非女子図鑑
5月30日(土)より、
渋谷シアターTSUTAYA他全国順次ロードショー!!
「非女子」だっていいじゃん!!
自分に正直すぎる女子たちの涙ぐましい物<ストーリーズ>語S
今の時代、とかくストレスが多い社会の中で、一昔前ならじっと耐えていた女性たちがガマンをやめて、どんどん自分の欲望のままに突っ走るようになりました。そんな女性たちは世間から見ると「ぶっ飛んだ女」「女を棄てた女」というレッテルを貼られてしまうでしょうが、彼女たちは「私の個性と他人の個性は違うんだ!」「私の快感と他人の快感は違うのよ!」と主張し、ひたすら自分に正直な生き方を貫いているだけなのです。そんな女性たちが「非女子」です。
彼女たちは言います。「非女子だっていいじゃん!自分の幸せは自分で決めればいいんだから!」それは、こんな時代に明るくたくましく生きていくための大いなる羅針盤かもしれません。
ここに、そんな「非女子」たちを主人公にしたショートムービー集『非女子図鑑』が誕生しました。ここではエデンの園のイブ(「非女子」の起源)に始まり、現代に生きる6人の「非女子」が登場します。
オープニングの監督は、映画『呪怨』シリーズで世界を制した清水崇。本作では新境地となる!聖書の世界に挑みました。そして6人の「非女子」を描くのは、ドラマ「時効警察」シリーズや映画『着信アリ2』の塚本連平、映画『真木栗ノ穴』『60歳のラブレター』の深川栄洋、映画『地獄甲子園』『魁!!クロマティ高校』の山口雄大、ドラマ&映画『怪談新耳袋』シリーズの豊島圭介、映画『LOVE MY LIFE』の川野浩司、そしてCFディレクターとして活躍中のオースミユーカ。それぞれ独自の世界を展開する7人の精鋭クリエイターが揃いました。「非女子」を演じるのは7人の魅力的な女優たち。オープニングの“創世記の非女子”には、清水崇監督のラブコールを受ける形で出演が決まった話題の女芸人・鳥居みゆき。そして“現代の非女子”には、ドラマ「ハチワンダイバー」「神の雫」や映画『純喫茶磯辺』などで人気急上昇の仲里依紗、強烈な個性で演劇から映画まで幅広く活躍中の片桐はいり、アクションができるグラビアアイドルとして人気の山崎真実、ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し今売出し中の足立梨花、08年映画『世界で一番美しい夜』で注目を集めた宝塚出身の月船さらら、独特なキャラで多くの映画に出演する江口のりこという顔ぶれ。
さらに「非女子」に相対する男優陣も、今テレビや映画で大活躍中の池田鉄洋、映画『鎧サムライゾンビ』で監督も務めたアクション俳優・坂口拓、イケメン男優として注目を浴びる小西遼生、人気ミュージシャン・スネオヘアー、バイプレイヤーとして名高い佐藤二朗、フレッシュな魅力の田中幸太朗など、超個性的なキャラクターが顔を揃えました。
ひたすら個性的なキャスト&クリエイターが、ひたすら自らの欲望に正直に突っ走る「非女子」を描き出した!『非女子図鑑』は、現代の女性にとって本当のハッピーとは何かを問いかける問題作(!?)です。
清水崇「非女子」を語る!
『呪怨』シリーズで世界を制した清水崇。その作品と言えば、何と言ってもホラー。しかし今回、ホラーとは全く逆のイメージの映画『非女子図鑑』のオープニング&エンディングに挑戦しました。鳥居みゆきを主演に迎え、無事撮影を終えたばかりの清水監督にインタビュー。世界のSHIMIZUは「HIJOSHI」をどう捉えたのか!?
Q:今回、清水監督としても初めての試みだったと思いますが、『非女子図鑑』のオープニングを引き受けたポイントは何ですか?
清水: 実は、最初は豊島組(『占いタマエ!』)のエピソードの打合せの時にたまたま僕が事務所に居合わせたら、「あ、ついでに、どうせなら清水にオープニングを!」という感じになったというか(笑)。とはいえ、僕も面白いことができるならば、是非やりたいなという思いがあったので。逆に(現場は)楽しかったし、いいものができればと思っています。
Q:主演に鳥居みゆきさんを起用した理由は?
