
さまざまなメディアで大ヒットを続ける「ひぐらしのなく頃に」。その集大成として昨年映画化された前作は、中高生を中心に大ヒットをし社会現象とまでなった。
原作の「ひぐらしのなく頃に」では<出題編>と<解答編>が用意され、パラレルワールドのように複雑に構成されることで独自の“ひぐらしワールド”を作り上げ、熱狂的なファンを多く魅了してきた。前作では「鬼隠し編」を中心に構成された物語であったが、本作はその<解答編>となる「罪滅し編」を中心に物語が作られている。前作では多くの謎を残したまま、解決されなかった惨劇を本作では時間を元に戻し、徐々にその謎を紐解いていく。
雛見沢村に隠された秘密とは。「オヤシロさまの祟り」の真相とは。
「ひぐらしのなく頃に」のシリーズに隠された謎が、本作品のエンディングで全て明らかにされる――。
キャスト・スタッフのメンバー再集結!
「ひぐらし」独特の世界観は更にパワーアップし、
前作をはるかに超えるスケールで描き出された新たな世界。
監督・脚本は前作に引き続き本作品でも「ひぐらし」の原作を徹底的に研究し、前作以上にリアリティを追求した及川中。実写ならではのオリジナルな世界観を見事に作り上げた。キャストは前田公輝、松山愛里、飛鳥凛、あいか、小野恵令奈(AKB48)とフレッシュな主人公5人も再集結し、各キャラクターの個性を演じわけ更なる成長をみせている。さらに重鎮である大杉漣が本作より新たに参加し、ベテランらしいメリハリのある演技で深みを与えている。また本作品には重要なロケ地も前作とほぼ同じ長野県伊那などを中心に、セットは使わず、ほぼオールロケで撮影された。この作品独自のストーリー展開と壮大なクライマックスシーンにより、前作を超えるエンターテイメントな物語に仕上がっている。
「人か祟りか偶然か――」のどかな村・雛見沢(ひなみざわ)で毎年起こる惨劇。
それは夏祭りの“綿流しの夜”に、1人が死に、1人が消える怪奇。
人口2千に満たないこの村で、“それ”は今年も起こるせん。
昭和58年初夏。某県鹿骨市雛見沢。竜宮レナは両親が離婚し、父親と一緒に茨城から人里離れたこの雛見沢村に1年前に引っ越してきた。全学年合わせて15人程の分校には、東京から最近引っ越してきた前原圭一と、活発でクラス内のリーダーシップをとる園崎魅音、神社の巫女で神秘的な雰囲気を持つ古手梨花、いたずら好きでおませな北条沙都子たちが明るく楽しいのどかな毎日を過ごしていた。
母親の浮気がきっかけでレナの両親は離婚。そうなった原因がすべて自分にあると思い込んでいたレナの精神はそこから乱れ始める。転校前にいた学校では、妄想に取り付かれたようになり、校内暴力事件を起こしていた。そんなトラウマを持つレナは、父の新しい恋人・律子になかなか馴染めずにいた。ある日、律子には鉄平という愛人がいて、父の財産が目的で近づいたということを知ってしまう。ダム工事現場のゴミ山で律子を問いただすレナ。激昂した律子に襲い掛かられたレナは、「父親を守るために、今の幸せを守るために」と律子と鉄平を衝動的に殺害してしまう。様子のおかしいレナを心配した圭一たちは、レナを探しにゴミ山に向かい、死体処理の現場に遭遇してしまう。事情を聞き、レナの異変に気付けなかったこと、こうなってしまう前にレナを助けてやれなかったことを悔やんだ圭一たちは「仲間として助け合おう」と誓い合い、森に5人で死体を埋めた。しかし一度は仲間たちを信頼したレナだったが、再び疑心暗鬼に囚われ、次第に仲間たちを信じることができなくなっていった。
そんな時に雛見沢事件をひそかに調べている鷹野に、山中で倒れているところを介抱されたレナ。「傷口から……ウジ虫が溢れ出した……」と、うわ言を聞いた鷹野は、1冊のスクラップブックを預けた。そこには“オヤシロさまの祟り”と呼ばれているものの正体が書かれているという……
そして綿流しの翌日、カメラマンの富竹の死体が発見され、鷹野は行方不明になってしまう……。
鷹野のスクラップブックに影響をされ、そこに書かれた説を信じ込んだレナはさらなる疑心暗鬼にとらわれ、仲間たちを完全に拒絶する。一方、圭一は別世界(『ひぐらしのなく頃に』で圭一が起こした事件)で犯した自分の罪=まさに今のレナのように疑心暗鬼に陥り、そこでのレナや魅音を殺害してしまった記憶が甦る。
そんな時、精神的に追い詰められたレナは、ある決意のもと、圭一たちクラスメート全員を人質に取った学校占拠事件を引き起こしてしまう。かつての自分と同じ境遇に陥っているレナを救うために説得を続ける圭一。そしてついにレナの疑心を振り払うことに成功するがしかしその時……。
