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『アイドル・イズ・デッド-ノンちゃんのプロパガンダ大戦争-』初日舞台挨拶レポート

『アイドル・イズ・デッド-ノンちゃんのプロパガンダ大戦争-』初日舞台挨拶レポート http://idolisdead.com/

2014年1月11日(土)より、テアトル新宿にてレイトショー他全国順次公開

アイドル・グループBiS主演映画の第2作『アイドル・イズ・デッド-ノンちゃんのプロパガンダ大戦争-』が1月11日、テアトル新宿にて公開初日を迎えた。立ち見も売り切れる盛況となる中、BiSのプー・ルイとヒラノノゾミ、共演者の柳英里紗、三浦透子、金子沙織、國武綾、大島葉子、三輪ひとみ、水澤紳吾、そして加藤行宏監督が登壇する舞台挨拶が行われた。(取材:深谷直子)

プー・ルイとヒラノノゾミ
プー・ルイとヒラノノゾミ
本作は、音楽×映画のコラボレーション映画祭「MOOSIC LAB 2012」で発表され観客賞を受賞した『アイドル・イズ・デッド』(12)の続編。メンバー2人が殺人罪に問われて投獄され、さらに電力会社の陰謀計画に巻き込まれてバラバラになりながらも、傷だらけで再結成を目指すBiSの姿をブラック・ユーモアたっぷりに描き出す、さらにアナーキーなアイドル映画となっている。

プー・ルイとヒラノの「ぷーぷーぷーぷーおならプー!」、「きりたんぽうめぇよ?みんな、秋田のことなめたらのんのんのん!」というキャッチフレーズの自己紹介から舞台挨拶はスタート。公開を待ちかねていたファンは愛くるしい二人の姿に熱い歓声を送った。そんな様子にプー・ルイは「感慨深いです。こうやって無事に初日を迎えられるとは思ってなかったので……、『1』の悪夢があったので」と前作が上映ギリギリにやっと完成したという大変な映画作りであったことを思い出しながらコメント。また、「本人役を映画で演じることに苦労はありましたか?」との質問には「あんまり自分と変わらないように役を作ってもらっていたのでそうでもなかったです。なのに棒読み過ぎて監督からずっと注意されて……」と明かした。

本作は、タイトルのとおり「ノンちゃん」ことヒラノが大奮闘する内容になっている。ヒラノを主演に抜擢した理由について、加藤監督は「ノンちゃんは女優としてのポテンシャルがすごくあるというのを期待して、それと『1』のときのノンちゃんの演技がよかったという反響があったので、主役をやってもらいました」と、女優志望のヒラノに賭けた思いを熱く語った。一方ヒラノは「『1』を観ていない方にもBiSを知らない方にも面白く観ていただける映画だと思います。このパラレル・ワールドを楽しんでいただけたらと思います」とアイドル映画の概念を破る作品の魅力をアピールした。

本作で結成された原発推進アイドルのエレクトリック★キスのメンバーも舞台挨拶に勢揃い。カズハ役の柳英里紗はBiSのふたりに引き続き「ワット!アンペア!」と劇中キャッチフレーズで自己紹介を始め、公開初日の上映前にかなりの無茶ぶりと思われたところ、エキストラ参加者なのだろうか、場内のあちこちから「エレキテル~!」というノリのよいレスポンスが上がり、本作ファンのポテンシャルの高さを感じさせる一幕だった。また、ジュン役の三浦透子は、「監督から『理解しなくていい、思いっきりやってほしい』と言われたので全力でやりました」と、アキナ役の金子沙織は「こういう非現実的な作品は体験したことがなかったので、私も全力でやらせていただきました」と、アイドルとしての可愛さと悪役ならではのハードさを求められる破天荒な役をやりきったことに満足げだった。柳英里紗、三浦透子、金子沙織 柳英里紗、三浦透子、金子沙織國武綾國武綾 大島葉子と三輪ひとみ大島葉子と三輪ひとみ

舞台中心に活動し、昨年は大根仁監督の『恋の渦』(13)や今泉力哉監督の『サッドティー』(13)で映画に進出して注目を集める國武綾が、謎のキャラクター・コッピ役として本作にも出演。撮影前々日ぐらいに拉致されて出ることになったとのことで、「そうですね、気付いたら灰色のスウェットを着せられていたという感じでしたが、楽しく踊りを踊ったり、予想していなかったことが次々起こって楽しかったです」と飄々と語り、アイドル役のキャストたちに負けないぐらい声援を集めていた。

今はまったく別の道を歩むキャリア風イイ女たち、でも実はかつてアイドル・ユニットを組んでいたウメコとタケコを演じたのは、大島葉子と三輪ひとみという実力派女優。映画をピリッと引き締める二人だが、現場では保護者の目でみんなを見守りながら過激な設定を楽しんでいたよう。大島は「ノンちゃんとの絡みが多かったんですが、すごく可愛らしくて、アクションも多いので『大丈夫かなあ……』と思っていました。でもライヴを見たらすごく本格的でノリノリで、『これだな!』って思いましたね。あのライヴ・シーンは迫力があってすごくよかったですね。しんどかったですけど……、モッシュ(笑)。初モッシュしましたよ!」と本作ならではの体験に今も興奮が忘れられないようだった。三輪は「結構激しい役だったのですが、面白く楽しくやらせていただきました。若い子たちがワイワイやってるのを見るのが楽しくてね……」としみじみ語って、場をほっこりムードで包んでいた。