清水: 単純に僕が彼女のファンだったというのと、「非女子」という言葉、概念で思い当たるのが、まず最初に彼女だったんです。そういう芸風の方でもあるし、引き受けていただいてよかったです。
Q:実際に演出されてどうでしたか?
清水: もっと大変かなと…。(鳥居さんは)けっこう露出も多い役だったんで大変かなと思ったんですが、難なくこなしてくれて助かりました。あと、自分が「ファンです!」っていう相手と仕事をするのは、ほとんど初めてなので楽しかったです(笑)。
Q:オープニングで一番心がけたこと、こだわった点はありますか?
清水: 普通の何てことないオープニング&エンディングではつまらないし、オープニングでまず「非女子とはなんぞや!」というのをわかりやすくお客さんに提示しなければいけないというのがあったので、そこをクリアしつつ自分なりの面白さをどう表現しようかと、まずアイデアを出すまでが大変でした。
Q:この映画はNCWの映画プロデューサーコースの実習作品でもあるのですが、素人プロデューサーがいきなり劇場用映画をつくるという試みについてはどう思われますか?
清水: 挑戦という意味では実験的な場はないといけないので、すごくいいと思うんです。ただ僕らとしては一番頼るべき、頼りたいプロデューサーが素人というか、初めての人というのはかなり不安ではあるんですね。その辺がうまく、監督含め現場のスタッフが理解した上で成り立っているのであればすごくいいことだと思いますね。というのは、プロデューサーがどうしても上の立場にになっている現場が多いので。そうでない現場はまたそれでありだと思いますし、映画は結果論だと思うので、出来上がったものが面白いものになれば、実験的な場は必要だと思います。
Q:実際に、素人プロデューサーチームと組んで、困った点があったと思うのですが。
清水: 困った点はもちろん色々あったんですが、こっちでプロデューサーに指示を出すというのはあまりないので、逆にそれは楽しかったですね。言えばやってもらえましたし、ぼくも結構そこにかこつけて無理を言っちゃったので。この中には後々、映画制作会社を作る方がいたり、大きな作品を手がける方が出てくると思いますが、その時にまた是非使っていただければと思います(笑)。
5月30日(土)より、
渋谷シアターTSUTAYA他全国順次ロードショー!!
『オープニング&エンディング』
キャスト:鳥居みゆき,大友陸,サラ・B,マヤ・マーシャル 監督・脚本:清水崇
プロデューサー:一ノ宮嘉道,岡元一徳 撮影:田辺司 照明:箕輪栄一 録音:佐藤公章,小泉一真 美術:福田宣 装飾:渡辺誉慶 助監督:高橋雄三 特殊造型/特殊メイク:西村喜廣,石野大雅
[STORY]
ベッドの上に並んで座る西洋人の母娘。娘は母に「私はどうして生まれたの?」と問いかける。「パパとママが愛しあって生まれたのよ」と母。「じゃあ…なんで愛しあうの?」と娘。母は語りだす。「昔々、ずーっと昔、エデンというところにね…アダムという男の子と、イブという“非女子”がいたの」「“非女子”って何?」と娘。
禁断の実が成る樹の下、アダム(大友陸)は浅い眠りの中にいる。イブ(鳥居みゆき)は禁断の実を手に取り、少し躊躇していたが一口かじってしまう。すると今まで感じたことの無い感覚が押し寄せ、身体の異変にモゾモゾと腰をくねらせ、落ち着かなくなるイブ。そのままどこかに行ってしまう。
アダムが目覚めると、イブがいない。そしてそばに転がっている実を口に含むと、やはりビクンと身体に衝撃が走り、性の意識が芽生え“恥じらい”を覚醒させてしまう。葉っぱで下腹部を隠し、イブを探していると、食べかけの実がいくつも足元に転がっているのを見つける。見上げると、木の上でイブが一心不乱に禁断の実をむさぼっているではないか。これが“非女子”の始まりなのであった。