4月18日(土)より、
池袋シネマサンシャイン・渋谷シアターTSUTAYA他全国ロードショー
及川中監督インタビュー
監督・脚本:及川 中(おいかわ あたる)
1957年9月5日生まれ。東京都出身。
マガジンハウスで雑誌編集者として勤務しながら、高橋伴明監督『DOOR』(88)で脚本家デビュー。退社後、『オクトパスアーミー/シブヤで会いたい』(90)で監督デビュー。95年に発表した『日本製少年』は東京国際映画祭アジア秀作部門に選出された他、内外の映画祭で高い評価を受けた。99年、菅野美穂主演『富江』を脚本・監督。同作はレイトショー公開の劇場記録を塗り替えるなど、ジャパニーズホラー・ブームの一翼を担うヒットを収めてシリーズ化され、海外でも広く公開された。主な作品として、平山あや・宮崎あおい主演『ラヴァーズ・キス』(03)、吉田秋生の人気漫画を映画化した『吉祥天女』(07)、日米合作のホラー『1303号室』(07)、『ひぐらしのなく頃に』(08)などがある。
――続編については前作からすでに構想があったのですか?
続編はあってほしいと思って作っていましたね。「ひぐらしのなく頃に」は原作8編の膨大な物語があります。映画は当然その一部しか描けないので、続編を想定してはしていましたが、ただ最初の作品がうまくいかなければ続編は作れないわけで、仮に映画が一作のみで終わっても原作の世界観がうまく表現できるようにと思って作りました。
謎を振る部分が大きい前作だったので、続編を作るのが決まったと聞いたときはうれしかったですね。
一作目の時に膨大な原作の材料を読み込んでいたので、今回の『誓』は原作のどの“編”をやるのかという具体的な話から入りました。それでかなり早めに“罪滅ぼし編”を中心とした物語にしようという話になりました。竜騎士さんもそこを強く主張されていたし、自分としても同感でした。
前作は「鬼隠し編」と少し「綿流し編」で構成されていて、「鬼隠し編」の解答編としては「罪滅し編」になりますから。前作の圭一に起こったことが、今作はパラレルワールド的な構成でレナの身に起こるので、前作の圭一のエピソードの「解答」がうまく説明できるのか心配でした。圭一に起ったことの理由を今度はレナを通して説明していく構成なので、脚本をプロデューサーやスタッフみんなでかなり練りました。今回も、結果的には「罪滅し編」だけでなく、他の編のエピソードもプラスアルファしてます。レナと圭一の二人の物語を平行的に語るだけに、脚本は2時間をかなり越える尺になってしまった。撮影後編集で大胆に構成を組み立て直したりして、なんとか完成尺にしました。
――本作はどういうイメージ・テーマをもって作られましたか?
原作のファンはもちろん、この映画で初めてひぐらしを知った人に対しても、ある責任感を感じていました。ひぐらしの物語はサスペンスやミステリーの語り口で展開しながらも主人公たちのさまざまなな「心の問題」が描かれています。とりわけ「罪滅し編」は、ひぐらしの中で最も重要なテーマを含んでいる。それで脚本を作るときに竜騎士さんの考えたこと、彼の頭の中にあったことをもう一度深く見つめようと思って取り組みました。
前作は圭一が不可解な出来事に巻き込まれるというある意味典型的でストレートなサスペンス・ホラーの話でしたが、『誓』では、レナという少女の内面に起こる崩壊が、雛見沢村の壮大な謎と具体的にリンクするという非常に複雑な構成になっています。
前作に増してプロデューサーをはじめスタッフと真剣に、この続編において主人公たちをどう描くかについては激論を交わしました。なぜレナが追い込まれていったか、レナを救おうとする圭一たちがどんな思いで今回の事件に立ち向かっていくのか……そうやって物語に向かい合いながらあらためてわかったことは、ひぐらしは今の時代を生きている若い人たちのための話であるということです。ずばりテーマを言ってしまえば、仲間に対する「不信」と「信頼」ではないでしょうか。今の時代は疑心暗鬼や妄想に追い込まれやすい時代なのかも知れない。気持ちや情報を伝え合う手段も多様で、その分逆に「本当」と「嘘」の見分けに戸惑っているような……だから、圭一がクライマックスのシーンでレナに向かって切々と語りかけるシーンは最も重要だと思いました。圭一は、レナに向かってだけでなく、かつて「不信」や「妄想」にとりつかれた自分自身、そして観客の若者たちにも言い聞かせます。「仲間を信じろ!」と。