そのあと「BiSファンの皆さん、本当にあけましておめでとうございます!」とろれつの回らない挨拶で場内を唖然とさせたのは、前作に引き続きノンちゃんに入れ上げる今澤役の水澤紳吾。景気付けにか焼酎を1本空けてきたとのことで、プー・ルイのエピソードとして脱退したテラシマユフの話をしてしまい、「人違い! そこはいちばん間違えちゃダメ~!」と責められる一幕も。しかし本作では骨のあるところを見せてくれる役どころだけあり、(話は長いが)盛り上げてくれた。「『1』の最後の、ライヴにみんなで行くっていうシーンの撮影が終わった瞬間に、朝ですよ、こんなに小さいステレオから「nerve」が流れて。そしたら撮影の岩永さんとか照明の長田さんとかみんな振付を覚えてて、イエーイって踊ったんですよ! 水澤紳吾水澤紳吾 加藤行宏監督加藤行宏監督 そのときこの映画やべェ!と思いましたね。(場内爆笑&拍手) そのパート2ですよ!(おお~) スクリーンから目を離さずに観てください!(拍手!)」と、舞台挨拶のクライマックスをさらってしまった。しかしプー・ルイから「いちばん弱いのにいちばん熱い(笑)」とツッコミが入り、たじたじ……と素に戻る姿もまた彼らしく笑いを誘っていた。

マイクはようやく加藤監督のもとへ。まずパート2の初日を迎えた心境を問われ、「なんだかんだで壮絶でしたね。プロット書き始めて1年半ですから、感無量ですよ」と長い映画作りの道のりを振り返ると、プー・ルイからは「『2』で終わるんですか?」との質問が出て、苦笑いを浮かべながら「この映画が成功すればね」と含みある答えで会場を沸かせていた。最後に見どころを訊かれると、「この作品はラストのライヴ・シーンにすべてを賭けた映画です。映画を作るにあたってBiSのライヴをどうにか超えられないかと、すべての点で超えられなくても、1ヵ所でもいいから何か超えるものを映像にして作れないかというのが目標で、それができたんじゃないかと思っているので、ラストのライヴ・シーンを見届けていただければと思います」と、BiSの力を引き出して納得のいく映画作りをやり遂げたことを満足そうに語り、期待をますます高めた観客から惜しみない拍手が送られるなか、舞台挨拶は幕を閉じた。

『アイドル・イズ・デッド-ノンちゃんのプロパガンダ大戦争-』は完売となった初日以降も動員は好調で、テアトル新宿では当初2週間限定公開のところ1週間延長となり、1月31日(金)までの上映が決定となっている。ほか全国でも順次公開されるので、ぜひ劇場の大スクリーン&大音量で感動のライヴ・シーンを見届けてほしい。

(2014年1月11日 テアトル新宿で 取材:深谷直子)

Story

アイドルって何?生き残るのは誰?
史上最強の破天荒アイドル”BiS”が世界を救う!?
前代未聞のアナーキーなアイドル映画!

ひょんなことから先輩アイドルを殺してしまい、半ばアリバイ作りのためになり済ましアイドルとして結成されたアナーキーなアイドルグループ”BiS”(プー・ルイ、ヒラノノゾミ、テラシマユフ)。その後、科学者の手で蘇った先輩アイドル、内紛、メンバーチェンジを乗り越えてライブを敢行した3人だったが、警察の手が迫り、メンバーのプー・ルイ、テラシマユフは殺人罪で逮捕され留置場に拘留されてしまっていたが、奇跡的に罪を逃れていた同メンバーのヒラノノゾミ(=ノンちゃん)は”BiS”を復活させようと、レッスン場の管理人・ウメコ(大島葉子)の元で有志を集って日々レッスンを続けていた。その頃、世間では”ハピネス電力”の幹部・タケコ(三輪ひとみ)がプロデュースするアイドル”エレクトリック★キス”(三浦透子、柳英里紗、金子沙織)が大ブレイクしていた。しかし、ハピネス電力の恐るべき陰謀を知ったノンちゃんは、プー・ルイ奪還のためにとある作戦を決意。新メンバー候補のミッチェル(ミチバヤシリオ)に会いに行くが....。

CREDIT
アイドル・イズ・デッド-ノンちゃんのプロパガンダ大戦争-
出演:BiS(プー・ルイ,ヒラノノゾミ,テラシマユフ,ミチバヤシリオ),
三浦透子,柳英里紗,金子沙織(ex- バンドじゃないもん!),國武綾,大島葉子,三輪ひとみ,水澤紳吾
監督・脚本:加藤行宏|挿入歌・主題歌:BiS(avex trax)|企画:直井卓俊|プロデューサー:加藤行宏, 南陽
特別協力:強瀬誠(深谷フィルムコミッション) 製作:『IID2』製作委員会
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS|カラーシネマスコープ|5.1ch|84分 © 2014『IID2』製作委員会
http://idolisdead.com/

2014年1月11日(土)より、テアトル新宿にてレイトショー他全国順次公開

2014/01/17/13:27 | トラックバック (0)
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