『占いタマエ!』
キャスト:足立梨花,スネオヘアー,アナンダ・ジェイコブズ,渡辺杉枝 脚本・監督・編集:豊島圭介
プロデューサー:鍜川早人,永井千裕,内井康裕,赤塚将和,榎本雅之 音楽:スキャット後藤 撮影・照明:木村信也 録音:佐藤公章 美術:鈴木阿弥 衣装:佐々木敦子,笹谷監子 ヘアメイク:前田美沙子 音響効果:松下俊彦 助監督:土岐洋介,三村薫 制作:草川弘之
[STORY] 高校生のタマエ(足立梨花)はクラスでいつもひとり。それはちょっと変な行動をしているからだった。タマエは毎日学校へ行 く前に神社に行き、そこに設置されているガチャガチャ占いをして、一日中、それに書かれた通りの行動をしているのだ。理 由は簡単。タマエは占いを作っている神社の神主(スネオヘアー)に恋をしていた。ある日の授業中、いつも通りに占いを実行するタマエ。内容は「ちょいちょい変な声を出そう」。みんなの呆れた反応の中、タマエに興味を持つ人物が現れた。留学生のキャサリン(アナンダ・ジェイコブズ)だ。キャサリンはそれ以来、タマエにまとわりつくようになる。最初は煙たがっていたタマエだが、徐々に心を開いていくようになり、2人の間に友情が芽生えていく。そんなある日、とんでもない占いが出た。それは「好きなひとに告白しよう」。焦って何度も占いをするが、出てくる内容は全部同じ。悩むタマエ。神主の魅力がさっぱり分からないキャサリンも協力してくれて、思い切ってタマエは神主にデートを申し込む。返事は…なんとOK! タマエは河原でデートをすることに。そしていよいよ神主とキスをしようとするが、断られてしまう。公園で泣きじゃくるタマエ。キャサリンは、そんなタマエのためにまるでオペラ歌手のように朗々と歌を歌う。「信じる者は救われる~!」。タマエに笑顔が戻った。
『魁!!みっちゃん』
キャスト:山崎真実,坂口拓,ジジ・ぶぅ 監督・編集:山口雄大
プロデューサー:関根繁樹,加藤万由子,井浪達也,藤井照久 脚本:江本純子 音楽:松石ゲル 撮影:Shu G. 百瀬 照明:太田博 美術:福田宣 サウンドデザイン:平間文人 装飾:渡辺誉慶 特殊美術:西村喜廣,奥山友太 スタイリスト:松本紗矢子 ヘアメイク:河野顕子 制作担当:新野安行 アクション監督:カラサワイサオ 助監督:高明 VFX:鹿角剛司 TMN:國實修平 スタント:宮木ヨシオ,谷山尚未,アース*穴
[STORY] 石丸光子、通称みっちゃん(山崎真実)は日々自分の体を鍛えることに余念がない。ある日、部屋に張られたチラシを見ると、ケータリング焼きそば「スパルタン号」の無料試食実施の文字が。スパルタン号はオーナーのタナカ(ジジ・ぶぅ)と従業員のタク(坂口拓)の2人でやっている店。程なく試食を配り始めるタク。多くの客が1回だけ受け取って帰る中、みっちゃんは行列に混じり何度も焼きそばを受け取る。それに気付いたタナカはタクを叱りつけるが、試食を再開するとまたもや焼きそばをもらいに来るみっちゃん。ようやくタクも気づき、拒絶すると、みっちゃんは不敵な笑いを浮かべて立ち去り、体を鍛え始める。その鬼気迫る姿を見たタナカは恐ろしくなり、慌てて撤収。車を発車させようとするが、みっちゃんが車を抑えていて動かない。そ して、タクはみっちゃんと戦うことを決意する。みっちゃんとタクのバトルが始まった。2人は己の体を駆使し、闘い続ける。そして長い激闘の末、ついにみっちゃんの必殺技がタクにヒット!タクはその場に倒れ込む。こうして2人の闘いは決着した。満足そうにその場から立ち去るみっちゃん。タクはようやくみっちゃんの本当の目的を悟り、ある種の敬意の念を抱く。が、そこへ血迷ったタナカが火のついた矢を取り出し、みっちゃんに狙いを定める。果たして、みっちゃんの運命は!?