――苦労されたところについて
なんと言ってもクライマックスの屋根の上のシーンです。屋根の上で鉈とバットで戦う圭一とレナ。当初は実写で映像化するのはあり得ないシーンだと思っていました。笑。リアリティのある場面にする自信は全然なかった。でも、やるからには見応えのあるシーンにしたかったので、スタントチームと共にアクションとしてしっかり描こうと覚悟を決めました。最初は高い屋根の上は危ないのでセットでやろうとしましたが、それではギリギリの状況で対峙する圭一とレナの気持ちは描けないと思い直しました。結果、撮影現場もギリギリの極限状況に追い込まれてしまいましたが。
この場面は、単にアクションだけのシーンではなく、二人の魂が激しくぶつかり合います。屋根の上でなぜ二人が対峙する必要があったのか、撮影の直前まで何度も考えました。原作では屋根のシーンは月夜の晩ですが、私はあれだけ悩み苦しんだ二人だから突き抜けるような青空の下で向かい合わせたいと思ったんです。
いや、本当に危険な撮影でしたよ。怪我人が出なくて本当に良かった(笑)。
面白かったのは、スタッフの多くがあり得ないと思ったシーンが、だんだん撮影をしていくうちに、疑問ではなく「必然」に変わっていったことです。つまり屋根の上で若い二人が命がけで戦う意味が、大人の私たちにもわかったような気がしました。そして、あらためて竜騎士さんの考えた物語に納得し敬服したんです。リアリティを超えた描写で普遍的なことを語る事もできるんだ、と勉強させられましたね。この屋根のシーンでの言葉のひとつひとつが「今の時代の若い人たち」にきっと響くはずだと思っています。
――レナと圭一
キャストは運よく前作の5人のメンバーに揃ってもらえたのでよかったです。
前作で確信を持って選んだフレッシュな俳優たちですが、今回は5人ともに俳優として成長した姿を確認することができました。
特に今回の主役でもあるレナ役の松山愛里さんは大変だったと思います。何度も話し合い、彼女も私も厳しい態度で役作りに当たりました。殺陣の練習を怪我をしながらも濃密にやり、体力的にも精神的にも極限まで自分を追いつめて、現場中に本当に倒れてしまうほど頑張ってレナを演じ切りましたね。
前田君は「男の子」から「男」の変わり目の時期にいて、ぐっと頼もしい俳優に成長していました。今の前田君自身の揺れ動く気持ちを圭一の気持ちにうまく融合させて迫真の演技をしてくれました。
屋根の上のシーンでは、二人とも命綱を外しての熱演でした。激しく冷たい雨水に何度も打たれた後、二人の体は震えが止まらず、体に触れたら氷のような冷たさでしたよ。
――さらなる続編に関して
映画版の「ひぐらしのなく頃に」という物語は、一応この続編で解答を出したと思っていますが、彼らの本当の敵、この壮大な物語の本当のオチは残ってしまうわけで、続編なのに解決していないという意見は当然あるでしょう。でも、原作の「罪滅ぼし編」を中心に映画化した『誓』は「ひぐらしのなく頃に」の中で最も重要なエピソードであり重要なテーマを含んでいると、作り終えて実感しています。雛見沢の少年少女たちのドラマ、彼らの考えていること、置かれている状況、悩みなど、基本の物語については一応の完結を見せたつもりですが、とてつもなく大きな敵と最大の謎をちらつかせながら終わっているので、さらなる続編、映画版の「完結編」が作れたらうれしいですね。
スタッフ
監督・脚本:及川中 撮影:鍋島淳裕 照明:三重野聖一郎 録音:深田晃 美術:松塚隆史
装飾:石毛朗 編集:滝沢雄作 原作:竜騎士07 主題歌:島みやえい子 音楽:川井憲次
出演
前田公輝,松山愛里,飛鳥凛,あいか,小野恵令奈,大杉漣,
川原亜矢子,田中幸太朗,三輪ひとみ,矢部美穂,大高洋夫
2009年/日本映画/カラー/ヴィスタサイズ/dtsステレオ/1時間48分
(C) 2009竜騎士07/オヤシロさまパートナーズ
配給:ファントム・フィルム 宣伝協力:スキップ
higurashi-movie.com
4月18日(土)より、
池袋シネマサンシャイン・渋谷シアターTSUTAYA他全国ロードショー
コレクターズエディション(初回限定生産)
- 監督:及川中
- 出演:前田公輝, 飛鳥凛, 松山愛里, あいか, 小野恵令奈
- Frontier Works Inc.(PLC)(D)
- 発売日: 2008-11-21
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