『B[ビー]』
キャスト:月船さらら,田中幸太朗,落合恭子,泉原豊 監督:深川栄洋
プロデューサー:岡田公子,北川潤,岡田竜太,齊藤梨恵,木村明史 脚本:櫻井剛 撮影・照明:安田光 録音:永口靖 衣裳ヘアメイク:岩橋奈都子 助監督:亀谷英司 制作担当梶谷真也 音楽:野崎美波 音楽プロデューサー:田井基良 音楽ディレクター:石塚徹 音響効果:佐藤一誠 編集:荒川慎吾
[STORY] 真夏の太陽が降り注ぐ、灼熱の遺跡発掘現場。現場責任者で男勝りに働くキャリアウーマン、菅山美帆(月船さらら)。彼女の 秘密はノーブラ。若手調査員の大和圭吾(田中幸太朗)はイマドキな好青年。ある日、圭吾と並んで作業していた美帆は、無心に発掘作業をする圭吾の背中に何かを見つける。これはブラのホック? 彼女の視線は圭吾の背中に釘付け。その日の夜、真相を暴くべく、美帆は風呂場の男子更衣室に侵入、圭吾の脱衣カゴからピンクのブラをまさぐりだす。その時、調査員の清水(泉原豊)が現れ、美帆は慌てて窓の外にブラを放り投げる。その足で裏手の発掘現場に行き、ブラを見つけるやいなや、土の中に埋めてしまう。翌日、作業員によって発掘されたブラに現場は騒然とする。まさか自分が埋めたとは言いだせない美帆。そこに圭吾が名乗り出て、ブラを受け取る。夜、圭吾の部屋を訪れた美帆は謝るが、圭吾に「なんでブラしないんですか?」と聞かれ、焦った美帆は逆ギレしてしまう。しかし圭吾は自分のブラをそっと美帆に手渡す。ひとり鏡に向かい、ブラをつけてみる美帆。翌朝、圭吾を乗せた軽トラックが発掘現場から遠ざかっていく。冷たく見送る作業員たちをよそに、美帆は作業を投げ出し軽トラを追う。全力で走り、追いつこうとするが、久しぶりに着けたブラが邪魔で走りにくい。美帆はブラを抜き取り、圭吾に向って放り投げるのだった。
『男の証明』
キャスト:片桐はいり,菅原永二,小西遼生,ノゾエ征爾,品川徹,池田鉄洋 監督:川野浩司
プロデューサー:イタミタカオ,清水徹也,江上知子,鈴木達郎,藤井一 脚本:吉川菜美 撮影:ふじもと光明 照明:丸山千晴 録音:星照光 音響効果:安原裕人 美術:小川奈緒子 スタイリスト:村上利香 ヘアメイク:鈴木啓士朗,宮川麻穂 助監督:菊池夢高
[STORY] ここは映画『昭和残侠伝男の証明』の主役オーディション会場…何十人という俳優の面接をしても「イメージが違う」と納得しな い監督に、プロデューサーは困り果てている。会場に次の4人の俳優が入って来た。お決まりの自己紹介が続き、最後の一人に順番が回る。しかしその瞬間、全員の目がその一人に釘付けになった…あいつ、女じゃないのか? 服装こそ男性だが、その声や顔つきは明らかに女性である。「任侠映画の男性役オーディションになぜ女優が?」そう尋ねられた女優(片桐はいり)が答えた…「女に飽きたので」。「フザけたこと言ってんじゃねぇよ!」と、怒った男優が女優に詰め寄る。しかし女優も「男を極めてこの役を演じたい」と、一歩も退く様子はない。女優の態度の中に男以上の男らしさを感じた監督が呟く…「いいね、あの女優」。そんな監督の態度に、男優たちの怒りはさらにヒートアップ、苛立った男優が女優を殴ってしまった! 男が女を殴る異常事態に会場に気まずい空気が流れる…。しかし、女優は鼻血を流しながら懸命に立ち上がると、殴った男を真っ直ぐに見た。そして「口で負けると手を上げる男の仕草、勉強になります!ありがとうございました!」と真剣な表情で頭を下げた。女優の芯の強さに男の美学を感じた監督が感服して拍手を送る。この映画どうなるんだろう……。
『混浴 heaven』
キャスト:江口のりこ,深水元基,河野景子,松田章,深澤翼,牧野愛,綾田俊樹 監督:オースミユーカ
プロデューサー:前田和男,渡辺貴弘,宮越博子,谷國大輔 脚本:吉川菜美 音楽:村上なぎさ 撮影:松島孝助 照明:金子浩治 録音:蓬田智一 美術:島崎淳 編集:松本千秋 音響効果:高橋直樹 助監督:菱沼康介 スタイリスト:加藤しょう子 ヘアメイク:松田美穂
[STORY] 太平洋を望む小さな温泉旅館。大きな荷物を手に訪れたのは千晶(江口のりこ)。部屋に案内され、大きなバックを開けると七輪が…それを目にした仲居は自殺志願者だと勘違い。千晶はかまわず手馴れた所作で浴衣に着替え、お目当ての混浴露天風呂へ。持って来た七輪で魚を焼きつつ、居合わせた客(綾田俊樹)と混浴ならではのすがすがしい会話を交わす。そんな混浴を勘違いしてきたバカップルを許せない彼女は、死体の真似をして驚かす。身も心も解き放って、くつろぐ千晶。そこへ混浴初心者と思しき青年(深水元基)がやってくる。混浴のマナーを知らない青年に千晶が一喝。話し始める二人の会話は次第に微妙な方向へ。その後、千晶は宿で食事をとり、ほろ酔いで港の停泊場へ行くと、神妙な顔をした青年と再び会う。千晶は夜明けの混浴で待ち合わせる約束をする。どこか勘違いしている青年。夜明け前の混浴風呂に千晶が入っていると、青年が陽気に入ってくる。千晶に触れようとすると一撃を受け、背中から湯に飛び込む青年。起き上がると、そこには千晶以外に、昼間、彼女と酌を交わした客、バカップル、仲居らがいる。皆、これから起きる事を期待している。いよいよ水平線が明るくなり、日の出の瞬間。それを千晶は見せたかったのだ。青年はそのあまりの神々しさに泣きくずれ…。
『死ねない女』
キャスト:仲里依紗,佐藤二朗,小松和重,長谷川朝晴 監督:塚本連平
プロデューサー:瀧川里恵,小西将之 脚本:福田雄一 撮影:中野貴大 照明:喜多村治輝 録音:瀬谷満,西條博介 美術:寺尾淳 スタイリスト:棚橋公子 ヘアメイク:五十嵐広美 スクリプター:佐久間亮子 助監督:島添亮 音楽:鈴木俊介 音楽プロデューサー:田井基良 音楽ディレクター:石塚徹 選曲:渡邉朋子 効果:本郷俊介 編集:室井孝介 整音:深田晃 制作進行:齋藤鋼児
[STORY] 中谷涼子(仲里依紗)は東京の片隅で独り暮らしをする25歳のOL。足の踏み場もないほど散らかり放題の部屋で、涼子はある決意に腰を上げる。「死ぬか」。思い切って初告白をした相手にむげにあしらわれ、自殺を思い立ったのだ。手首を切ろうと包丁を手に取った涼子だが、自分の死後に現場検証に来た刑事たちの姿が頭をかすめた。デカ長の松下(佐藤二朗)、野村(小松和重)と江川(長谷川朝晴)の三人が、散らかった部屋に文句を言い、センスをけなし、散々にこき下ろした挙句に、「むしろ死ぬべきだ、この女」とまで言う。我に返って、いたたまれなくなった涼子はカーテンと掃除機を買いに走り、猛然と部屋を片付け始める。ふと、ゴミの山からあるノートを発見すると、再び刑事の顔が頭をよぎる。ノートに書かれたポエムをコケにする三人に狼狽した涼子は、即座にノートを焼却し、部屋を片付け終えると気を取り直して包丁を握る。が、それが錆びているのを見ると、またもや刑事たちが……。料理をしないことをバカにされ、気付くと金物屋で新品の包丁を手にしていた。切れ味を試しついでに料理を作り、食べ終え、今度こそと包丁を手首に近づける。が、ふと鏡に映った自分の姿を見て、またしても……。すっぴんを嘲笑する刑事たちを振り切って、呼び込まれるままに美容室、そして洋服屋へ。見違えるほど美しくなった涼子は、すっかり綺麗になった部屋でいよいよ死のうとする。だが、その途端、今度は眠気に襲われ……果たして、涼子の運命は。
5月30日(土)より、
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『非女子図鑑』企画から完成までの道のり
ホントにできるの!? ~チャレンジングなプロジェクトの始まり~
この企画は、おそらく日本初の試みです。なにしろ知識も経験もまっさらな人たちが、劇場公開映画のプロデュースを果たすべく取り組んだわけですから。この壮大で無謀な!?チャレンジを主導するのはニューシネマワークショップ。日本を代表するプロデューサー・河井信哉氏をディレクターに迎え、1年間でプロデュースの知識から実践に至るまでを修得するプログラム・映画プロデューサーコース。仕事も年齢も様々な社会人30数名が集まり、第1期生として船出したのは2007年10月のことでした。レクチャー(講義)も8割方終え、2008年2月、いよいよ劇場公開の短編企画がスタート。ここで選ばれたのが『非女子図 鑑』という企画。ここから7つのチームに分かれ、“非女子”とは何かをとことん突き詰め、さらに各作品の企画に臨みます。趣味嗜好の異なるメンバーが各々仕事を抱えながらの作業に、喧々囂々の日々が続きます。
当たって砕けろ! ~スタッフ、キャスト交渉~
2008年4月、各作品の骨子が固まると、資金調達、予算配分やスケジュール組み、スタッフ・キャストの交渉に入ります。これから世に出る若手監督起用が当初のイメージでしたが、そこは夢と希望に燃える新米プロデューサーたち。身の程知らずの野望を抱き、当たって砕けろの精神でアタックします。新米の上に低予算なわけですから、とにかく熱意あるのみ。一進一退を繰り返しながらも監督と脚本家が決まると、次はシナリオです。チームによっては準備稿までに9回、10回と改稿を重ねるものもあれば、初稿からすぐにキャスト交渉に入るものもありと様々。キャスト交渉と脚本の改稿作業が併行する中、予算とスケジュールとのにらめっこでハラハラドキドキの毎日です。
いよいよ現場! ~ロケハンから撮影まで~
出演交渉が大詰めを迎える頃、スタッフも固まっていきます。日頃から監督と仕事を共にするスタッフで構成される作品もあれば、これをきっかけに新たなスタッフが組まれる作品も。ただ通常のホンペンと異なるのは、プロデューサーが“自分たちでやれることは出来るだけ自分たちでやる”という前提に立っていること。ロケハン前にプレロケハンに出動するなど、制作部に任せっきりにするだけの金銭的余裕がないのです。候補地が決まると監督、撮影スタッフと共にロケハンに回るも、決まりそうで決まらなかったり……。そうこうするうちにキャストも確定。スタッフミーティング、衣装合わせ、美術準備と進んでいく中で、プロデューサーといえどもあらゆることに関する日程、場所、スタッフ間の調整、準備から後片付けまで、何でもござれ!の怒濤の日々。そして晴れて迎えたクランクインも、いち早く現場に入り、撮影中はコマネズミさながらに働きます。撮影終了後は、キャスト、スタッフを見送り、美術・装飾品の返却までと、予想以上に体力勝負なのでした。
撮影は終わっても ~仕上げ、公開準備~
撮影が終わって一段落と思いきや、すぐに作品の肝とも言えるポスプロに突入。編集、音楽、効果、一つたりとも気を抜けません。編集直前の追加撮影を終えると、尺のせめぎあいがあったり、満足のいく音が上がるまで何度も修正を重ねたり。特に音楽は、互いの共通言語を見つけて意思の疎通を図ることの難しさを痛感させられます。一方で、忘れてならないのが契約書。これもきっちり交わしてこそのプロデューサー! こうして仕上げがヤマ場に差しかかる頃、製作委員会組成、主題歌や劇場決定の朗報が舞い込んできます。『非女子図鑑』の各作品をつなぐ編集を終えると、はや2008年も冬に。そうして12月、ついに初号試写を迎えました。感無量……。でも、これで終わりじゃない。2009年初夏に劇場公開が決まっています。年が明けると、試写会やタイアップなど、公開までプロデューサーがやることは山積みです。ホントに映画って大変。がんばれ新米プロデューサーたち!
[エピソード集]
『オープニング&エンディング』エデンの園を探せ!
2週間かけて慎重に撮影準備を整えて来たにもかかわらず、撮影日の降水確率は80%の予報。晴天の奇跡を祈りつつ迎えた当日は、予報通りの雨でやむなく撮影延期。そのためロケ場所変更を余儀なくされ、アダムとイブが住むエデンの園を新たに探すことになりました。しかし、見つからない。残された時間はあと僅か。誰もが諦め気味になったその時、走って来た制作担当が一言、「エデンの園に相応しい大樹がある!」。偶然見つけたその大樹を前に、監督、カメラマン、プロデューサー、誰もが「最高のロケーションだ!」と確信。エデンの園は意外と近くにあったのです。奇跡は起きました。(その真偽は映画を見て確かめてください)
『占いタマエ!』ゲリラ豪雨との闘い!
撮影に学校を使うこととキャストの都合から夏休み中の撮影が絶対条件。高校生役のエキストラの皆さんは撮影場所となった茨城県の某高校の本物の生徒さんで、夏休みにもかかわらず意欲的に協力してくださいました。映画ではずっと晴天に見えますが(これぞムービーマジック!)、実際の撮影現場は降水確率90%の予報に違わず、激しいゲリラ豪雨&雷と灼熱の太陽が1時間毎にやってくるというすさまじい天候。雨よけなのか日よけなのか、とにかく1日中傘をさしている過酷な状況で、常に天気との戦いでした。しかし、撮影は1日も延びず終了。結果的に全作品中で一番最初にクランクアップ! 撮影隊一同、夏休みの“大きな宿題”が終わった気分でした。
『魁!!みっちゃん』試食用焼きそば50人前! 絶品!肉野菜炒め
山口雄大監督と脚本の江本純子氏が組むのはこれが2本目。息のあった2人は「非女子」とは何かを追求すべく、何度も打ち合わせを実施。最初はポケットティッシュをゲットするのに命を賭ける女の話だったのが、結局、ケータリングカーの試食をゲットする女へと設定をグレードアップ!? そこでプロデューサーたちは早速ケータリングカー探しに奔走。なんとか都内で営業しているケータリングカーに協力してもらうことができました(この車、本来はクレープ屋さん)。撮影当日に準備した試食用焼きそばは約50人前。実はこれ、前夜にプロデューサーたちが汗だくで焼いていたのです。
『B[ビー]』考古学哀歌と男性ブラ!
茨城県教育財団の協力のもと、実際の遺跡発掘現場である田崎遺跡で撮影。発掘作業に従事している方々がエキストラとして出演しています。映画冒頭で流れる「考古学エレジー」は1960年代後半、考古学を志す人たちによって作られ、脈々と歌い継がれている歌。しかし、スタッフの中にはこの曲が頭から離れず、ややノイローゼ気味になった人も……。作品の重要なアイテムとなる男性ブラはここ数年で秘かに愛好家が急増中とのことで、男性プロデューサーも深川監督も生まれて初めてブラを試着。気持ちを入れて臨みました。尚、ブラジャーの選定においては、原宿の輸入下着専門店「GABRIELLE PECO」の協力をいただきました。
『男の証明』アドリブ、ウェルカム!
宝塚歌劇団はある種の“非女子”ではないかとの発想のもと、「女性ばかりの劇団で女たちが男役を奪い合う」という最初の設定から、
何度も検討を重ね「任侠映画のオーディションを女が受ける」というストーリーに変更。撮影はJR新宿駅付近でスタート。川野浩司監督と主演の片桐はいりさんは最近一緒に仕事をしたこともあり、30度を超す残暑の中でも撮影はテンポよく進みました。池田鉄洋さん始め舞台経験豊富な男優陣。「どんどんアドリブを入れてほしい」という監督のリクエストに次々と斬新なアイディアを繰り出し、「カット!」の瞬間、こらえきれずにスタッフがドッと笑い出すことは一度や二度ではありませんでした。
『混浴 heaven』危機また危機の連続!
「混浴」を題材にすることが決まったものの、“非女子”と“混浴好き”を如何に表現するかについて、監督、脚本家、プロデューサー間で何度も何度も議論。さらにキャストの決定が遅れ、一時は制作中止の危機に!それでもなんとか撮影にこぎつけたと思ったら、劇中で口ずさむ楽曲が撮影前々日に使用NGの悲劇!顔面蒼白のスタッフが急いで他の曲をカラオケで探したりもしましたが、撮影当日にOKが出てまたも危機脱出。温泉での撮影は約36時間ぶっ通しで行われ、最後の場面では出演者は4~5時間温泉に浸かりっきり。もはや皮膚の感覚がなかったとのことで、主演の江口のりこさんは「もうお風呂には戻りたくない!」と本気で言っていました。
『死ねない女』絶品!肉野菜炒
塚本連平監督と脚本の福田雄一氏が組むのはこれが2本目。物語の舞台となった主人公の部屋は、都内某所のプロデューサーの知人宅。木彫りの熊、ヘビの縫いぐるみ、猫の壁掛け時計、散乱した洋服等々装飾品には監督をはじめスタッフそれぞれが持ち寄ったものが山ほどあります。劇中の肉野菜炒めは助監督の手作り。その手際のよさに一同、脱帽。主演の仲里依紗さんいわく「絶品!」とのことでした。4人のキャスティングについては、監督、脚本家、プロデューサーの意向が最初からぴたりと一致。佐藤二朗さん、小松和重さん、長谷川朝晴さんの絶妙な掛け合いに撮影現場が笑いに包まれることも度々。待ち時間にも楽しいトークが展開されていました。
『非女子図鑑』
オープニング&エンディング 主演:鳥居みゆき 監督・脚本:清水崇
『占いタマエ!』主演:足立梨花 監督・脚本:豊島圭介
『魁!!みっちゃん』主演:山崎真実 監督:山口雄大 脚本:江本純子
『B [ビー]』主演:月船さらら 監督:深川栄洋 脚本:櫻井剛
『男の証あかし明』主演:片桐はいり 監督:川野浩司 脚本:吉川菜美
『混浴heaven』主演:江口のりこ 監督:オースミユーカ 脚本:吉川菜美
『死ねない女』…主演:仲里依紗 監督:塚本連平 脚本:福田雄一
エグゼクティブプロデューサー:河井信哉,武藤起一,竹平時夫 チーフプロデューサー:梅川治男,松岡周作
企画原案:田村明日香 統括プロデューサー:田村明日香,牧野秀人,一ノ宮嘉道,池田幸治,岡元一徳
アソシエイトプロデューサー:壺井大輔 スチール:本多晃子 メイキング:高橋秀綱
タイトルグラフィックデザイン:ハヤシアキコ タイトルCG:ピー・キューブ 整音:上林俊哉,亀山和寛
編集・録音スタジオ:ビュウ 主題歌:「エクスプレス」 歌:nangi 作詞/作曲:nangi
編曲:野間康介,飛内将大(EPICレコードジャパン)
製作:「非女子図鑑」製作委員会,ニューシネマワークショップ,
エピックレコードジャパン,ビデックス,
ディー・キューブ,ボイス&ハート,ブループリント
製作プロダクションニューシネマワークショップ
2008年/日本/カラー/ビスタサイズ/ DTSステレオ/ 105分
(c)「非女子図鑑」製作委員会
http://hijoshi.com/
5月30日(土)より、
渋谷シアターTSUTAYA他全国順次ロードショー!!
主なキャスト / スタッフ
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